ザ・グレート・展開予測ショー

こんな日常


投稿者名:ほんだら参世
投稿日時:(04/ 2/24)


      

 CASE1 美神令子の場合

その日、美神令子は一人で街をぶらついていた。

「お姉さ〜ん、ちょっと、ちょっと、ストーーーップ!!」

「んっ。」

大きな声に降りかえってみると、胡散臭いスーツ姿の若い男が走りよってきた。

「すいませんね、自分こういう店のスカウトをやってるんだけど。」

そう言って懐から出した名刺を見たところ、この男はホステスのスカウトをしているようだ。

「いや〜、一目見た瞬間から確信しましたよ。 その服装と香水のセレクト、全身からかもしだす風格と、色気と、それ系の雰囲気」

私の美貌に目が眩むってのはわかるが、ホステスなんぞになる気はない。 
早々に立ち去ってもらうことにしよう。

「ごめんなさいね、わた「あなたなら、それらで若さを補える、伝説のNo1になれます。」・・・・ジャキッ ピシッ」

その後の惨劇を記す勇気は、作者にはない。 
ただ、その惨劇を生き残った男は、救急車のサイレンが聞こえるなかでこう言ったという。

「とっ、当店の姉妹店にて、女王様も募集中・・・・げふっ」




  CASE2 氷室キヌと小龍姫の場合

その日、美神除霊事務所のいつもの面々は妙神山に来ていた。

「皆さんでここに来るなんて、久しぶりですね」

目の前の、小竜姫様は笑顔で私達を迎えてくれた。 
その後も、お茶を飲みながら、時折起こる横島さんの発作的なセクハラを諌めながら、楽しくお喋りをしていた・・・・・・・・・・・・・・そう、あの娘が来るまでは。

「ポチ〜〜〜〜〜〜!!!」

その声と同時に、横島さんの脇腹に小さな何かが勢い良く飛びついていた。

「ゲホッ!!  なにをすんだよ、パピオラ。」

横島さんに飛びついたのは、あの事件以来、妙神山に預けられていたパピリオちゃんだった。

「パピリオっ!!!! 今日の修行はまだ終わってないでしょう、たまには怠けずに課題をこなしなさい!!」

小竜姫様が、少し起こった様子でパピリオちゃんを叱ると、パピリオちゃんは不機嫌そうに、

「うるさいでちゅね、ポチが来ているのに、そんなことやってられまちゅか。 それよりも、ポチが来たなら来たと、さっさと教えるでちゅよ。 おばさんは気が利かないからいやでちちゅね」

ピシッと言う音が聞こえたような気がした。
小竜姫様は、引きつった笑顔を浮かべながら、真っ黒なオーラのようなものを背負っていた。 

「だっ、誰がおばさんですか、誰がっ!!!」

「ほ〜、わからないでちゅか。 そういう発言は自分の年を考えて言ったほうがいいでちゅよ、お・ば・さ・ん」

「なっ、何ですって!!! キー、年だけを言ったら、おキヌちゃんだっておばさんでしょう!!!」

えっ、何を言い出すんですか、小竜姫様!

「何で、おキヌちゃんがおばさんなんでちゅか?」

「そうです!!! なんで私がおばさんなんですか!!!」

パピリオちゃんと、私の質問に小竜姫さまは、

「おキヌちゃんが生まれたのは、300年以上前なんだから、年齢から言えば立派なおばさんでしょう!!!」
 
と、ぶちまけてくれました。 本当になんて事を言い出すんでしょうか、この人は!!!

「私の体は封印されていたから、それは実年齢には入りません!!」

「封印されていたとはいえ、霊体が抜け出たりしていたんですから、だったら意識のあった年数から言って立派なおばさんです!!!」

言ってくれますね、この人は! どうやら、一度じっくり話し合う必要があるようですね!!
 
