ザ・グレート・展開予測ショー

GS信長 極楽天下布武!!【資格試験編】(6)


投稿者名:竹
投稿日時:(04/ 3/ 8)

生駒の方(?〜1566)
 織田信長の側室。
 尾張国の北端,小折村の土豪・生駒家宗の娘で,名は吉乃。
 初め土田弥平次に嫁いだが,その戦死後,信長の寵姫となり,実質的な正室とも言われる。
 信長の嫡男・信忠を始め,信雄,徳姫の三子を産んだ。

松下加兵衛之綱(1536〜1598)
 今川義元の配下,頭蛇寺城の城主。
 織田信長に仕える以前,放浪時代の豊臣秀吉に眼を掛け,養ったと言う人物。
 後に秀吉はその恩に報い,之綱に久能三万一千石を与えた。
 その末娘は柳生宗矩に嫁ぎ,宗冬,三厳を産んだ。

石川五右衛門(1558?〜1594)
 安土桃山時代の盗賊。
 義賊として有名だが,実在したかは疑わしいとの説も。
 京都三条河原で,実子と共に釜煎の刑に処された。
 死後,浄瑠璃『釜淵双級巴』や,歌舞伎『桜門五三桐』等に脚色された。















GS資格試験・二次試験会場,医務室。
「よお」
「誰?この人のお見舞いかしら」
「……みたいなもんだ」
「て,信長?」
「おおよ。声で気付かねえか,お濃」
「いや……まあね。で?」
「だから,其奴が俺の仕事のターゲットなんだよ」
そう言って顎をしゃくった信長の示したベッドには,藤吉郎との戦いで負傷した,舞拿玄以が横たわっていた。
「この人が?何したの,此奴」
「ああ。何か,妖怪と結んで変蟲術とか言うのを身に付けたらしいな」
「ふーん。それが問題な訳?」
「いや,て言うか……」
「ねえ,ちょっと」
「ん?何だ,お前ぇ」
「あら,貴方は確か……」
「雫手政宗だよ」
「おう。で,その雫手政宗が何の用向きだ?」
「……魔族と契約したのが駄目なら,俺も失格なんだけど……」
「……」
「……」
「……あー,だからよ。此奴の場合,合格した後に妖怪に便宜を図るとか言ってるのが問題だから」
「そうなの?」
「でも,そんなのシラを切り通されたら終わりじゃない」
「ま,其処を拷問でもなんでもしてな」
「拷問……」
「……まあ,そんな事しなくてもマエダーとかに幻覚見させれば……」
「兎に角,方法は幾らでも有るさ」
「そうかなあ……」
「物的証拠が無いからねえ」
「しかし,何にせよGS協会が妖怪共に乗っ取られるか否かの先鞭だ。多少の無茶は許してもらえるさ」
「でも……,それが分かったからって,其奴等を如何こう出来るって訳でもないと思うんですけど……」
「……それもそうね」
「けっ。俺は仕事をやる迄さ。俺様は合理主義者だからな。すべき事以上の事はやらんし,考えねえよ」
「……良いのか,それで」
「仕事なんざそう言うもんさ。後の事ぁ,それをやるべき奴等がやってくれるだろうし,そうあるべきだ」
「まあ……正論ね」
「……。これがプロの世界なのか……」
人生の輝かしい第一歩を踏み出した少年の隻眼に映ったのは,自らの進むべき世界の,有るべき姿だった。
「あ,そうだ。竺丸や父上に挨拶してこなきゃ」



一方その頃,観戦席。
「ヒナタ」
「日吉,何処行ってたの?」
「いや,一寸ね……」
「しかも男に戻ってるし。何か有ったの?」
「いや,大した事じゃないよ。それ良か試合,如何なったの?」
「ああ,今……」


