ザ・グレート・展開予測ショー

らぶ・サバイバル 〜第1回〜


投稿者名:殿下
投稿日時:(04/ 3/19)



「いい加減にしてよね!私のヨコシマにちょっかい出さないで!!」
一人の美女の怒号が事務所内に響きわたる。

「ルシオラ・・・落ち着け」
俺はその怒りを静めようと試みるが

「ヨコシマもヨコシマよ!何でいちいち構うのよ!」
怒りの矛先をこちらに向けただけだった。

「いや・・・そんな事言われても・・」
俺はオロオロするだけで何の反論もできない。

「はあ、独占欲の強い女・・・」
「全くでござる。先生もいい迷惑でござるな」
二人の少女が火に油を注ぐような発言をする。

「お、おいタマモ、シロ」
「何ですって〜!」
「何よ」
「何でござる!」

今にも戦闘が始まりそうな雰囲気が立ちこめる。俺はその渦中にいて、身動き一つできない状態にある。

「ル、ルシオラさん・・タマモちゃん、シロちゃんまで・・・ちょっと美神さん、座ってないで何とかして下さいよ」
巫女服姿の女性が机でゆっくりとくつろいでいるこの事務所の主に助けを求める。

「おキヌちゃん、ほっときなさいよ。いつもの事でしょ?」
そう言ってまたくつろぎだす。ここまでは日常のことだが今回は違った。

「ちょっと、自分には関係ないみたいな態度とってるけど、ヨコシマにちょっかい出してる人間にあなた達も含まれてるんだからね」

「なっ!?私がいつ横島君にちょっかい出したのよ!」
読んでいた雑誌を机に叩きつけて激しく反論する。

「してるじゃないの!おキヌちゃんは毎日毎日ヨコシマのアパートに料理を作りに行って!美神さんは毎晩毎晩未成年のヨコシマを酒に付き合わせて!そのおかげで私がヨコシマと一緒にいる時間が少なくなってるんだから」
「「うっ!?」」
二人とも心当たりがあるのか、反論できない。

「シロちゃんは毎朝散歩に連れていくし、タマモなんて私の前でいきなりヨコシマの頬にキスするのよ!」

「あんたそんな事してたの?」

ルシオラのこの発言には美神を含む三人も驚きを隠せない。中には
「私だってしたくても我慢してるのに・・・」
などとつぶやく者もいたりする。

「だって私はヨコシマのことが好きなんだもの。誰を好きになろうが自由でしょ?これでも我慢してるのよ。本当は唇にキスしたいんだから・・・それにヨコシマ、あんまり嫌がらないしね♪」

ピクッ

「そうなの?ヨコシマ」
ルシオラが静かに聞いてくる。

「いや、何というか、その、一緒に事務所をやってる仲間だしさ、露骨に嫌がるのも・・」

「・・・そう。わかった」

(何がわかったんだろう・・・そうか!これからは浮気を許すっていう事か)
などと俺がアホな事を考えていると、ルシオラがにっこりと笑って言った。

「独立して二人で事務所を開きましょ☆」

「「「「「え〜〜〜!?」」」」」

「だって同じ職場の人間だから気を使って断れないんでしょ?だったらプロのGSになって独立して二人で事務所を開けば、いつも一緒にいられるし、美神さん達に余計な気を使わなくて済むでしょ?」

「ちょっと待ちなさいよ。私は横島君の雇い主なのよ!そんな勝手なことさせるわけないじゃない!それにプロのGSになるには私の許可が必要なのよ」
美神さんが真っ先に異論を唱える。

「何で?今のヨコシマはただのバイトなんだから事務所を辞めればいいだけの話でしょ!それにもうヨコシマは美神さんより強いし、一人でもちゃんと除霊出来るんだからプロのGSになることを許可してもいいはずよ」

「うっ・・・そうだけど、許さないからね。私はこいつの生殺与奪権を持ってるんだから!」
(美神さん・・・そりゃないでしょ)

「そんなものこの時代に通用するわけないでしょ!」
(うんうん、その通り)

「何にせよ絶対に許可しないし、辞めさせないからね!」
(うんうん、辞めるのは俺も嫌だな)

「そうですよ。それに横島さんの気持ちだってあるんですから」
(うんうん、俺の気持ちだって・・・おキヌちゃん、何て事を・・・そんな事を言ったら・・)

「決まってるじゃない、ねえ〜ヨコシマ?」
ルシオラが笑って聞いてくるが、その目は全く笑ってなかった。
(いつも見慣れてるルシオラの可愛い笑顔が今は怖い・・・)

「どうなの?」
(何て答えれば・・・そうだ!)

