ザ・グレート・展開予測ショー

GS信長 極楽天下布部!!【資格試験編】(9)


投稿者名:竹
投稿日時:(04/ 3/11)

平手政秀(1492〜1553)
 織田信秀に仕えた家老。
 信秀より,嫡子・信長の養育を命ぜられ,那古野城に拠る。
 後,信長の乱行を諫めて自刃。
 信長は,その死を悼んで政秀寺を建立した。

滝川一益(1525〜1586)
 織田信長の有力武将。
 その前身は諸説有り定かではないが,傭兵として信長に仕えた後は,火縄銃の腕や軍略の才により,とんとん拍子に出世していく。
 本能寺の変の時,北条氏との戦いに敗れた後は凋落の一途を辿り,柴田勝家と結び羽柴秀吉に抗するが,敗北を喫する。
 後に出家して秀吉の御伽衆となり,不遇の内に病没。

本願寺顕如(1543〜1592)
 本願寺第十一代住職。
 武田氏,毛利氏等と結び,諸国門徒の蜂起を以て織田信長に抗したが,石山合戦に敗れ和睦,石山本願寺を退く。
 諱は光佐。
 顕如が,豊臣秀吉から京都七条坊門堀川の地を寄進され,祖堂を建立したのが西本願寺の起源。















   吉法師━┓
       ┃━┓
  勒鶴義堅─┘ |─┐
  浅井長政━┓ | |
       ┃━┛ |
  佐々成政─┘   |─┐
  那柄正家━┓   | │
       ┃━┓ │ │
  豊臣秀長─┘ |─┘ │
マエダー利家━┓ |   │
       ┃━┛   │
   織田 淀─┘     │──
 時読ヒカリ─┐     │
       │─┐   │
 雨姫蛇秀家─┘ │─┐ │
  雫手政宗─┐ │ │ │
       |─┘ │ │
  善楕三成─┘   │─┘
  浅野長政─┐   │
       │─┐ │
  浅野ねね─┘ │─┘
  益汰長盛─┐ │
       │─┘
  羽柴秀美─┘



『第五試合,時読選手対,雨姫蛇選手!先ずは……!?』
「はぁっ!」
『雨姫蛇選手,早速猫又になります!』
「御免ね,顔は狙わないからっ!」
ザン!
『雨姫蛇選手,速攻!鋭い爪が時読選手を捉えました!』
「未だ未だッ!」
『雨姫蛇選手,尚も攻撃の手を休めません!』
ギィン!
『おおっと!時読選手,又たもやくないで受け止めました!』
「……良く分かったね」
「ま……,見てればね。こう見えても,元・武田忍軍だから。動体視力にだけは自信あんのよ」
「何なの?それ……」
「日吉に聞きな」
ザリッ!
『っと,捌いたぁ!』
「はぁっ!」
ドォン!
『時読選手,雨姫蛇選手の背中に霊波砲を撃ちますが,これはかわされました。雨姫蛇選手,そのまま走り抜けます』
ザッ!
「もういっちょ……!」
『そして,反転!攻撃直後で隙だらけの時読選手に襲い掛かるぞ!』
「やぁっ!」
ズバン!
『決まったぁぁ!これはクリーンヒットだぁぁ!』
ドシャア!
「どんなもんだい!」
「……」
「……え,一寸?」
『時読選手,立ち上がりません』
「ヒナタねーちゃん……?」
『雨姫蛇選手,時読選手に歩み寄ります。止めを刺す気でしょうか?』
『絶対違ウ』
「て……脈が,無い?」
『お,おっと,死亡か!?』
『この場合,死んでも事故なんだっけナ』
「ちょっ,嘘!あんなん,大した怪我の筈は……。ショック死?ねえ,一寸!」
『雨姫蛇選手,狼狽えております』
『……まあ,普通はナ』
「いや,一寸待ってよ!ねえってばあ!」
「うん,平気だよ」
「へ!?」
ドォン!
「……え?」
『おっと,これは……』
「幽体……離脱……?」
「そう言う事!二人同時にね」
「……私って嫉妬するキャラじゃないから,出番が少なくて困ってるのに。唯一の見せ場の戦闘シーンでこんな役割?」
「あ,あははっ!ヒカゲちゃんは長く外に出てられないって言う設定だったじゃん?」
「でも,後半は逆になってた様な……」
「う〜ん,あれは一寸良く分からなかったよねえ」
「読解力が足らないだけかも知れないけどね」
「そう言えば,ヒカゲちゃんの髪の毛ってカラーで見ると金色で塗られてるのに,心眼は『髪の白い方』って……」
「今,良いでしょうが,そんな事!」
「そうだよ……」
「?」
「生き霊のくせに,人に取り憑かないで……」
「いやねぇ。これは試合でしょ?」
「……そうだけどさ。って,あー。意識が遠く……」
「そのまま眠っちゃいなさい」
「つか……何でこんな事出来んの……?」
「ま,一寸特殊な家系なもんでね」
「へー…そう……なん……だ……。……ぐぅ……」
『おっと,雨姫蛇選手,落ちました』
『あの技に関しては突っ込まないのカ……?』