「そんな……私の『ドウクン・改』が……」
「こんな玩具で勝負に勝とう等……笑止千万ですね」
「く……!」
『さあ!追い詰められてしまいました,ヘルシング選手!武器として使っていた対ヴァンパイア戦用モビルスーツ『ドウクン』号が壊された今,為す術無しかぁー!』
「くっ……冗談じゃないわよ!私が装備だけに頼ってると思ったら,大間違いよ!」
「……勝ち目が無いなら,大人しく退くべきではありませんか?」
「舐めないでよねっ!」
『ヘルシング選手,印を切り始めました!』
「――主よ,聖霊よ。我が敵を撃ち破る力を,我に与えたまえ。願わくば,悪を為す者に主の裁きを下したまえ……!」
「ああ……」
「アーメン!」
『おおっと!これは強力な攻撃だあぁ!善楕選手,万事休すか!?』
「良し!」
『――いや……!?』
「三回戦からは,ギブアップは認められないんでしたっけ」
「!?」
「先程迄の攻防で見切れませんでしたか?あの程度の攻撃では,私には効かないと言う事が……」
「く……!」
「それに,私はキリスト教徒ではないですし……。……終わりです」
ゴッ!
「が……!」
『決まったぁぁぁ!何時の間にかヘルシング選手の背後に回り込んでいた善楕選手の強烈な攻撃が,ヘルシング選手の背中にクリーンヒットだーーーーっ!』
「く……はあ……」
「……ふう」

「勝者,善楕!」
『三回戦第五試合を制したのは,善楕三成(いしだ・みつなり)選手です!』


「あの眼鏡の人の着てる胴衣って,確か例の武行会の……」
「そうね。凄い強かったわね,あの人」
「そうなんだ」
「ええ。日吉が来る前はアラキちゃんが『ドウクン』使って押しまくってたんだけど,あの人ものともしないで」
「ひゃー……」
「矢っ張し,あの人も虫になるのかしら?」
「うーん,そうかもね」



「おにーさまぁぁ。口惜しいですぅぅ!」
「ま,まあまあ,アラキちゃん。取り敢えず合格出来たんだから良いじゃないか。僕だって,去年出た時は三回戦で負けちゃったよ」
「え!ミツヒデおにーさまも!?」
「うん」
「……じゃ,良いかなあ……」
「ほほほほほ!負けを認めたわね,腐れ外人ッ!」
「眼鏡猿……!て,あんた未だ三回戦の試合,やってないじゃない!そう言う台詞は,自分が勝ってから言いなさいよねっ!」
「ふっ!そんなの,やる前から私の勝ちと分かってるわよ!」
「……そうも上手くはいかないみたいだよ,こーちゃん」
「如何言う意味よ,よっちゃん」
「だって……」

『ピンポンパンポン……お知らせします。三回戦第六試合は,絹女光佐選手と勒鶴義堅選手の試合と決まりました。両選手は,十分後にスタジアムの方迄お越し下さい。もう一度お伝えします,三回戦第六試合は――』
「次の相手,私だもの」


「三回戦第六試合,絹女選手対勒鶴選手!両者,コートへ!」
『さあ,第六試合は絹女選手と勒鶴選手の試合です!』
「悪いけど,容赦しないよ,よっちゃん」
「そう言えば,斯うしてこーちゃんと争うのは初めてだったっけね……!」

