ザ・グレート・展開予測ショー

GS信長 極楽天下布武!!【資格試験編】(4)


投稿者名:竹
投稿日時:(04/ 3/ 4)

竹中半兵衛重治(1544〜1579)
 織田信長配下の武将。
 初め斎藤龍興に仕えるが,その乱行を諫め叔父の安藤守就と共に僅か数名で稲葉山城を占拠したと言う逸話を持つ。
 それを聞き付けた木下秀吉の再三の頼みで彼の謀将となり,功績を立てるが,播磨三木城攻略中に陣中で病死。
 『Mr.ジパング』では,七巻のヒカリの未来予知に一コマだけ登場したと思われるが,“彼”が重治であると言う根拠は無い。

黒田官兵衛孝高(1546〜1604)
 播磨の大名,小寺職隆の子。
 織田信長・豊臣秀吉に仕え,竹中重治亡き後,秀吉の軍師的役割を担った。
 関ヶ原の戦いでは東軍に通じ,大友義統を豊後に破る。
 剃髪して如水と号,又たキリスト教にも帰依し,ドン=シメオンと称。

南光坊天海(1536〜1643)
 徳川家康のブレーンとして名高い,天台宗の大僧正。
 南部北嶺を遊学した後に家康の知遇を受け内外の政務に参画,その死後は東照大権現の贈号と日光山改葬を主導した。
 諡号は慈眼大師。
 享年百八歳と言われる怪僧で,その正体は惟任光秀との説も根強い。















「此処ですね……」
「武行会の総本山,武行院」
GS資格試験二次試験会場で第二回戦が始まった頃,勝竜姫は斎藤利政を伴い,武行GSオフィスの有る武行院を訪れていた。
ピンポーン!
利政が,インターホンのベルを鳴らした。
『はい』
「あ,私,ゴーストスイーパーの斎藤と申します。武行会の会長殿にお会いしたいのですが」
『はあ……少々お待ち下さい。――ブツッ!』
「……案外,すんなり行きましたね」
「ええ。しかし,未だ外れかは分かりませんよ」
「ですね……」


「私が武行会の会長,恵瓊です」
「初めまして,斎藤利政と言います。以後,お見知り置きを。そして,此方は――」
「妙神山修行場の管理人を務めております,勝竜姫です」
「勝竜姫様……と申されると,あの龍神王一族の……?」
「……ええ。私も一応,仏神の一柱です。斎藤さんは基督教の徒ですが,此処は私の顔に免じて」
「ええ,勿論です」
数分の後,利政と勝竜姫は偶々暇だったと言う,武行会々長と対面していた。
「さて,時間が有りませんで失礼ながら単刀直入に聞きます」
「如何ぞ」
「この度,貴方々のオフィスから出された,GS資格試験の受験者についてですが――」
「え?」
「それで……」
「ちょ……,少々お待ちを」
「は?」
「私共の事務所では,今年度の資格試験には一名も参加させておりませぬが」
「ええっ!?」
「そ,そんな……?」
「いえ,本当です」
「では,この五人の名前に覚えは?」
利政は,二次試験進出者の中からリストアップした,武行会のメンバー五人の名前を示した。
「ああ。この五人なら,今日迄休むと言って昨日から休んでおりますが」
「!」
「と言う事は……」
「如何かなされましたか?」
突然険しい顔をし始めた利政と勝竜姫に,武行会の会長が問う。
「……申し訳ありません。事態は逼迫しているのです。詳しい話は,又た後日」
「急ぎましょう,斎藤さん!会場ですッ!」
利政と勝竜姫は,急ぎ試験会場へと向かった。




そして,試験会場。
「日吉ーーーーーっ!勝ったよーーーーーっ!」
ガバッ!と,ヒナタが日吉に抱きついた。
が,
「うおっ!?」
ドシャア!
「痛たたた……」
藤吉郎は抱き留める準備等していなかったので,当然押し倒される事になる。
「何すんのぉ〜」
「そりゃこっちの台詞よ!この位抱き留めなさいよ,男でしょ?」
「いや,今は女だけど」
そう,藤吉郎は今,秀美ちゃんなのだ。従って周りの反応は……
「何?」
「恋人じゃない?ほら,体育会系のコって,その気が……」
こうなる。
「違っ……!」
藤吉郎とアベックに見られて嬉しいが,アブノーマルな性癖の持ち主と誤解されては堪らないと,如何言って良いのか分からないヒナタ。
「ど……如何すれば良いんだ……っ!」
「別に如何もしなくて良いんじゃない?」
そして,相変わらず冷めてる藤吉郎。
「それと,今は日吉じゃなくて秀美ちゃんだよ?」
「はいはい。じゃあ,その秀美ちゃんは合格したの?」
「いや,俺……もといあたしの試合は未だなの」
「……」
「……何?」
「いや……」
糞,可愛いなあ。
……むかつく。
「豊臣さんっ!ねね,合格しましたッ!」
「僕も合格したよ,秀吉にーちゃん!褒めて褒めてー!」
久方ぶりの二人きりを楽しむ間もなく,ねねと秀家がやって来た。後ろには,家康と天回も浮いている。
「おー,おめでとう。でも今は,秀美だよ」
「あ,そっか。すいません,羽柴さん」
「あはは,秀美ねーちゃん,かっわいいー!」
「ん?小竹,如何したんだ,暗い顔して」
何時の間にか,秀長も居た。
「兄者……俺も二回戦,勝ったよ……」
「お,応。……じゃ,如何してそんなテンション低いんだ?」
「……。又た,戦闘シーンが無かった……」
「は?」
「あんまりじゃないか?新キャラなのに」
「いや,まあ……。もう,良いじゃん?ほら,ルイー○みたいに目立たないのが特徴って事でさ」
「でも……」
「まあ,弟キャラって得てしてそんなもんだよ。例えばほら,某シグルド少尉とかさ」
「でもアレだって,登場時はそれなりに目立ってた様な……」
「うーん。でもお前ってほら,そう言うキャラだから……。真面目なだけじゃやってけないんだよ,この世界」
「……」
「ウチの事務所の仲裁役って事で良いじゃないか。な?」
「……。兄者が……そう言うなら……」
秀長は,渋々と言った具合に矛を収めた。矛先には,何も無かった訳だが。
「……ブラコンでしょうか?」
「ブラコンだね」
「ブラコンか……」
まあ,そう言う意味の無い話はこの辺にして。
「そう言えば,景勝ねーちゃんと輝元にーちゃん……じゃなかった,輝元ねーちゃんは来てないの?」
「ああ,二人は用事が有るとか言って来てないよ。二人とも何だかんだ言って良い所の当主様だから,色々と有るんだってさ」
「ふーん……。あ,良い所の御曹司と言えば,政宗にーちゃんもだよね」
「え?ああ,そうだな」
「にーちゃんは,勝ったのかな?僕と入れ違いで試合だったみたいだけど……」


「では,雫手政宗選手対雫手竺丸選手の試合を始めます!」
『さぁー,図らずも兄弟対決と相なりました,第二回戦!GS免許を得る事が出来るのは二人の内,どちらか一人!この皮肉な戦いを組んだ勝利の女神は,一歳違いのこの幼い兄弟のどちらに微笑むのでしょうか!』
「両者,コートへ!」

「よぉ,竺丸。久しぶりだな」
「あ,兄上……?死んだ筈じゃ……!」
「の筈だったんだけどな。ま,色々有ってよ」
「……」
「もう,資格試験を受けさせるとは。新しい跡取りに,少しでも箔付けをってか?父上も焦ってんな」
「……!今更帰って来たって……っ!」
「分かってる。俺だって,今更惣領の座なんて興味は無ーよ。お前にも,迷惑掛けたと思ってる。だが――」
「……だが?」
「GS資格は,俺が取らせてもらうぜ。悪いが,お前は来年迄待ってくんな」
「そ,それはこっちの台詞だ!」
「へえ……?」
「俺が勝って,あんたを越える!」
「……やってみな」

