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GS信長 極楽天下布武!!【資格試験編】(13)


投稿者名:竹
投稿日時:(04/ 3/15)

池田恒興(1536〜1584)
 織田信長の乳兄弟。
 名は勝三郎,後に出家して勝入。
 信長死後の織田家中では,没落した滝川一益に代わり,羽柴秀吉の企てで“四宿老”の席に列した。
 長久手の戦いでは秀吉方として出陣,奇襲を献策し勇躍決行するも,敵将・徳川家康に見破られ,娘婿の森 長可と共に敗死。

柴田勝家(1522?〜1583)
 織田信長の有力武将。
 初め信長の弟・信行の家老だったが,稲生の戦いに敗れてからは,信長に心酔し,後に臣従する様になる。
 “瓶割り柴田”の異名を持つ勇猛果敢な武将で,前田利家等を率い,北陸の雄・上杉景勝と対峙する。
 本能寺の変後は,山崎の戦いの功で急速に勢力を伸ばした羽柴秀吉の対抗馬とされるが,賤ヶ岳の戦いに敗れ,越前北ノ庄で自刃。

佐久間信盛(?〜1581)
 織田信長の有力武将。
 柴田勝家と同じく織田信行の家老だったが,後に信長派に転じ,信長の家督相続に貢献,その武将として各地を転戦した。
 後の織田軍団の方面軍司令官は,勝家・丹羽長秀・信盛・滝川一益・荒木村重・明智光秀・羽柴秀吉・徳川家康の諸将である。
 石山本願寺功囲の主将として石山の戦いを戦うが,功の少ないのを理由に追放,剃髪して高野山に入り,熊野に没する。















   吉法師━┓
       ┃━┓
  勒鶴義堅─┘ ┃━┓
  浅井長政━┓ | |
       ┃━┛ |
  佐々成政─┘   |─┐
  那柄正家━┓   | │
       ┃━┓ │ │
  豊臣秀長─┘ ┃━┛ │
マエダー利家━┓ |   │
       ┃━┛   │
   織田 淀─┘     │──
 時読ヒカリ━┓     │
       ┃━┓   │
 雨姫蛇秀家─┘ │   │
  雫手政宗─┐ ┃━┓ │
       ┃━┛ │ │
  善楕三成━┛   │ │
  浅野長政━┓   │─┘
       ┃━┓ │
  浅野ねね─┘ │ │
  益汰長盛─┐ │─┘
       ┃━┛
  羽柴秀美━┛




「恐くない……!」
メキメキメキィ!
『浅野選手,お約束の変蟲術だ!』
『“蝉”の能力だナ』
ブブブブブ……
「!」
『おおっと,早速,鳴き始めました,浅野選手!』
『……?さっきはミンミン蝉だったよナ。何か違うのカ?』
「そう。この音波は,脳に働きかけて,相手に幻覚を見せるんだ」
「……」
「“空蝉地獄”!この無数の俺の中から,本物が見分けられるか!?」
『おおっと,これは!観戦席の我々に迄,幻覚が見える程の強力な音波だ!羽柴選手,果たして如何出る!?』
『……全方向攻撃で良いんじゃないカ?』
「そんな大技なんてしたら,霊力溜めてる間に攻撃するよ!」
ブシュ!
「え……?」
「……」
『お,おおっとぉ!?羽柴選手,唯の一発で本物を探り当てた!霊波刀が,浅野選手の脇腹を抉ります!』
「な……何で……?」
「……」
ザン!ザン!
『無言のまま攻撃を続けます,羽柴選手!浅野選手,為す術も無い!』
「う……あ……!」
く……。こりゃ,もう駄目だな。負けだ。
……負けるにしても,早く変蟲術を解かなきゃ……。このままじゃ,ホントに蝉になっちゃう。
うわあ。もう,良いから攻撃止めてよ。痛い痛い!蝉にも痛覚は有るんだからね!?って,そう言う訳にもいかないか。
何やってんだよ,審判。如何見ても俺の負けだろ。良いから早くコールしろよ。抵抗出来てないじゃん。
ああ,もう!痛い痛い……!
ああっ!もう,平常心が保てなくなるんだってばあ!
やばいやばい!
誰か助けて!
あああ……。

