ある青年の一日(第一話)
投稿者名:みはいろびっち
投稿日時:(04/ 3/24)
注)この作品は私の『ある少年の一日』、『ある女教師の一日』に続く短編というべき作品になっています。
これらを読まなくても支障が無いように書いてはいるつもりですが、先にこれらを読んでいただけるとよりスムーズにこの話の世界観をご理解いただけるかと思います。
あしからずご了承ください。
そこは薄暗い密室だった。
カーテンの隙間から朝日が細くさしこんでいるその部屋の中央では一人の男が横たわっていた。
わずかに聞こえてくる音は窓の外で鳴く鳥のさえずりであろうか。
今その部屋の唯一の入り口である障子にはなにやら黒い人影が写っていた。
そしてその障子はまったく音を立てず少しずつ開かれていく。
その隙間からは黒いコートにその身を包んだ怪しげな人物が現れるのだった。
謎の人物は部屋の四方にわずかに視線をやったあと、その視線を中央に横たわる男にとどめ、殺気、とでも呼ぶべき雰囲気を辺りに漂わせつつ男の元へ一歩また一歩と近づいていく。
男のすぐそばにまで近づいた後、その人物は冷たい瞳で男を見下ろし、おもむろに男の襟元へと手を伸ばし一言つぶやいた。
「いや、いい加減気づいてくれよ。……頼むから。」
伊達雪乃丞23歳の春であった。
「おーい、横島。おかわりないか?カップめんもう一個くれ。」
まったく遠慮のない雪乃丞の物言いにその部屋の主である横島はあきれたように答える。
「おまえなぁ、朝っぱらから人の部屋に押しかけてきて遠慮というものを知らんのか?」
「いいじゃねぇかよ。俺はお前がまったく気づかないからここで一時間も待たされたんだぜ。」
口を尖らせて答える雪乃丞に、横島は疲れたかのように肩を落として答える。
「それだけ居たんなら起こせばいいじゃねぇかよ。部屋の隅っこで何してたんだ、いったい?」
そう、横島が目を覚ましたとき、雪乃丞は部屋の隅で体育座りをして、いじけた少年ようにはらはらと涙を流していたのだった。
ジト目で睨まれて、雪乃丞はしどろもどろになりながら答える。
「いや、だってよ。普通あれだけ殺気を出してたら気づくだろうがよ。」
「気づくか、ボケ。オレをお前みたいな人外の化け物といっしょにするんじゃない!」
「だいぶ前に来たときはお前、俺が殺気を消してたのに気づいただろうが。」
意外なことを聞いたかのような顔をして尋ねた雪乃丞に、はっと何かを思い出したのか今度は横島が視線をそらしながらなにやらよくわからないことをつぶやく。
「いや、あれは、そのまぁ。あれだよ。」
「?」
「さ、ほら、カップめんだろ。これ食えよ。遠慮すんなって、オレとお前の仲じゃないか。」
不思議そうな顔をした雪乃丞に対して、彼の肩を抱きながら急に先ほどとは矛盾したことを言い出す横島であった。
今までの
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