ザ・グレート・展開予測ショー

横島の未来・過去(3)


投稿者名:cymbal
投稿日時:(04/ 3/ 4)

ちゃく、ちゃく、ちゃく、ちゃく、ちゃく、ちゃく・・・・・・・っと話は進み。

気が付けばGS試験前日であった。・・・・時の流れは速い。
彼は今、ボロアパートの一室で寝転んでいる。

(うーむ・・・、過去に戻ってきたはいいが・・よく考えると同じ事をしていたら行き着く未来は一緒なのではないか?なんか、いや確かに楽しいのだが・・・とにかく嫌な予感がする。)
実際は、彼の周りは微妙に変化しているのだが・・そんなこと気付くわけもない。

(それと・・・・・、最近誰かに見られてるな。)
そっちには気付いたらしい。どうも最近あちこちで視線を感じる。
誰かが俺の秘密に気付いたのだろうか・・・・・・・・。

ポケットの中を探り緑色の珠を引っ張り出す。
つい先日、やっと作れるようになった文珠だ。自力でやるのがこんな大変だとは思わなかった。
・・・といってもまだ、一個しかないんだけど。

念を込める。緑色の中心に(覗)という文字が浮かんだ。

(これで外を・・・・って待てよ。勿体無いな・・・自分で外出りゃえーじゃないか。これは他の事に大事に使わせてもーっらお。ふふふ。)
何を考えたかは言うまでもない。そして勢いよく外へ飛び出した!!



「誰じゃー!!人のプライベートを盗み見るやつはー!!お天道様が許してもこの横島が許さん!!」
ちなみに夜です。


しーーーーーーん。


「・・・・・あらっ?気のせいだったかな・・・・。」
辺りに人の気配は無い。さっきまで誰かいるような気がしたのだが・・・・。

ポリポリ・・・・・・。
(やっぱ俺の感覚は当てにならんのかな・・・。)
ちょっと落ち込む・・・。足は自然に住宅街の方に向いていた。
「気分転換でもするか・・・・・・。」





町を一周したら戻るつもりの散歩。特に何かあるだろうとも思ってなかったし・・・・。
それはほんのきまぐれに過ぎなかったのだが・・・・。
(あれっ、あんなとこに空き地なんてあったんだ。ちょっと寄ってみるか。)

それは200坪くらいの土地だった。東京にこんな所がまだ残っていたとは・・・。
しかし目の前の立て札が、この先の土地の未来を示している。

「マンション建設予定地」

(なんか悲しいな・・・、こんなとこもう他にはないだろ・・・。)
空き地の奥の方には土管が見えた。まるで漫画のようなやつだ。
(一度座ってみたかったんだよアレ。・・・よーし行っちゃうぞ!!)
年甲斐も無く・・つっても外見は17だが、横島の心は踊る。

「いざ、突入・・・・・!!」
しようとした時であった・・・、空き地の奥の方で叫び声がしたのだ。

「頼むから連れて行かないで!!僕の、僕の大事な友達なんだ!!」
「そう言う訳にはいかないんだ・・・、彼は歴史を変えすぎた。それなりの罰は受けてもらわねばならん。本来なら君も罪に問われても不思議じゃないんだよ。」

(なんだ?何を話してるんだ?)
横島はそろりそろりと近づいてゆく。そして近くの木の陰に潜り込んだ。

「だったら僕も連れていけばいいだろ!!!・・・・・だけに罪を被させたりはしない!!いつも・・・・、いつも一緒だったんだ!!離れ離れになるなんて考えられないよ!!」
「・・太くん・・・・。・・ありがとう。でもいいんだ。一緒にいれたこの数年間・・・・ぼく、ぼく・・・・幸せだったよ。」
「駄目だよ!!いっちゃ駄目だ!!」
閃光が走る!!!その光とともに少年・・・が倒れた。

「これで・・・・良かったのかい?ひょっとしたら彼は立ち直れないかもしれない。それでも・・」
「・・・・・・いいんです・・・・・太くんならきっと・・すぐ立ち上がってくれる。・・ぐすっ。」
そう言うと空間にぽっかりと空いた穴に・・・二つの影が消えていった。


(・・・・・これは、まさか・・・ひょっとすると・・・・・ん!!!!)

後ろに急に気配が現れた!!!妙な形をしたロープが横島めがけて飛ぶ!!
「どわっ!!!なんだ!!!」
とっさに身を翻してかわす。しかし後をつけるかのようにロープが付いてくる。

(なんだ!?魔法か!?と・・とにかくやばい!!!)
ポケットに手を突っ込むと文珠を掴み、念を込める。


「くらえ!!!!」
ドオーーーーーーン!!!!!!!!!


書き換えられた文字・・・(爆)が炸裂する!!
爆風の中でヒモが焼けていくのが見えた。
「くっ、やはりこの程度では彼は捕まえられないか!!騒ぎになる!離散しろ!!」

気配が去って行く音がした。
(何者だ?いや・・・思い当たるふしはある・・けど。)
さっきの光景が目に焼きついていた。おそらくアレだ・・・・、実際に存在していたとは・・。

周りの家の電気が一斉につき始めた。遠くからサイレンの音が聞こえる。
「と、とにかく逃げよう!!」
倒れている少年を急いで抱えると、その場から駆け出した!!




(この少年も・・・大事なモノを失ったわけか・・・・。)
走りながらそんな事をぼんやり考える。以前の自分と同じだ・・・。




次の日、空き地は大騒ぎになった。
マンションを建てようとなんかするから祟りがあったんだという者もいた。
・・・結局この計画は中止になったわけだが・・・・。
いずれにせよ真相は闇の中である。

一人の少年が空き地の隅で、1日中泣き崩れていたことは・・・また別のお話。

なんにせよ、今日からGS試験が始まる!!!

つづく・・・・。

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