「試合開始!」

「此処に水は無い。持ち込むにしても高が知れてるから,単純に霊波の勝負って事に……」
「いや,そうでもないぜ?」
「え?」
『おおっと!政宗選手が,気を練って何かを生成しています!あれは一体……?』
『水……だナ』
『水?』
「な……一体,何が……!」
「俺は,空気中の水分を抽出して水を作れる様になったのさ」
「んなっ!?」
「これが,片目と引き替えに俺が得た,“悪魔”の力さ」
『何と驚きです!政宗選手,空気中から水を作り出しました!』
『人間業じゃねえナ……』
「悪魔の……?まさか,兄上……」
「そうだ。俺は,悪魔と契約したのさ。そして,この力を手に入れた。片目と引き替えにな」
「なっ……!悪魔と契約するなんて!名門・雫手の跡取りとして,恥ずかしいとは思わないのか!?」
「だから,今の継嗣はお前だろ?」
「そう言う問題じゃ……!」
「如何言う問題なんだよ?」
「あ,兄上は,そんな事しなくても充分強いじゃないか!何で,そんな事する必要が……!」
「いや,別にこれはおまけみたいなもんだよ。一遍死にかけた時に,悪魔から片目と引き替えに命を貰ったのさ。で,生き返ったらこの能力が付いてた訳」
「……!」
海の悪魔と契約した事で,眠っていた潜在能力が引き出されたのだろう。
「じゃ,やるか?」
「あ……あ……」
「ん?」
「兄上の馬鹿ぁ〜〜〜〜〜〜!」
「って,おい!何処行くんだよ!?」
竺丸は,雫手家始まって以来の天才と言われた一つ違いの兄に,ずっとコンプレクスを感じていた。
それが,兄の死によってずっと届かないと思っていた次期当主の座を手に入れたのだ。
しかし,兄は再び自分の前に現れた。更なる力を携えて。
そして,自分がやっと手に入れた――兄の死を以てしか手に入れられなかった自分の価値を,事も無げに興味無いと言った。
……竺丸がいじけても,無理は無いだろう。

「竺丸選手,試合放棄!戦意喪失と見なし,この試合,政宗選手の勝ち!」
『雫手政宗選手,GS資格取得!』
「良いのかよ,これで……」



選手控え室。
「ミツヒデおにーさま!二回戦,勝ちました!これで私もゴーストスイーパーですねっ!」
「おめでとう,アラキちゃん」
「えへへ」

そんなミツヒデとアラキを横目に見る光佐と義堅。
「何がえへへよ……」
「こーちゃん,そう言う事言わないの!」
「だってさあ……」
と,光佐の耳に実況の声が聞こえてきた。
『警官隊がヒラテ容疑者(1052)を銃刀法違反で連行します!アンドロイドは,証拠として押収される様です』
「え……」
「あれ?」
遠くに,ヒラテの叫び声が聞こえる。
「今回は知らんぞーーーー!これは陰謀じゃよー」
「……」
「?どしたの,こーちゃん。顔色悪いよ?」
「しまった……。昨日,実験と思って直ぐ外すつもりで勝手にフカンに取り付けた銃器……,外すの忘れてたんだわ……」
「こーちゃん……」
あんたって人は……。



「……えー,次の試合は,黒田考高選手対吉法師選手。両名,コートへ!」
二回戦も終盤。残す所,後,数試合である。
「げ,オダぁ?」
「……?何の事でしょう,拙僧は只の……」
「あー,そうだったわね。て,着替えて髭付けただけじゃないの」
「……るせー。で,如何すんだ?こっちも仕事だ。手加減はしねーぜ?」
「そうね……」
馬鹿犬は……と。
あ,彼奴とか。勝てそうにないわね。
じゃあ,良いか。
そもそもこれ受けてるのだって成り行きだし,馬鹿犬も落ちるなら,意地張る必要は無いわね。
「と言う訳で……ギブアップ」
「如何言う訳だよ……」
「……ああ言う訳よ」
そう言って,考高は実況席前のコートを指した。


『さぁー,次の試合は,竹中重治選手対羽柴秀美選手です!』
「せ,先生が相手でござるか……!?」
「あら。じゃあ,その先生の為にも頑張らなくちゃねっ!」
「え……?」
「先生って言うな!俺は羽柴だよ(小声)」
「あ!も,申し訳ござりませぬ!」
「馬鹿!大声出すな」
『……?竹中選手,何故か謝っております!』
「……馬鹿犬……」