「試合開始!」
『さあ!絹女選手,早速武器を取り出しました!』
「私特製,霊波動砲『ホリカワ』の威力,試させてもらうよっ!」
『しかし,このコートには結界が張ってあって物理攻撃は無効となる筈ですが』
『あのバズーカは,実弾ではなく霊波を収束して放つのだろうナ』
『成程,有り難う御座いました』
「行くよっ!ファイアー!」
「うおわっ!」
『勒鶴選手,紙一重でかわしました!』
「未だ未だっ!」
ドドドドド!
『おおっ!絹女選手,凄い連射です!』
「くっ……!」
「かわすのが精一杯みたいだね……。印を組む暇なんて上げないよっ」
「いやいやいや,何でよ!いくら機械使ってても,元手は結局使用者の霊力でしょ?こーちゃんの霊力でそんな威力の攻撃を連射して,長く保つ筈が……」
「今時,電化製品は省エネも頑張んないと売れないんだよ,よっちゃん」
「何よ,それぇーーーーー!って言うか,それ,電気で動いてんの?」
「ははははは!化学の勝利だっ!」
「こーちゃん……。その台詞は如何かと……」
『さあ!何とか避け続けている勒鶴選手ですが,このままでは体力が尽きるのを待つのみです!果たして為す術は有るのか!?』
『いや……まあ,相手の霊力が切れる迄,逃げ切れば良い様な気もするがナ』
「ま,それも良いんだけどね。でも……」
「?」
「私の宿曜術が,そんなに浅いと思われるのも癪だから……」
「え!?」
「宿曜武術・房の巻!」
『おおっと!勒鶴選手,結界を張って霊波砲の連射を防いでいるぞ!』
「そんな!」
「デジタルは,昔ながらのアナログには勝てないと相場が決まってるんだよ!」
「く……,拙い!」
「宿曜武術・亢の巻!」
『勒鶴選手,よ・な・おし波で反撃だ!』
『……何年前の漫画だヨ……』
「よ・な・おし波じゃなーい!」
『違うらしいです。モーションはそっくりでしたが』
『……技名言ってたロ』
『とか言ってる間に,絹女選手,見事によ・な・おし波を喰らって大ダメージだぁっ!』
「だっから,よ・な・おし波じゃないっての……。まあ,良いや。どんどん行くよっ!」
「くあっ……!」
「宿曜武術・奎の巻!」
ゴッ!
『勒鶴選手の持つ錫杖が,霊波に包まれ,そして,伸びました!恰も孫悟空の如意棒の様です!』
「がっ……!」
『これには絹女選手も堪らず,ダウーン!』
「くっ……」
「よっし,……!?」
ドォン!
『お,おっと!数撃ちゃ当たるとばかりに苦し紛れに絹女選手が放った弾丸の一つが,勒鶴選手を見事に捉えました!両者,同時ダウンです!』
「つ……」
「……っそ」
『先に立ち上がるのはどっちだぁ!』
「……宿曜武術……軫の巻!」
パァッ……
「はあ……」
『勒鶴選手,自らにヒーリングを掛け,立ち上がりましたっ!』
「ふふ……そのバズーカ砲じゃ,傷の回復は出来ないよね」
「……」
「矢っ張り,最後に頼りになるのは自分の腕よね」

「勝者,勒鶴!」


「で,今の話の落ちは?」
「機械に頼ってばっかじゃ駄目って事じゃないの?」
「……別に無理に落ち付ける必要ねーだろ」



「三回戦第七試合,浅野ねね選手対村井はる選手!両者,コートへ!」
『さあ,第七試合!資格試験初挑戦のルーキーながら圧倒的な実力で勝ち進んできた浅野選手と,危なげない試合運びで勝利を重ねてきました村井選手!果たして,四回戦に駒を進めるのはどちらとなるのでしょうか!』
「よっし!豊臣さん,ねね,頑張ります!」
「残念!次に進むのは僕だよ!」
『……えっと……。一人称は“僕”ですが,村井選手は女性です。……念の為』
『……見りゃ分かるだロ』
『いえ,そう言う方々ばかりではありませんので……』
『?』

「試合開始!」
「ピジョンウイング!」
『浅野選手,早速霊波の羽根を顕し,中空へ舞ったぁ!』
「……確かにそれは凄い技だけど……」
『村井選手も,霊気を収束させております!』
「こんな狭い結界の中じゃ,飛び回れやしないでしょ」
「!」
「的も良い所だよ!」
『村井選手,ビューティーセレインアローを顕しました!』
『……それは“赤ずきんチャ○ャ”だろウ』
「何がビューティーセレインアローさっ!僕の霊弓は『イチイバル』だよ!て言うか,作ったのは弓だけでしょうが。“アロー”じゃないよ!」
『事細かな突っ込み,有り難う御座いました』
『て言うか,パクりだロ……。色んな意味デ』
ドドドドド!
「うわぁ!」
『おっと,村井選手が漫才をしている間に,攻撃姿勢を整えた浅野選手が,フェザーブレッドで攻撃してきた!』
『……冷徹だナ』
『村井選手,油断です!』
「誰の所為だーーーーっ!」
「逃がしませんっ!」
「……っ!舐めないでよね!聖弓よ!」
ドドドドド!
『おおっと!無数の矢が村井選手の手から発し,浅野選手を襲います!』
「きゃ……!」
『浅野選手,翼で自分の身体を包み込む様にして防御します!』
「く……!攻撃も防御も完璧って訳!?」
「……今度はこっちから行きますっ!」
「!」
「エア・カッター!」
『浅野選手,翼を広げて急降下だぁー!』
ザン!
「ぐ……!」
『そのまま村井選手を切り裂きました!』
『飛び道具は,懐に入られると弱いからナ』
「きゃ……あっ!」
『浅野選手の凄まじい霊力に,村井選手ダウン!』
「きゅう……」

