ザ・グレート・展開予測ショー

#挿絵企画SS『憧れ』


投稿者名:ゲン
投稿日時:(04/ 2/29)


「先生、散歩はやっぱり楽しいでござるな」

シロが隣を歩いている横島に声をかける

「そうだな、今日は本当に散歩だからな・・・」

普段のあれは散歩ではない・・・とでも横島は言いたいのだろう

「あ、先生、教会でござる!」

その言葉を聞いていないかのように、シロは横島に言葉を投げかけると同時に教会へと走っていく

「あ、おい、待てよシロ・・・ったく、しょうがないなあ・・・」

教会へと走っていくシロを横島がぼやきながら追いかけていった


憧れ


「結構大きいでござるなあ・・・」

教会の中にシロの言葉が響く

「本当だな・・・外から見ると結構ぼろだったし・・・神父さんとかいないのかな?」

シロに続いて横島もつぶやく

「でも、中は結構綺麗でござるよ」

確かに、教会は外から見ると、ところどころ塗装がはげていたり、壁に穴があいていたりしているが、中はそれなりに綺麗にされている
誰かが定期的に掃除に来ているのだろう

「あ」

何か見つけたのだろうか、シロが入り口からまっすぐの方向に歩き出す

「どうしたんだ、シロ?」

横島もシロの行く方へ歩き出す

「うわぁ・・・・・・綺麗でござるなあ・・・」
「ああ・・・本当だな・・・」

シロと横島がつぶやく・・・その視線の先にはステンドグラスがあった

「先生とこんな所で・・・・・・」

シロがとても小さな声でつぶやく

「ん?何か言ったか?シロ」
「な、なんでもないでござる」

シロが真っ赤になりながら答える

「そうか?・・・ならいいけど・・・それじゃ、そろそろ散歩にもどるか」

そう言うと、横島は外へと歩き出す

「・・・はあ・・・口にだしてしまうなんて・・・せっしゃもまだまだ・・・」
「おーい、シロ、早く来ないとおいていくぞ〜」

ステンドグラスの前で立ったままだったシロに横島が声をかける

「あ、今行くでござる」

横島の声でシロが走り出す
そして、入り口まで来ると、再びステンドグラスを見て、先ほど自分が憧れた想像――こんな教会で、皆に見守られながら、横島と、純白のドレスに包まれた自分が結婚式を行う風景――を思い出し・・・そして横島の元へと向かう

「さ、先生、散歩の続きでござるよ」

その言葉とともに横島の腕に自分の腕を組む

「はいはい、わかったよ」

そう言って歩き出す二人を誰もいなくなった教会が見送った


そして・・・シロの憧れが実現するのは・・・・・そう遠くない未来

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