「試合開始!」

「さて……如何しようかな……」
殿は……,あ,官兵衛に勝ってる。
じゃ……俺も此処は勝ち進むべきなのかな?
「御免ね,半兵衛ちゃん」
「でも……先生が稽古を付けてくれる等,最近噸とご無沙汰でござったからな。胸を借りるつもりで行きます!」
『さあ!竹中選手,早速霊波刀を作り出しました!』
「行くでござるよっ!」
「えっと……」
正直,剣の技量では重治には敵わないだろう。
と言うか,此処で目立つべきでもないし……。
とすれば……
「お座り!」
「!」
『お,おっと竹中選手,羽柴選手の「お座り!」の一言で,思わず動きを止めてしまいました!』
『彼奴は,人狼族だからな』
ドゴォ!
『無防備になった竹中選手に,羽柴選手の攻撃がクリーンヒットぉ!』
「……ふう」
毎朝,散歩と言う名の超高速耐久マラソンに付き合わされる内に,藤吉郎は自分の命を守る為,重治を少しずつ躾ていった。
それが,思わぬ所で功を奏した様だ。
「くっ……!未だ未だでござるっ」
『竹中選手,体勢を立て直し,尚も斬り掛かる!』
「待て!」
「!」
ドガーン!
『おおっと,又ただ!竹中選手,所詮は犬かぁ!?』
「バウッワウッ(狼でござるっ!)」
『お,おおっと,これは……!?』
「!?」
『竹中選手,犬になっているぞぉ!』
『彼奴は人狼。首の精霊石の力で,昼間でも人間形態を保っているんだガ……』
『その精霊石のペンダントはスタジアムに落ちています!と言うか,先程の戦いのどさくさで,羽柴選手に踏まれて粉々になっています!』
『……これも,“希有の幸運”……だナ』
「あはは……」

「竹中選手戦闘不能により,この試合,羽柴選手の勝ち!」
『羽柴秀美選手,GS資格取得!』
「……て,もう持ってるんだけどね。実は」



「宿曜武術・畢の巻!」
ドォン!
義堅の攻撃が,対戦相手を吹き飛ばす。
「ぐ……はぁ……」
「ふう」

「勝者,勒鶴!」
『勒鶴義堅選手,GS資格取得!』
「楽勝!」


「勝者,絹女!」
『絹女光佐選手,GS資格取得!』
「当然でしょ!」


「勝者,マエダー!」
『マエダー利家選手,GS資格取得!』
「やった!」



「やったじゃねーか,マエダー」
「まつさん。有り難うですジャ」
「さて,じゃあ俺も頑張って来るよ!」
「健闘を祈りますジャー」
「応!」


「二回戦最終試合,篠原まつ対織田 淀!両者,コートへ」
「……って」
「ん?如何した,篠原選手」
「相手,赤ん坊じゃねーか!」

「ま,まつサンの相手,織田サンの姪っ子の……」
「淀だな。親父は又た何考えてんだか」
「織田サン」
「吉法師だ,犬千代」
「あ,すいません」
「生まれて一年にもならん様な赤ん坊に何させるんだか……」
「ど,如何言うつもりなんですか,隊長サンは?」
「資格取得最年少を取らせたいんだそうだ……。ちゃっかり織田性で登録してるしな」
「俺の立場は……」
「……。泣くなよ,信広兄貴」
「で,でも如何やって一回戦勝ち抜いたんですか?」
「ま,見てなよ」

「い,いくら何でも赤ん坊となんて戦えねーよ」
「では,棄権するかね?」
「い,いや,それは……」
「ふぇ……」
「あ,な,泣くな,淀ちゃん。って……“発火封じ”の札が無い!?」
「ぇ……ぇぇ……」
「ちょっ……!」
「うええええ〜ん!」
ドオン!

「パイロキネシス!?で,でも赤ん坊に能力が制御出来る訳ないし,あれじゃ自分も……!」
「大丈夫だ。見ろよ」
「……あ,豊臣サン?」
「相手が戦闘不能になったら,猿が出てって慰めるって寸法さ。淀は彼奴に異常に懐いてるから,猿に抱かれりゃ直ぐ泣きやむんだ。女になってても,本能で猿だと分かるんだろうな」
「……そんなん有りですかいノー」
「有りなんだから有りなんだろうなあ」
「て,まつサン,大火傷じゃないですか!まつサ〜〜〜〜ン!」
「……やれやれ」

「勝者,織田!」
『織田 淀選手,GS資格取得!これにてベスト32が揃いました!』

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