「勝者,時読」
「やったぁ〜!」
「やったわね」


「ふん。巫女も結構やるな。なあ,猿」
鳴かぬなら,殺してしまえ,不如帰。
「そうですね……。……何か,複雑ですけど」
鳴かぬなら,鳴かせてみよう,不如帰。
「侮れへんな……」
鳴かぬなら,鳴く迄待とう,不如帰。

三者三様。



『第六試合,雫手政宗選手対善楕三成選手です』
「両者,コートへ!」
「武行会のねーちゃんか。この人も虫になるのかな?」
「……」
『さあ,此処迄圧倒的な実力で勝ち進んできた両選手ですが,果たしてどんな戦いを見せてくれるのでしょうか!』

「試合開始!」
「あんたは手加減してられる相手じゃなさそうだからね……!初っ端から本気で行きますよ!」
『さあ!先ず先制を取ったのは雫手選手!』
「沈めッ!」
ゴォッ!
『水を作り出し,善楕選手を洪水に襲わせます!』
『コートは結界に囲まれてるから,逃げ場は無いし水は溜まると言う訳カ。自分は水を操れるから,溺れる事はないと』
『……何か,“最高に苦しい殺し方”みたいですね!』
『あのな……,そんなネタ振られても分かる人いないゾ。つーか,何なんだよ,お前。この間かラ。そんなにラッ○ーマン好きなのカ?』
バシャーン!
『見る見る内に結界内に水が満ちていきます!』
『……いや,待テ!』
『え?』
「な……っ!?」
「くす……」
『何と善楕選手,水面に立っています!?』
「ば,馬鹿な!何で……?」
「ふ……,貴方の力は確かに強力だ……。しかし,相手が悪かった様です」
「あ,あんた,水を操れるのか?て事はまさか……!」
「……その通り」
「父上の隠し子かなんかか!?」
バシャア!
『……善楕選手,ずっこけました。水の上で』
『案外にノリの良い奴だナ』
「あ……あのね……」
「え,違うの?でも,水を操れる能力者なんてウチ以外には……」
「違います!今迄の展開からして分からないですか?」
「……変蟲術?」
「そう!私は“水仙”。水棲昆虫の力を持つ者」
「水棲昆虫?それって,田鼈とか源五郎とかそう言うの?」
「そんな感じです」
「うひゃあ〜……。勿体ないね,お姐さん,美人なのに」
「なのに,お“姐”さんてのは,如何かと」
「すいません」
「……兎に角。今,私の手足は水馬のそれと化している。ほら……」
「うわ,グロ!」
「そう言うな。……ま,しかし,此処から抽出される油によって,私は水を弾くと言う訳だ」
「え,でも……」
「勿論,変蟲術とて,昆虫の体質そのままと言う訳ではない。蟷螂が鎌鼬を発生させますか?」
「成程……」
「何れにせよ,これで貴方に勝つ術は無い」
「って訳でもないけど」
「けど,お得意の攻めては封じられた。人間,何時もの手が使えなくなった時,次善の方策を取ろうとしても上手く行かないものだ」
「あんたは?」
「心配なさらずに。水中での戦いなぞ,滅多にあるものでは無いですから。通常戦法も,しっかり鍛錬済みです」
「成程ね,でも……」
「!」
「泳げるからって,波が恐くない訳じゃないんだよねっ!」
ザパァン!
『おおっと,これは!先程とは比べものに成らない程,巨大な津波だぁ!』
「く……ぅぅっ……!」
『この結界の中では霊力を使わない攻撃は無効となるので,水圧でダメージはない筈ですが,それでも存在するものには影響を受けますからね』
『少なからず,霊波を帯びてもいるだろうしナ』
「……持久戦に持ち込めば俺の勝ちだ。あの術は,限界迄使うと完全に蟲になっちゃうから,そう長くは使えない筈……」
バシャア!
「!?」
『おおっと,善楕選手,津波を泳いで突破したぁ!』
「水爬……田鼈の能力!?でも,何で……」
「水圧の影響自体は受けない故に」
「って,水圧がなければ泳ぐ事も出来ないんじゃ……」
「其処に水が有れば,それは私の縄張りです」
「く……!」
駄目だ……如何する?
糞ッ。斯ういう時に,焦って良い案が浮かばないのが俺の欠点だよな。
如何する?如何する……!?
「戦闘中に考え事は,危険ですよ」
「しまっ……!」
「源五郎は,その鋭い牙を以て……獲物を捕食するッ!」
ズバン!
『一瞬呆然とした雫手選手の隙を突き,善楕選手の攻撃が決まったぁぁ!』
「が……!く……糞……。……?」
「攻撃と同時に,傷口から麻酔薬を打った。暫く,まともに動けませんよ」
「……っ!」
「このままにしておけば,何れ自分で錬成した水に飲まれ溺死する……。勝負,有った様ですね?」

「勝者,善楕!」
『善楕三成選手,準々決勝進出です』


「……あのー」
「何か?」
「未だ動けないんですけど……」
「……。分かった。肩,貸しましょう」
「如何もすいませんねー。俺って,斯ういう搦め手に弱くて」
「……」
「あの」
「何も謝る事はない。これは闘争で,貴方は私の敵だった。そして私は貴方を倒した。――当然の事。只,それだけの事ですから」
「……。そう……ですか……」
「……」
『善楕選手の肩を借りて,雫手選手が退場します。拳を交わせば親友と言う事でしょうか。麗しいですね』
『そんな大層なもんでもないだロ……。普通だヨ』



『さあ!って,第七試合!浅野長政選手対浅野ねね選手です!』
「両者,コートへ!」
「ひゃあ〜……ねねお従姉ちゃんとかあ〜。まあ,何時か当たるかもとは思ってたけどさ……」
「え,じゃあ矢っ張り長政ちゃん?如何してこんな所に」
「そりゃこっちの台詞だよ。お従姉ちゃん,霊能力なんて無かった筈でしょ?」
「最近,授かったの」
「て,そんな,赤ちゃんみたいに」
「え,やだ。確かに豊臣さんのお陰だけどっ,そんな,赤ちゃんだなんてっ」
「お〜い。帰って来〜い……」
『資料によると,長政選手とねね選手は従姉弟同士らしいですね』
『ねね選手の妹は,彼女の父親が亡くなった時に長政選手の家に引き取られたと書いてあるナ』
『浅井長政選手のパチもんとか言う訳ではありません。これが本名です,浅野長政選手』
『う〜ム……』
「あ,そうだ,長政ちゃん。やや(妹)は元気?」
「えー,もう。元気過ぎて困る位だよ」
「そうなんだ。そうそう,家ね,遂に電話線引けたんだよ。後で電話番号教えるから,ややに電話する様に言ってよ」
「はいはい。試合終わったらね」
「そうだね」

「試合開始!」
『さあっ!始まりました!』
『見りゃ分かるがナ』
『仕方無いでしょう!審判の台詞の後に即選手の台詞が入ったら読みにくいでしょうが!』
『……』
「ピジョンウイング!」
バサァ!
『ねね選手,早速ピジョンウイングを展開しました!』
「凄いね……。んじゃ,こっちも本気で行くよっ!」
ゴッ!
『長政選手,お約束の変蟲術です!』
『今度は何ダ?』
ブゥゥンッ!
『こっ,これは……!』
ミーンミンミンミンミン……
「……蝉?」
「そう。俺は,“蝉”の力を使うんだ」
「蝉の力……って?」
「羽根を擦って発生させた音波で,人の心を乱し,操る。一種の洗脳催眠だよ」
『おおっと!これは又た凄い能力だあ!』
『これ迄の四人で,一番凄いんじゃないカ?』
「……?」
「……」
『っと,しかし……?』
『催眠に掛かってる様子はねえナ……』
「えっと……あの?」
「う〜ん,矢っ張駄目かあ……。日本人だもんね」
「え?」
「この技ってさ,蝉の鳴き声を“騒音”と捉えてくれる人じゃないと効果が無いんだよねぇ……」
『おっと,案外役立たずだ,蝉の能力!』
『ねね選手の出身は東京都となっているからナ。蝉の鳴き声なんて,意識しなきゃ聞こえない位のBGMだろウ』
『蝉の鳴き声って,コンビニの音楽以上に意識しないものですからね』
「外人とか,寒い方に住んでる人になら良く効くんだけど」
「あはは……」
「苦笑いしないでよ」
「御免なさい。じゃあ,次は私いくね?」
「いや,喰らわなきゃ駄目な訳じゃないでしょ?」
「え,まあ,そうだけど……」
「……」
「……え?」
「いやっ,あのさあ。真面目にやってよ」
「分かってるよっ!じゃ,行くよ。フェザーブレッド!」
「っと!」
『長政選手,飛んで逃げたぁー!』
『しかも,小便引っ掛けていったゾ』
『っと,これは?猥褻物陳列になるか!?』
「いやいやいや!今のは蝉の習性だから!此処も蝉になってるから!」
『おっと,審判,何も言いません。警官隊も動きませんので,大丈夫な様です』
「てか……,拙いな。こんな所迄蟲化してるとなると……。相手がお従姉ちゃんだから,平常心が保てなくなっちゃってるのかな?やばい!蝉になんてなりたくないよ!せ,精神集中だ!平常心,平常心……」
ゴォッ!
「のわぁっ!」
『何やらぶつぶつ言っている長政選手に対し,攻撃の手を緩めません,ねね選手』
『でも,決定的なダメージを与えられない辺り,矢張り未だ素人だナ』
「くっそ……お従姉ちゃんも,案外容赦ないな……。て,そう言えばそう言う人だったっけ。似てるよな,あの姉妹」
ババババ!
「危ねっ!っと,仕方無いな。一旦,術を解くか」
バシュウ!
『長政選手,変蟲術を解いて,コートに降りました』
「はっ!」
バババババ!
『しかし,ねね選手の攻撃の手は止まりません』
「わわわ!って,何か性格変わってるよ,お従姉ちゃん!さっきから無言だし……,戦闘になると性格変わるタイプなのかな?」
「エア・カッター!」
ゴォッ!
『ねね選手,突っ込みます!』
「ちいっ!」
ドォン!
「きゃ……!?」
『お,おっとぉ。ピジョンウイングを開いて攻撃態勢にあったねね選手の隙をついて,出鼻を挫く形で放たれた長政選手の霊波砲がクリーンヒット!』
『ねね選手は,戦闘行為においては素人だからナ』
「今だ!」
ドドドドド!
『敢え無く落下したねね選手に,長政選手,畳み掛ける!』
「はあ,はあ,はあ……」
「はにゃ〜……」
「勝っ……た……?」
『ねね選手,戦闘不能です』

「勝者,浅野長政!」
『浅野長政選手,準々決勝進出です』


「はあ〜,何とか勝ったよ」
「お疲れ様,長政」
「有り難う御座います,正家さん」
「これで後は長盛だけだな」
「心配ないヨ,三成。安心するヨロシ」
「しかし,相手は玄以を倒したあの娘だ。奴は未だ本気を出してはいなかったろう。能力も得体が知れない。……気を付けろ」
「はいな。じゃ,行て来るヨ」


「四回戦最終試合,益汰長盛対羽柴秀美。両者,コートへ!」

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