……?
あれ?
「……」
『おっと,如何した事でしょう。押していた羽柴選手,突然攻撃の手をを止めました』
『これ以上やったら,死んじまうと思ったんじゃねえカ』
そうなのか……?
この試合,死んでも事故なのに。
「……」
って,だからって進んで人殺ししたい奴なんてそうはいないか。
……此奴,案外良い奴かも?
「……」
『羽柴選手,浅野選手の動きを窺っております』
はっ!そうか。
変蟲術解かなきゃ。
メキメキ……
『おっと,浅野選手,此処で変蟲術を解きます』
『これ以上使い続けると拙いと思ったんだろうナ』
「ふう……」
「……」
ドカァ!
「!?」
ドシャア!
『浅野選手が術を解いた隙に,羽柴選手,蹴りを叩き込みました!』
「が……」
『おっと,浅野選手!此処でダウンか!?』
「……」

「勝者,羽柴!」
『最後の準決勝進出者は,羽柴秀美選手!』



「ま,負けちゃいました……」
「ま,仕方無いわね」
「良い所で負かされてもらって良かったな」
「え?」
「いや。あのままお前をいたぶる事も出来たからな」
「はは……」
「そんなサドは貴方だけよ,三成」
「サドはお前だろう」
「ま,まあまあ……」
「しかし,何で彼女には長政の術が効かなかったんだ?」
「そうね。仮に耳栓してたにしても少しは聞こえる筈だけど」
「ですよね……。御免なさい。分かりません」
「そう……」
「ま,仕方無いな。何,気にするな,長政」
「三成さん……」
「次は,私か」


「ふぁ〜,勝ったぁ!」
藤吉郎は,そう言いながら文珠を生成し,飲み下した。
刻まれた文字は,

『解』

バシュウ
「ふう」
「あれ?日吉」
「ヒナタ」
「男に戻ってんの?」
「あ,ああ。『解』の文珠,使わなきゃならなかったから」
「ならなかったから……って,何で」
「さっきの試合,“蝉”の能力対策に,文珠で耳栓してたんだよ」
「耳栓?」
「『聾』の文珠」
「『聾』ぉ?」
「そう言う事。ま,必要以上に相手を追い込んでも仕方無いしね。だったら,最初から対策立ててった方が良いかなと思って」
「ふーん。だからあんなに無口だったんだ」
「そう言う事。一寸文珠勿体ないけどね。『女』の文珠で又た性転換する事も考えると,実に文珠三つ分だよ」
「そんなもんじゃないの?」
「ま,そんなもんだけどね。もうちょい頭使えば,幾らか上手く出来たかもってさ」
「はぁ〜。まあ,良いけどさ」



『さあ!続いて遂に準決勝!第一試合は,吉法師選手対那柄正家選手です!』
『明らかにトーナメントの順番が先の方が有利だがナ。運を呼び込むのも,霊能者の実力の内ダ』
「けっ,霊能者か。合理主義者の俺様が,まさかこんな事をする羽目になるたぁな」
「未だ前の試合の傷が治ってない……。正直,きついかも知れないわね……」