「ルシオラ、事務所を開くっていっても、俺にはそんな資金ないから無理だよ」

「そっか・・・そうよね」
(ふー、何とか理由になったな。そりゃ俺だってもっとルシオラとの時間が欲しいけど、事務所を辞めるのわな〜)

「ちょっと待つある!」
「ちょっと待ちたまえ!」

いつ事務所に入ってきたのだろうか・・・二人の男がちょっと待ったコールをかけてきた。

「お前らは・・・厄珍、それに西条!何しに来たんだ?いきなり話に入ってきやがって・・・ていうかいつからそこにいたんだよ!」

「ふふふ、細かい事はいいじゃないか横島君。今の話だと事務所を開く資金が足りないそうだね。僕らが是非援助しようじゃないか!」

「バカ、余計なことをせんでいい!あっ」
俺は自分の言ったことが彼女の逆鱗に触れる発言だと気付いた。

「余計なこと?」
ルシオラがこめかみに血管を浮かべて聞いてくる。

「ははははは、助かりますよ。西条さん」
俺は西条の肩を抱き喜びの言葉を伝える。

「そうかい?喜んでくれて嬉しいよ」
西条が本当に嬉しそうに喋る。

「(てめえ、どういうつもりだ?)」
小声で西条に抗議する。

「(君が事務所に居ると何かと邪魔でね。それに・・・)」

「(それに・・・?)」

「そろそろ君達二人も『本当に結ばれる』べきなんじゃないかと思ってね」
西条がみんなに聞こえるように声を大にして叫ぶ。

(本当に・・・結ばれる!?本当に・・・結ばれる・・・れる・・・れる・・・!?か、考えてみれば、ルシオラは俺の彼女なんだ。彼女といえば何でもありの関係・・・!!ということは、ルシオラは丸ごと俺のもん・・・!?)

「えっ、やだ、でも・・そんな・・だけど、そろそろ・・・・きゃっ☆」

俺とルシオラがあっちの世界に旅立ってる間

「ちょっと何言ってるでござるか!」
「そうですよ西条さん!」
「バカな事言わないでよ!」
「・・・燃やすわよ、あんた」
事務所メンバー全員が激しく抗議する。

「落ち着きたまえ。何も君達の気持ちを無視して援助するわけじゃないんだ。みんなにその権利を巡って勝負してもらおうと思ってね」

「「「「「「勝負?」」」」」」
俺とルシオラは先ほどあっちの世界から戻ってきて、みんなと一緒になって聞いた。

「そのことに関しては厄珍から話してもらおう」

「待ちくたびれたある」
厄珍がやっと自分の出番だと言わんばかりに勢いよく前に出てきた。

「では、簡単に説明するある。まず1〜4人の人数でチームを作り、自分達を事務所の所員にした時のメリット、そして女としての魅力をアピールしてもらい、横島の坊主に選ばれたチームには坊主が独立するための資金とその事務所のメンバーになり、共同生活することができるある。さらに坊主が一つだけ何でも言うことを聞いてくれるね」

「「「「お〜〜〜〜!」」」」  ぱちぱちぱちぱち
(お、俺の意志は・・・)
説明を聞いた瞬間、歓声があがり拍手が巻き起こる。みんなはこの提案に賛成のようだ。一人を除いては・・・
「私はどうなるのよ!いちいち事務所の所員が独立する資金を稼ぐなんて、私にメリットがないじゃない」

「令子ちゃんが優勝したら、その独立資金を自分のものにして坊主は今まで通りバイトとして雇えばいいある」

「・・・・なるほど。その話のったわ」

「みんな同意したようだね」
「ちょっと待て西「勝負は一週間後に六道女学園で行うからそのつもりで!それじゃ」
「さらばある」
二人は満足そうに事務所から出ていった。

(俺の意志は・・・?)


