ザ・グレート・展開予測ショー

令子ちゃん危機一髪!!


投稿者名:cymbal
投稿日時:(04/ 3/10)


「・・・ふっふっふっ!!」

美神除霊事務所の中に怪しい笑い声が響く。
まだ午前6時頃。ここのオーナーである、美神令子は寝ている時間だ。

ほっかむりを付けた怪しい人物が部屋の中をうろつく。
彼の名前は、横島忠雄。ここの事務所のGS見習いをしている。

「人工幽霊一号には、仕掛けで一時的に眠ってもらったし・・・。おキヌちゃんは修学旅行。シロは実家に帰ってる。タマモはフラリと出かけて行った。」

(今しかチャンスは無いんだ・・・・。失敗は許されない!!)

彼の手の中には丸い珠が握られていた。文珠ってやつだ。
今日は、何か企んでいるらしい・・・草冠の文字が見え隠れしていた。

「昨日はかなり酒飲んでからな・・・、いくら強いって言っても簡単には起きないと思うが・・。」

それでもおそるおそると彼女の部屋へと近づいて行く。
ドックン!ドックン!ドックン!
横島の心臓が激しく動悸する。

(だ、大丈夫だろーか・・・、バレたら殺されてしまうかも知れん。)

しかし、止めるわけにはいかん。普段虐げられている彼が、唯一逆転出来る日なのだ。
・・・・・手に汗が滲む。

ドアのノブに手を掛ける。鍵が掛かっているがこんなものは彼にとっては障害には成りえない。



「横島クンあなたが好きで好きでたまらないのよ!!そーは見えなかったかも知れないけど!!」
「令子!!」
ザパーーーン!!波しぶきが舞う。
二人の間には確実に愛が芽生えていたのであった・・・・・。



ガチャガチャ、カチリッ!!

「開いた・・・、実は俺ってスゲーな。」
鍵師も真っ青である。


そして・・・・・・ゆっくりとドアを開けた。

(おおっーーーー!!)

いつも通りの豪華な部屋。
部屋の中にはいつもの彼女がいる。
布団をはだけており、シャツ一枚の姿でベットの上に寝転がっていた。

(こ、これは・・・・目の保養に・・・。い、いや、そんな事をしに来た訳じゃない!!)
襲い掛かろうとする身体を必死に抑える。


「ん・・・・・っ。」


ビクぅ!!!!!
(や、やばい!!!!!気づいた!?)
身構える横島!汗が大量に噴き出してきていた。

その時・・・・!!!

バサァ!!飛び起きる美神!! 
「横島ぁーーーーくん・・・・。いつも・・・いつも・・同じ事・・してんじゃないわよ!!」

「ひーーー!!!すいません!!すいません!!」
横島は反射的に頭を下げていた。こればかりは癖になってしまっているのだ。

しかし美神に動く様子は無い。

「なんで・・・・かしらね・・・・。あんたが気に・・な・・・る・・・・・・すやすやすや。」
バタン!!

ふーーーっ。
(・・・・・なんだ寝ごとかー。・・寝ていても怖い人やなー。)
言葉の方は良く聞こえていなかったみたいだ。つくづく損な奴である。


とりあえず汗を拭う。そろそろ仕事に掛からないと・・・・。
横島は手の中で汗に濡れた文珠を取り出すと美神の方へ投げた。

・・・・・・・・・バシュ!!!
文珠が光りだす。

ボンッ!!
「きゃっ!!!」
美神が小さな叫び声を上げた。その時には既に遅かったのであるが・・・・・。

一通り現象が収まると、ベッドの上にうごめく人影が見えた。
・・・・・彼女、いや・・・・そこにいたのは・・・・少女である。

(成功じゃーーー!!!これで今日一日美神さんは俺に逆らえん!!!)
・・・・・・・せこい。

「・・・よこちまっ!?遊ぼーーー!!!!!」
「おーーーよっ!!いくらでもかかってこんかい!!!」
そして・・・・・やっぱり命令されてます。

こうして彼は一日、れいこちゃんと遊びたおし普段の鬱憤を晴らしたのでした。

「よこちまー!!遊園地行こーーーー!!!」
「はい、はい。」

「よこちまー!!おんぶー!!」
「はい、はい。」

「よこちまー!!あれ食べたい!!」
「・・・はい、はい。」

「よこちまー!!絵本ーーー!!!」
「・・・・・・・・・・はい。」

「んで、時給の事なんですけど・・・・・。」
「うわーーーーん!!!!!」

(なんか失敗したような気が・・・・。)

「すやすやすや・・・・・・・・。」
横島の背中で天使の寝顔を見せている。

(まあ・・・・・、いいか。)

とりあえず最後に記憶も消しておきましたとさ。

おしまい。

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