ザ・グレート・展開予測ショー

GS信長 極楽天下布武!!(8)


投稿者名:竹
投稿日時:(04/ 3/10)

浅井長政(1545〜1573)
 近江北東部に勢力を張った,浅井家の最後の当主。
 織田信長の異母妹・お市の方を娶って勢力を固め,南近江の六角義堅を追い,朽木氏を従え,近江の大半を領した。
 その誠実な人柄から信長の信頼も厚かったが,父の久政に因り,後に朝倉義景と結んで信長に敵対した。
 姉川の戦いに敗れた後,居城の小谷城に籠もって奮戦するが,織田軍の前に及ばず自刃した。

小谷の方(1547?〜1583)
 織田信長の異母妹で,名は市。
 信長の命により浅井長政に嫁ぎ,豊臣秀吉の側室・淀殿,京極高次室・常高院,徳川秀忠室・崇源院を産む。
 信長が長政を滅ぼした後,蟄居していたが,信長の死後,甥の信孝の仲介で柴田勝家と結婚。
 一年後,豊臣秀吉との戦いに敗れた勝家と共に,越前北ノ庄で自害。

伊達政宗(1567〜1636)
 出羽の名門,伊達輝宗の嫡男。
 最上氏,芦名氏等を破って奥羽に覇を唱えたが,後,豊臣秀吉に服属。
 関ヶ原の戦い,及び大阪の陣では東軍に付き多大な功を立て,仙台藩六十二万石の祖となった。
 仙台に桃山文化を移植し,支倉常長をローマに派遣した事は有名。















   吉法師━┓
       ┃━┓
  勒鶴義堅─┘ |─┐
  浅井長政─┐ │ |
       │─┘ |
  佐々成政─┘   |─┐
  那柄正家─┐   | │
       |─┐ │ │
  豊臣秀長─┘ │─┘ │
マエダー利家─┐ │   │
       |─┘   │
   織田 淀─┘     │──
 時読ヒカリ─┐     │
       │─┐   │
 雨姫蛇秀家─┘ │─┐ │
  雫手政宗─┐ │ │ │
       |─┘ │ │
  善楕三成─┘   │─┘
  浅野長政─┐   │
       │─┐ │
  浅野ねね─┘ │─┘
  益汰長盛─┐ │
       │─┘
  羽柴秀美─┘



『さあ!続いて第二試合!浅井長政選手対,林GS事務所々属の佐々成政選手の試合です!』
「両者,コートへ!」
「見た事ねえ面だな……。まあ,良い。誰が来ようとぶちのめす迄だ」
「例の魔装術者か。ふん,面白い」
『歳は近い二人ですが,その戦法は全く異なります!果たして,勝利の女神はどちらに微笑むのか!』
「長政さん!気張るんですのよ!」
「成政!僕の分も勝ち進んでよ!」
『……えー,どちらにも微笑んでいる様です』
『あの歳で彼女持ちカ。良いご身分だナ』
「言う迄もねえ!」
「心配しなくても,優勝してやるぜ!」

「試合開始!」
「おおお!」
『さあ!浅井選手,早速魔装術を……』
「させるかぁ!」
ゴッ!
「!何だ,この紙吹雪……」
バシュッ!
「ぐあっ!?」
「如何よ?」
「な,何だ,こりゃ。霊力が吸い取られて……!?」
「敵の戦力分析を怠るとは,迂闊だったな」
「ちっ……!結界か何かか?にしても,こんな強力なのをこんな短時間で張るたぁ……,やるな,お前ぇ」
「へっ!お褒めに与り,光栄だぜ。序でに,そのまま眠っちまってくんな!」
「……!」
『出ました!佐々選手の非武装結界空間!入ったら最後,霊力を吸収して霊衣も破壊する,強力な武器です!』
『この試合は結界の中で行われているから,霊力を込めない攻撃は無効だからナ』
「イージス(無敵の盾)理論て知ってっか?敵の力を無効にすれば,最低の戦力でも最強と同じ事――」
「へ……」
「――まあ……」
「!」
「俺の戦力は,最低って訳じゃないがなっ!」
ゴォッ!
『佐々選手,攻撃に移ります!』
「魔装術の解けたお前なぞもう敵じゃないっ!」
「……はっ!」
ゴッ!
「何っ!」
『おっと。これは浅井選手,受け止めました!』
「……俺も,魔装術だけって訳じゃねえんだわ」
「ちっ……!」
『佐々選手,一旦退いて体勢を整え直し……っと,浅井選手,佐々選手の腕を掴んで放さない!』
「幾ら物理攻撃が無効になるっても,こんなの迄は“攻撃”と見なされねえみてえだな?」
「なっ,舐めるな!」
「この至近距離なら,吸収される前に,霊力込められるぜ!」
「それは,こっちだって同じ事だ!」
「おらぁっ!」
「はあっ!」
バキィ!
『お,おおっと,カウンター!クロスカウンターです!』
『結界が切れてル……。両者,全力を込めたパンチだったようだナ』
『果たして,勝者は!?』
「……」
「が……はぁ……」
ドサッ……
「はあ,はあ,はあ……」
『倒れたのは,佐々選手だぁぁ!』
「……相手に腕を掴まれた状態で,パンチの狙いが付けられる訳がねえだろ。けど――」
「……」
「お前ぇみてぇな馬鹿は,好きだけどな」

「勝者,浅井!」
『浅井長政選手,ベスト8進出ーーーー!』


「やりましたわねっ!凄いですわ,長政さん!」
「へっ。当然だぜ」
「わたくしなんて合格も出来ませんでしたのに,ベスト8入りだなんて!まあ,次,お異母兄様とですから,勝ち目が露程もないのは残念ですけど」
「……お前,それ,褒めてんのか貶してんのか,どっちだよ……」
「何を言ってますの?最大級の賛辞ではありませんか」
「えー……そ,そうなのか?天然なんだな」
「何がです?わたくし,何かおかしな事でも言いまして?」
「……。いや,何でもねーよ」
「……?」



『さて,四回戦第三試合!那柄正家選手対,豊臣秀長選手です!』
『那柄選手は武行会の,豊臣選手は織田除霊事務所に所属してて,あの豊臣秀吉の異父弟らしいナ』
『さあっ,注目のこの一番!果たして!?』
「両者,コートへ!」
「ふふ……あの豊臣秀吉の弟さんか……。油断は出来ないわね」
「よっし!絶対,勝つぞ!」

「おお,小竹の試合だ」
「あ,良かった。未だ負けてないね。間に合った」
「でも,相手は武行会のおかまの人かぁ〜。勝てるかな?」
「まあ,あの人だってそんなに弱い訳でもないですから。何とかなりますよ。私は,そう信じてます」
「へえ……。……て,あんた,誰?」
「あは。初めまして,お義兄様。秀長の妻の,ユミと申します」
「小竹の奥さん!?」
「ええ!」
「……て,君,幾つ」
「ナルニアでは,十五歳になったらみんな所帯を持たなきゃならないんですよ」
「へぇ〜。って,今更そんなオプションがくっついても,彼奴の地味なキャラは改善されないと思うんだけど……」
「いや,別にそう言う訳じゃ……。単なる思いつきと,後,この後で秀長に恋愛させるのが面倒臭いってだけの話で」
「……いや。止めようって斯ういう話は」
「ですね」
「で,小竹を追って此処迄来たの?」
「ええ。秀長と違って現地人の私には,出国許可がなかなか出なくて。それでこんなに遅くなったんです」
「って言っても,未だ二日だけどね」
「まあ,そうですけどね。さて……」
「?」
「秀長ぁーーーーーっ!負けるんじゃないわよぉぉっ!!」
「うぉ……すっげぇ大声……。これがナルニアパワーか……」

「試合開始!」
「ゆ,ユミ?来てたのか……」
「仲睦まじいのは結構だけど,そんな余裕は無くてよ!」
「!」
ドォン!
『那柄選手,先制の霊波砲。しかし,これは避けられました』
「風在る処に神在り,神在る処に力在り!」
バシュウゥゥ!
「へえ……」
「風よ!暫し我に従い,我が刃となりて敵を滅ぼせ!」
ゴォッ!
『おおっと!突風が那柄選手を襲います!』
『只の風じゃなくて,鎌鼬だナ』
「はあっ!」
「何ッ!?」
バツンッ!
『那柄選手,弾いたぁあっ!』
「馬鹿な!」
「うふふ。貴男,“精霊使い”ね。珍しいもの見せてもらったわ。けど,本物のおかまのあたしに,こんなものは効かないわ」
『そう言う那柄選手の腕が,変色しているぞぉぉ!』
『変蟲術……だな』
「ふふふ,そう。あたしは,“蟷螂”の力を持つ者」
「蟷螂……?」

「俺達の中で,一番強い正家さんが変蟲術を!」
「それ程,油断ならない相手と言う事ね……」
「さて,如何なるかナ……?」

「……まあ,精霊使いは良いんだけどさ」
「はい。何ですか,お義兄様」
「何で,半裸なの?しかも,あの腰巻き……」
「民族衣装です!」
「いや,此処は日本なんだけど……」
「精霊の召還は儀式です。それなりの霊衣と言うのは必要でしょう」
「……別に,術使うだけなら良くない?メイクとかは兎も角としても……」
「駄目です。精霊が語りかけてくれません」
「何で?」
「女の精霊は逞しい男が,男の精霊はせくすぃーな女が好きなのです!」
「……偉く俗っぽい精霊だね」
「ナルニアでは信仰の対象なんですってば。性は生であり聖なんですよ!」
「何。じゃ,あれ?未だっつーか,ナルニアって竹槍持ってウッホウホ系なの?」
「近いものはあります」
「そうなんだ……」
「何,深刻に悩んでるんですか!」
「いや,一寸。小竹の前途に一抹の不安を感じて」
「それは先進国の奢りですよ」
「一応,彼奴は日本人でしょ」
「でも,あんな強力な精霊使いはそうはいませんよ?バリエーション使える分,一つ一つの術の威力は弱いのがご愛敬ですけど」
「ふーん。て言うか,君ってもしかして小竹の技の説明の為だけに出てきたの?」
「……否定はしませんね」
「それで,呪文が日本語なのは何で?」
「それ言ったら,私が日本語ペラペラなのも不自然じゃないですか!そんなの,ノリですよ,ノリ!気分です」
「そんなもんか」
「強引な設定が,サンデーっぽいでしょ」
「何でナルニア人が,サンデーの傾向を知ってるかな」
「ノリです」

「これがホントの,鎌鼬ってね!」
ゴッ!
『おおっと!那柄選手の腕が鎌状になり,空気を切り裂いて衝撃波を発生させたぁー!』
『さっきの風より強力だな』
「うわぁっ!」
ドドドドド!
『豊臣選手,間一髪避けた!しかし,これは凄い破壊力です!風圧だけでも豊臣選手に少なからずダメージを与えているぞ!』
「ふふふ。あたしの能力は,五人の中で最も応用力が低いわ。だからこそ,この技だけは完璧に磨いてあるの。簡単には破れないわよ」
「……なら!」
「!」
「炎の精霊よ,我が叫びを聞け!目の前の敵を燃やし尽くせ!」
ゴオォォォ!
『豊臣選手,炎を出して反撃だぁあ!』
『パイロキネシスじゃないナ。魔法と呼ばれる類のものだろうが,こんなに簡便に使えるとは,かなりの使い手だナ』
『流石はあの豊臣秀吉の弟と言った所でしょうか!』
「飛んで火に入る夏の虫,って訳?けどね……」
『おっと。那柄選手,腕を元に戻しました』
「あたしは玄以程不器用でもなければ,彼奴の能力みたく全身を蟲にする必要はないのよ」
ゴオオォォ……
『おっと,もう鎮火してしまいました』
『まあ,燃える物が無いからナ。パイロキネシスじゃないなら,こんなもんだロ』
「雷よ!裁きの鉄槌を下せ!」
ドォン!
『豊臣選手,今度は雷を呼んだぁぁ!』
「……な!?」
「ふふ……」
『な,何と那柄選手,無傷です!』
『真上に鎌鼬を放って,雷の進路を強引にずらしたのカ』
「ば,馬鹿な!電気の進路を変えられる訳が……」
「ふふ。万能でどんな局面にも対応出来る分,技の威力が少し弱いのが貴男の弱点ね」
「く……!」
「貧弱だわ……!残念ねぇ〜,嫌いなタイプじゃないんだけど」

「あれは私のよ!」
「……ねえ,ユミちゃん。今の笑う所?」

「精霊よ……!」
「させないわ」
ザン!
「がっ……は……!」
『おおっと,これは痛い!豊臣選手,再び鎌に変化した那柄選手の腕に,もろに斬り裂かれてしまいました!』
『凄い出血量だナ。直ぐに手当てしないと拙いんじゃないカ?』
「これがホントの蟷螂拳,てね」
「く,そ……」
「その傷で,無理に動くと死んじゃうわよ?」
「……」
「これも勝負だから悪く思わないでね。今度デートしない?」
「うるせえ,馬鹿野郎ー!」
ブシッ!
「ぐはあ!」
「叫んだら,傷が開くってば」
「うう……。俺は結局噛ませ犬で終わるのか……」

「勝者,那柄!」
『那柄正家選手,準々決勝進出です!』
「救護班!」


「うあー。小竹,負けちゃったね」
「あんの馬鹿亭主,ナルニアの誇りに泥を塗って……」
「それ良か,お見舞い行かなくて良いの?」
「あっ,そうか」
「勝ち負けより,そっちのが大事でしょ」
「さあ?倫理観なんて,国によって結構違うものですよ,お義兄様」
「そんなもんか?」
「そんなもんです」
「で?お見舞いは行かないの」
「行きますよ!てか,お義兄様も弟が重傷だってのに,随分と余裕ですね」
「ま,いざとなったら文珠とか有るしね。プロになったら,あの程度の怪我,日常茶飯事でしょ」



『第四試合,マエダー利家選手対,織田 淀選手です!』
『てか,未だ勝ち残ってるのかヨ……』
「両者,コートへ!」
「……恐い反面,気が進まんですノー」
「あー,あー……あう」
『……えー,歩くのがやっとの幼児が,良くもまあ此処迄これたものですね。織田家の血は伊達じゃないと言う事でしょうか』
『血というか,権力な気もするがナ』

「試合開始!」
「あうっ!ふえっ,ふえっ……」
『おーっと!審判のコールで驚いた織田選手,早くも涙目だぁーーーー!パイロキネシスが出るかぁ!?』
『実況のスピーカーも相当なもんだがナ……』
「ま,拙いですケン!」
「ふあ……っ」
「ふぬーーーーーー!」
「ふあ?」
『マエダー選手,お得意の精神感応です!』
『成程,テレパシーで夢を見させて寝かしつける気カ』
「う……あー,あー」
『織田選手,眼の焦点が有っていません。如何やら,上手く掛かった様です』
「にゃー。にーに,にーに」
『……如何言う幻を見ているのでしょうか?』
『寝言から想像するに,秀吉の幻覚だナ』
「にー……すぅー……。……」
『おっと,もう完全に眠りについてしまった様です』
『可愛い寝顔だナ』
「すぅ……すぅ……」
「はーっ,やれやれですジャ……」
「ふにゃ……にーにぃ……」

「勝者,マエダー!」
『マエダー利家選手,準々決勝進出です』
『淀を起こさない様に,マイクの音が小さくなってるナ……』


「ふー。何とか勝ったですケン」
「すげーぜ,マエダー!これでベスト8だな!」
「やりましたケェ,まつサン」
「やあ,おめでとう,マエダー君」
「あ,隊長サン」
「ベスト8か。やるじゃないか」
「はは,有り難う御座ェます」
「月の無い夜は気を付けたまえよ?」
「え……」



『四回戦第五試合,時読ヒカリ選手対雨姫蛇秀家選手です!』
『奇しくも,同じ事務所に所属する同士だナ。まあ,十六人中少なくとも四人は織田除霊事務所の所属なんだが……』
『少なくとも,と言いますと?』
『いや……』
『更に,時読選手は六道女学院の二年生枠からのエントリー。四回戦に残っているメンバーの中では唯一の六女生です』
「ベスト16かぁー。目標は合格だったんだけど,結構良い所迄来たなあ」
「負けないよ?ヒナタねーちゃん」
「私も,負ける気は無いわ」
「期待してるよ!」

「試合開始!」
『さあっ!始まりました!』

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