「試合開始!」
「はあぁっ!」
メキメキメキィ!
『那柄選手,いきなりの変蟲術です!』
「へっ!きやがったな?」
ダッ!
『吉法師選手,神通根を構えて間合いを詰める!』
「鎌鼬が厄介なら,それをさせなきゃ良いんだよなッ!」
「ちっ!」
ゴッ!
『那柄選手,鎌鼬を撃つ!』
「へっ……!気合いが入ってねぇぜ,かま野郎!」
バチィッ!
「……!」
『な,何と吉法師選手,那柄選手の鎌鼬を捌いて受け流してしまいました!』
『撃ち込みに焦った分,真空率が低かったんだナ』
ドォン!ドォン!
「らあっ!」
「ぐ……!」
バツィッ!
『那柄選手,鎌と化した自らの腕で,振り下ろされた吉法師選手の神通根を何とか受け止めます!』
「はっ!やるな!けど……」
「!」
「詰めが甘ぇぜ!」
ブアチィッ!
『おおっと!吉法師選手,神通根に更に霊力を注ぎ込み,鞭状にして那柄選手の鎌を外し,激烈な一撃をお見舞いしました!』
ドォン!
『那柄選手は,結界に叩き付けられたあっ!』
「ぐっ……!くっそ,傷が開いた……」
「おらぁ!安心してんじゃねーぞ,かま野郎!」
「っ!」
ザン!
「……へえ」
「……!」
『更に追い打ちを掛けるべく,攻め込んでいった吉法師選手の攻撃に対し,那柄選手,鎌の一撃で反撃!見事神通鞭を切り裂きました!』
「はぁあっ!」
「!」
ゴッ!
『更に鎌鼬を連射する那柄選手,しかしこれは,吉法師選手,後ろに跳んで回避します』
「……俺の霊力を斬り刻むとはな。本当にやるな,手前ぇ」
「有り難う。序でに,負けてくれると嬉しいんだけど」
「ざけんな。だが……そうだな」
「何?」
「お前達が魔族と裏取引をして,その妙な術を貰う代わりに合格したら魔族に有利な様に図ると」
「!」
「……その事実を認めて大人しく刑に服するなら,考えてやっても良いぜ?」
「ぐ……矢張りそう言う事だったのね?」
「ふん……」
「貴男……いえ,貴男達,かしら?一体何者なの。GS協会の手の者かしら?」
「ふん。協会がそれ掴んでたら,んなまどろっこしい事しねーでお前等を出場停止にするだろうさ。仮に,連中も似た様な事をしてるとしてもな?」
「じゃあ……」
「俺等に仕事を依頼してきたのは,神界の連中さ」
「神界……!?」
「ああ。詰まり,お前達は神様に目ぇ付けられてるって事だな。まあ,魔族と取引なんざするんだから,その覚悟は出来てるだろうけどよ」
「……」
「さ,如何する?」
「冗談じゃない」
「ほう?」
「そんな事,出来る訳ないじゃない」
「何故だ?」
「分かるでしょ?殺されちゃうもの。それに――」
「それに?」
「あたし達は……あたしは!なんとしても,主席合格をしなきゃならないのよ!」
「……?へっ。何があったか知らねーが,立派な信念だな。見てくれに似合わず,なかなか男らしいじゃねーか。気に入ったぜ。だが――大人しく吐かないと言うのなら,力尽くで吐かせる迄だぜ?なんせ此処では,何をやっても合法。口を割りたくなる迄,ひたすら拷問してやるよ」
「な……!」
何て……冷たい眼……!
「俺を其処等辺のスイーパーと一緒にすんなよ。俺はやると言ったらやるぜ?俺は元・独裁者だからな」
「な,何を言って……」
「こっちの話だ。それよか,如何する?このままやった所で,お前の勝ち目は薄いぜ?そして,そうなった場合……」
「分かった」
「へっ!最初から,そうしてりゃ良いんだ」
「仕方無いわね。主席合格は諦めるわ。……それを目指してたのは,酷く個人的な事情だったからね。ふっ,そして愚かと言うべきか。自分より強大な存在にあったからでも何でも,スッパリ諦めてしまえば気が楽ね」
「けっ。何に縛られてたか知らねーが,それは正しい選択だぜ」
「けど,合格するのは個人的な理由じゃないわ。それが約束だし,それを破ればあたしの命が危ない。折角手に入れた資格を,剥奪される訳にはいかないの。だから――こうするわ」
「何っ!」
「ガク……」
「……ちっ!自分から気絶しやがった。幽体離脱の要領か……。口で降参と言わねぇ限り,ギブアップとは認められねぇからな。ったく,好い加減なもんだぜ。お役所仕事ってな,こうだからいけねえ」

「勝者,吉法師!」
『おっと……。何やら会話をしていた両選手。その内に,突然那柄選手が気絶してしまいました!よって,この試合,吉法師選手の勝ちとなります』
『……何を話してたんダ?』


「ま,正家さんが……」
「――矢張り,あの吉法師と言う僧侶,ただ者ではなかったな」
「三成さん……」
「ふ,大丈夫だ。そんな顔をするな,長政」
「でも……」
「取り敢えず,五人とも合格はしたんだ。取り敢えずの目的は達成された。私とて,あの少女が相手なら,殺される事はないだろう」
「……」
「長政。自分が後ろ暗い事をしていると思うな」
「え?」
「自分を肯定出来ぬ人間には,何事も成す事は出来んぞ」
「……はい……」



『さあ!では準決勝の第二試合,善楕三成選手対羽柴秀美選手の試合が始まります!』
「……」
「次,勝ち進んだとしたら殿が相手かぁ〜。だとしたら,文珠使い切っちゃっても構わないかな?でも,又たあのマスアとか言う物の怪が襲ってくるかも知れないし……」
『女性同士の対決です!決勝戦に駒を進めるのは,果たしてどちらか!』

「試合開始!」
『さあ!始まりました!』
「……」
「……」
『っとぉ,両者動きません』
『両方とも慎重なタイプだからナ。相手の隙を窺ってるんだろウ』
「……」
「……」
『両選手,睨み合ったまま動きません』
「……」
「……」
まあ……良いか。仮に俺が負けたとしても,実力と能力が測れれば,次,殿が決めてくれるだろうし。
「……!」
ダンッ!
『羽柴選手,仕掛けたぁーっ!』
バシィ!
「!」
「……っ」
ババババババババ!
『そのまま,戦闘に突入です!霊力を込めたパンチやキックが飛び交い,それを防ぎます!丸でドラゴン○ールの様な戦いだぁー!』
『しかシ……』
『如何しましたか?』
『物凄く綺麗な戦いだナ。両選手の一撃一撃が的確に相手の急所を狙い,流れる様な動きで次の攻撃に繋げル。丸で,組み手を見ている様ダ』
バババババ!
「……」
「……!」
糞……。この人,強い!そう言えば,霊的格闘は非常に鍛錬済みとか言ってたっけ。
ホント,綺麗な動きするなあ。機械みたいに急所ばかり狙ってくる。
駄目だ。このままじゃ,何時か受けきれなくなる……。そもそも俺は,体も小さくて腕力も無い。斯ういう格闘とかには向いてないんだから。霊力を使ってるって言っても,運動神経が全く関係無い訳じゃないんだから。
こうなったら……!
「らあっ!」
「!」
バシッ!バシッ!
『羽柴選手,善楕選手の顔面ばかりを狙い始めました!』
『このままじゃ埒が開かないと思ったんだろうナ。攻撃を一カ所に集中する事によって,狙いを付け易くすル。勿論,その分相手に動きが見破られ易くなる訳だが,なんにしても突破口になると判断したんだろウ』
「くっ……!」
『羽柴選手の凄まじいラッシュに,善楕選手,防戦一方です!』
「把っ!」
「!」
バシィ!
『おっと,一発入りました!とは言っても,張り手が掠っただけの様ですが……。善楕選手の眼鏡が宙を舞います!』
カシャーン……
「はあ,はあ,はあ……」
「ぜえ,ぜえ,ぜえ……」
『両者,一旦再び間合いを取ります!……っと?』
「?」
『如何したのでしょう。善楕選手,今度は何やら怪しい動きを始めました。四つん這いになって,うろうろしています』
「な,何を……?」
『これは一体……』

「め,眼鏡眼鏡……」

ズガァ!
『おおっと,善楕選手の余りにもベタなボケに,羽柴選手,盛大にずっ転けた!』
『……資料に拠ると,善楕選手の視力は,0.1無いな』
「め,眼鏡は何処に……」
「……」
『羽柴選手,眼鏡を拾い上げます。這いずり回って眼鏡を探す善楕選手には,何時もの理知的な面影は有りません。眼鏡を取り上げられたイジメられっこの優等生の様だ!』
『如何言う例えだヨ』
「め,眼鏡眼鏡……」

「勝者,羽柴!」
『おおっと,審判!善楕選手,戦闘不能と判断したか,此処でコールだ!勝者は,羽柴選手!』
「お,やった。ついてるなあ」
『本年度GS資格主席の座は,吉法師選手と羽柴秀美選手とで争われます!』

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