「勝者,浅野!」


「なっ……何!あの子,あんなに強かったの!?」
「うん。ホント,才能だけで生きてけるって感じだよね」
「うっひゃ〜。詐欺でしょ,あれは」
「う〜ん,如何かなあ」



「お〜い,竺丸〜。何か知らないけど,御免てば。そう,いじけんなよ」
「五月蠅いっ!兄上に,俺の気持ちが分かって堪るもんか!」
「……う〜ん」
二回戦で兄の政宗に敗れた雫手竺丸は,未だいじけていた。
「仕方無い。俺も暇じゃないし,もう行くぜ?又た来るから」
「来なくていいよっ!」
「……」
「所で政宗」
「父上。何ですか?」
「今,お前,何処でお世話になってるんだ?」
「えっと……一応,六道女学院で雇ってもらってますけど。……まあ,今回,GSの資格取れたんで,その内に自立出来ますよ」
「うむ……。まあ,お前の実力なら何とかなるだろうが,研修の方は如何するんだ?」
GS資格を取っただけでは,スイーパーとして活動する事は出来ない。自分の師匠から一人前と言う認可を得てからでないと,独立してスイーパーとして働く事は出来ないのだ。このシステムを,俗に研修期間と言う。
因みに,一昔前は『試験に受かってから,悪霊を百匹倒せば一人前』と言う決まりだったが,色々と問題が発生し,現行の制度となった。
「あ,そっか……。俺の師匠って,父上か」
「そうだ。研修させてくれる当てでもあるのか?」
「う〜ん,そうだよねえ。まさか,今更家に戻る訳にもいかないし」
「別に構わないぞ?お前程の力を持つ者を手放すのは,正直惜しい」
「冗談言わないで下さいよ。これ以上竺丸を苛めて如何するってんですか。俺は,もう死んだ人間ですよ?」
「……むぅ」
「まあ,鬼頭先生でも浅井さんでも,伝手を辿って何とかしてみますよ」
「そうか……」
「……心配しなくても,雫手の名を汚す様な真似は,もう二度としませんよ」
「……うむ……」



「勝者,浅野長政!」


「勝者,那柄正家(なつか・まさいえ)!」


「勝者,益汰長盛(ました・ながもり)!」
「楽勝アルね」
「これで,玄以以外は全員ベスト16入りね」
「そろそろ,同門で当たるかも知れませんね」
「そうなっても,手加減はしないコトよ」
「……とは言え,私達が狙うのはあくまで主席合格。同門で体力を削り合うのは避けたいな」
「五人とも,回復技持ってませんからねぇ……」
「ま,何とかなるヨ」
「そう願いたいな」



「おおおおお!」
「う……わああああ!」
「逃がしませんタイ!」
ドォン!
『決まったぁーーーー!マエダー選手の霊力を纏ったタックルに,拾阿弥選手,為す術もなく,吹っ飛びました!』
「か……はあ……」
「ふー……」

「勝者,マエダー!」
『マエダー利家選手,四回戦進出です!これで,ベスト16は出揃いました!一時間のインターバルの後,フジタのダイスに因り定められたトーナメント表によって,決勝トーナメントが行われます!』

「それって,今迄と如何違うの?」
「今迄は一回戦毎にダイスを振って組み合わせを決めてたけど,次からは最初に決めたトーナメント表で最後迄やるんだよ」
「ふーん」



四回戦進出者

 ・浅井長政
 ・浅野長政(武行会)
 ・浅野ねね(織田除霊事務所)
 ・善楕三成(武行会)
 ・雨姫蛇秀家(織田除霊事務所)
 ・織田 淀
 ・吉法師(安土院)
 ・佐々成政(林GS事務所)
 ・雫手政宗
 ・時読ヒカリ(六道女学院)
 ・豊臣秀長(織田除霊事務所)
 ・那柄正家(武行会)
 ・羽柴秀美
 ・マエダー利家(小笠原帰蝶GSオフィス)
 ・益汰長盛(武行会)
 ・勒鶴義堅(観音寺)


今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa