ザ・グレート・展開予測ショー

オ・ン・ナ・ノ・シュ・ラ・バ♪3告白合戦の始まりその二


投稿者名:ノリ
投稿日時:(04/ 3/17)


今回までのあらすじ

横島への恋心を、再確認した美神とおキヌが、我先に告白せんと横島を追い詰める。
しかぁ〜し!そうは問屋が卸さない!
横島は、あっ!という間に文殊の力で逃げてしまう。
そこで、独力だけでは横島を捕まえるのは難しいと考えたおキヌと美神は同盟を組む!
そして、逃げおおせた横島の前にタマモが現れた!
さて、これから先横島に薔薇色の未来は現れるのか!!?


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どこにでもあるような裏路地で……

「タマモ。どこに逃げるといいんだ?」

横島は、わらにもすがる思いでタマモに話しかける。
話しかけられたタマモは、せっかく二人っきりなのに! などと思っているが……
横島が気付くわけもないので、少々投げやりに答えた。

「さぁ?多分、どこに逃げても結果は同じだと思うよ?」

タマモの返答に焦る横島……いや、瞬間的に凍結したみたいだ。

「……なにもそこまで動揺しなくても……」

タマモは、苦笑いを浮かべてそう横島にいう。
しかし、横島は血の涙を滝のように流しながら叫ぶようにして訴えた。

「あの美神さんが! おキヌちゃんが! 目を血走らせて追ってくるんだぞ!?
 こんな怖いことがあってたまるか!!」

横島の訴えを聞いて、またも苦笑いをするタマモ。
流石に今回ばかりは、彼女も反応に困っているみたいだ。
しかし、タマモは冷静に横島に作戦を告げる。
勿論、逃げるタメの作戦ではないが……

「とりあえず。横島、文殊を使って雪之丞に化けなさい。」
「へ?なんでまた……」
「いいから。それとも捕まりたいの?」

タマモの押しの一言がきめとなって横島は、早速文珠『模』を発動させた。
横島が、雪之丞に化けたのを見届けるとタマモは、とある女性へと変化した。

「なるほど!これならしばらくはばれないな!」

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その頃、美神たちは……

『こちらD班。写真の男性は、発見できず。』
「わかったわ。今度は、E班と合流して高所から遠距離霊視ゴーグルを使って探索を開始。いいわね?」
『了解しました!』

美神が、きびきびと指示を与えているのは、例の如く警察官である。
ちなみに、上の会話にあった遠距離霊視ゴーグルとは、文字どうり普通のゴーグルよりもより遠くのものを見るためのものである。
ただ、試作段階なのであまり精度はよくない。

「……美神さん。どうですか?」
「はぁ、成果なしね。たく、どこににげたんだか。」

美神は、おもむろに地図を机上に広げた。
すると、赤のマーカーで、ところどころしるしをつけていく。

「とりあえず。調べていない所は、このしるしのある場所ね。」
「えっと、半径およそ二キロってところですね。」

美神は、タマモの予想を裏切って、凄まじい速さと精度で探索を始めていた。
まず、第一に横島の現段階での実力(ここでは、霊力の制御力のこと)から考慮した転移できる範囲内を陸海空全ての面で封鎖した。
そこから、総勢およそ五千人を投入し捜索範囲を狭めていっている。
無論、文殊にはアシュタロス戦で使用したコピーする力もあるので検問には、霊視ゴーグルも配備されている。
まさに、逃げ場なしといったところだ。

「浮遊霊さんたちにも協力を仰いでるんですけど……」
「まぁ、見つけられないでしょうね。文殊で模写したら霊波の質まで、変化しちゃうから。」

美神は、なにを思ったか思いっきり立ち上がった。
おキヌは、何事かと美神を見るが、美神は……

「おキヌちゃん。そろそろ出るわよ。」
「わかりました。何か持っていくものはありませんか?」
「とりあえず。小型発信機くらいはもっていかないとね。また逃げられるかも知れないし。」

美神たちは、一級の装備をして戦場へと向かうのであった。
そう、恋という名の使命に駆られて……

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そして、忘れ去られているかも知れないシロはというと……

「美神どのがやけに殺気だっていたでござるが……
 先生は、大丈夫でござろうか……」

単身、横島の匂いを頼りに横島の探索を始めていた。
探し始めて、はや三十分余り。
そろそろ、横島を発見してもいいかなと思っていたとき、突然匂いが消えてしまったのである。