〜事務所外〜


「やったぞ、これで事務所から横島君が出ていけば、必然的に令子ちゃんは僕のものに・・・」
「これで観客をたくさん集めて入場料取って、出場する美女・美少女のグッズを売って大儲けある」

「「あーーはっはっはっはっは」」
事務所の外では二人の笑い声が響き渡っている。


〜事務所内〜


「それじゃあ、私行くわ」

「どこに行くんだ?ルシオラ」

「私はパピリオとベスパと一緒に出場するわ。その前に・・・・・んっ」

みんなが見ているにも関わらず、ルシオラが俺に唇を重ねてくる。

「この続きは一週間後・・・ね♪」

「ルシオラ・・・一週間後と言わず今すぐ!!!」
ドギャ!!
「ぐはっ!」

「それじゃあ皆さん一週間後に会いましょう」
そう言い残してルシオラは飛んでいった。

「続きは一週間後・・・か」
(ついに・・・!!ついに来たあーーッ!!さらば少年の日々!!お父さんお母さんっ、忠夫は一週間後『男』になりますーーー!!!)

「・・・なるほどね」

「タマモ、何をのんきにしてるでござるか!拙者の目の前で先生にあのような事をするとは何という狼藉か!」

「続きは一週間後、つまりルシオラは優勝するって宣言したのよ」

「宣戦布告でござるか、相手にとって不足はないでござる!!」

「それじゃあ、私達4人で出場で良いわね」

「・・・待って」

「何?」

「ミカミさんと一緒のチームで優勝しても、またいつもの関係に戻るだけでしょ?私は別のチームで出場するわ!シロ、あんたはどうする?」

「・・・拙者もタマモと行くでござる」

「よし、それじゃあ行きましょ」

ダダダダダダ
そう言って二人は走り去っていった。

「しょうがないわね。じゃあ私とおキヌちゃ「美神さん!」

「どうしたの?まさか・・・おキヌちゃんも」

「ごめんなさい。私も別のチームで出場します!」

たたたたたた
おキヌちゃんもそう言って出ていった。そして事務所内は俺と美神さんの二人になった。

「勝手にしなさい。その代わり私が優勝しても事務所には置いてあげないからね!」
息を荒くして美神さんが叫ぶ。

「・・・美神さん」

ジロッ

「えっ?」

「あんたも早く出て行きなさいよ!」

バキッ!!
「そんな殺生なーーーーーー!」
俺は美神さんに窓から突き落とされた。

「絶っっっ対優勝してやるから!そん時は横島君、あんたはずっと私の側にいるのよ!」

「美神さん・・」
意地ばかり張っていた女性が自分の気持ちを少し遠回しに相手に伝えた瞬間だった。


〜タマモ&シロサイド〜


「それでどうするでござるか?二人で出場するのでござるか?」

「ううん、とりあえず一人仲間に入れるつもりよ」

「二人ではいけないでござるか?」

「う〜ん、魅力の勝負は私達だけだとね・・・」

「それなら大丈夫でござるよ。拙者の魅力で先生もイチコロでござるよ!」
シロが胸を張って自信満々に答える。

「・・・まあ、私達で勝てるに越した事はないけどね。でも私達二人には大人の魅力が足りないのよ!」

「大人の魅力・・・でござるか」

「そう、今から仲間にする女性はそれを持っているわ。しかもミカミさん以上のね」

「美神殿以上の?そんな女性が知り合いにいたでござるか?」

「私も会ったことないけど、どこに住んでるのかはわかるわ。以前ヨコシマから聞いた話だから確かよ」

「ふ〜ん」

「それじゃあさっさと仲間にして作戦会議よ!」

「ところでその女性は一体何者でござる?」

「・・・・猫叉よ」


         【つづく】

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