「!?匂いがなくなったでござる。いや……先生の匂いがだんだん別の匂いに変わっているような……」

さすがは、狼。
匂いの変化まで嗅ぎ取っているようだ。
無論、はっきりとはわかるわけはない。
しかし、手がかりがそれ以外にないのだからそれを信じる以外に方法はないのだ。

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公園にて

「……横島、美神さんの作戦も読めてきたから次の段階に入るわよ。」
「おう、って、美神さんの作戦って?」

横島は、タマモの話の出鼻をくじいた。
タマモは、多少呆れた顔をしつつも美神の作戦について横島に説明した。

「捜索範囲を設定して、だんだんと捜索範囲を縮小していくって作戦よ。」
「でも、化けてるんだしばれないんじゃ……」
「相手は、美神さんよ?それぐらい予想していないとでも思ってるの?」

タマモは、さも当然とばかりに横島にそういった。

「わーったよ。で、次の段階って?」
「取り合えず、検問を突破しない事には話しにならないわ。
 こんな所で、篭城なんてしても意味が無いしね。」
「ふむふむ。」

タマモの言うことを良く効いている横島……
その風景は、まるで教師と教え子のようである。

「そこで、私が横島に化けて検問を強引に突破。すると、そこの検問所ががら空きになるか、手薄になるかのどちらかになるわ。
 そうすれば、横島が楽に突破できるでしょ?」
「でもよ。タマモはどうなるんだ? 捕まっちまうかも―

横島が、そんなことはしたくないといった真剣な顔で言おうとしたとき
タマモが横島の口を人差し指で、ふさいでこう告げた。

「私は、大丈夫よ。私の十八番は幻覚に変化だからね。いざとなったら通行人にでも化けるわよ。」
「そ、そうか?」

甘いような甘くないような一時が流れた後、二人の予想だにしない人物が現れた。

「あ、あれは……」
「し・シロ?あいつ、なんでここに……とりあえずここを離れよう。」
「とりあえず、事務所とは逆方向の検問を突破しましょう。」

シロは、横島たちには気付いていないようだが……
悪い事とは、重なるものである。
ボスッ
そんな音と共に誰かとぶつかった。

「あっ、すみません。」

ぶつかった相手は、おキヌちゃんだった。
勿論、横島は、雪之丞に化けているので問題は無いが内心ひやひやしたようだ。
冷や汗が出ているので換わりはないであろうが。

「あら、雪之丞にかおりちゃんじゃない。」

タマモが化けているのは、弓かおりである。
雪之丞繋がりといえばタイガーやピートもあるがタマモ個人としては恋人という設定を使いたかったので弓にしたのだろう。
ほかに、タイガーと一文字もあるが……タイガーのノリは、難しい物があるだろう。

「お姉様! こんな所で、お会いできるなんて光栄ですわ!」

タマモが、少しぎこちなさの残るセリフで、必死に弓を演じている。
横島は、タマモのいきなりのテンションにびっくりしたようだが直ぐに自分も雪之丞の役をすることにしたみたいだ。

「ひ・久しぶりだな!横島の野郎はどうしてるんだ?」

ただ、そんなものでは美神の目は誤魔化せなかった。
横島としての一挙一動を美神が、見逃すわけがないのだから。

「それよりも横島くん? ちょっといい?」
「はい? なんすか?」

お約束といえば、お約束ではあったが……
「あっ」と声を上げた挙句口を抑えたのであればもう言い逃れは出来ないだろう。
そして、横島の返答を聞いたタマモも地を出してしまうこととなった。

「ばっ、バカ! 何言ってんのよ! 早く逃げるわよ!!」

タマモは、美神達に向かって狐火をお見舞いする。
そして、反転。

「こら!待て!」
「待ちなさい!」


逃亡を図ろうとするが……先ほどの騒動で、精神集中が途切れ変化が途切れてしまったためにシロに見つかってしまった。
勿論、霊波刀を構えていて臨戦態勢である。

「こら女狐!先生をどこに連れて行くつもりでござる!」
「ばっ、どきなさいよ! バカ犬!」

対峙せざるを得ない状態を作られたためにタマモの足が完全に止まってしまい。
後方から飛んで来た投網で捕縛されてしまった。

「チェックメイト!」
「はぁ、もう捕まっちゃった。」
「堪忍やー!俺がなにしたいうんやー!」

泣き叫ぶ横島。悔しがるタマモ、いまいち状況のつかめていないシロ嬉々としている美神とおキヌ。
こうして幕を閉じた鬼ごっこだが、このあとの横島の運命やいかに!

                                   続劇

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