「「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふh」」 

その日の妙龍山は、どす黒いオーラと不気味な笑い声、そして、時折聞こえる誰かの悲鳴に包まれていたという。



余談ではあるが、その日、休暇を貰って妹に会いに来た一人の魔族の女性が、門を開けることも無く引き返し、一日中部屋の隅で震えていたそうだ。



 CASE3 タマモの場合
 
「前も思ったけど、携帯電話って便利よねー、いったいどういう原理なの?」

その日の騒動は、この一言から始まった。

「ああ、それはね「電波だ!」」

おキヌちゃんが答えようとしたところに、横島が割り込んだ。(この瞬間に横島は、おキヌちゃんに[止]の文珠を使っている)

「電波?」

「そう、電波だ! 携帯電話は人が無意識に発している微弱な電波というモノを発信したり、受信したりするものなんだ。」

「へ〜〜。」

「ごく稀に、携帯無しで強力な電波を出したり受け取ったりすることができる人もいて、そういう人達には或る所から電波で指令が来ることもあるんだ。 ちなみに、俺とシロがそうだ。」

「そうでござるよ、拙者には散歩をしろという指令がきて・・・」

「俺には、綺麗なねーちゃんをナンパしろという指令がくるのだ!」

「・・・それって、あんた達の本能じゃないの。」

タマモは胡散臭そうな顔で横島とシロを見やった。

「甘いな。 そんな甘い認識じゃあ、毒電波の餌食にされるぜ。」

「毒電波ってなによ?」

「毒電波ってのは、稀に指令とかじゃなくて絶対に逆らえない命令として飛んでくる電波だ。 これは本当に強力でな、しかも自殺しろとかいうとんでもない命令だったりする事が多い。」
 
見たことのない真剣な顔でそう言う横島と、深刻そうに頷いているシロを見て、タマモは少し心配になっていた。

「ど、どうせ嘘なんでしょ。 そうなんでしょ!」

「本当だって、何なら誰かに聞いてこいよ。」

その言葉を聞いて、タマモは誰かに聞いて真相を確かめようと急いで部屋を出ていった。

「何やってるんですか!!! 二人とも!!!!」

「大丈夫だって、おキヌちゃん。 ちょっとしたイタズラみたいなものなんだから。」

「そうでござるよ、ちょっとしたこみゅにけ〜しょんとゆう奴でござるよ。」

二人は、笑い転げながらそう言った。 
しかし、彼らは知っているのだろうか。 タマモが真実を聞きにいった、この事務所のオーナーが怒っていることを。 
偶々来ていたその母親が、それを聞いた娘が興味深そうにした事により、絶対零度の笑みを浮かべたことを。 
そして何より、その三人が今、この部屋に通じるドアの前にきていることを。


        ギィーーーーーーー

「「「シ〜ロ〜、よ〜こ〜し〜ま〜((く〜ん))」」」


南無ーーーーーー



CASE4 タマモと横島の場合

その日、事務所にはタマモと横島しか居なかった。

「う〜む。」

「さっきからうっとおしいから、人の後ろで唸らないでくれる。」

寝転んでテレビを見ていたタマモの後ろで、横島が唸っていたのだった。
その顔は、何か思いつめたような雰囲気が醸し出されていた。

「う〜〜〜〜む。」

「あー、もう。 ホントにうっとおしいわね。 悩むんだったら外で悩みなさいよ!」

ついに痺れを切らしたタマモは、そう言って横島に食って掛かった。
しかし、横島はその言葉を無視するかのように唸り続けた。

「あんたね〜、いい加減にしな「やはり、もう我慢できん。 タマモ! 触らせてもらうぞ!!」・・・へっ。」

その横島の発言に一瞬呆然としたタマモだったが、すぐに正気に戻った。

「な、なにを言ってんのよ、あんたは! 私は射程範囲に入ってないって言ってたじゃない! まさか、ついにロリコンにまで目覚めたっての。」

「うるさい! おとなしく触られるんじゃ〜!!」

そう叫びながら飛び掛ってくる横島を、タマモは狐火で迎撃した。
火事場のくそ力的なものも加わって、横島はかなりの焦げ臭さを漂わせていた。

「ハー、ハー。 ち、ちょっと、やりすぎたかな。 って、体が動かない!」

予想以上の出力の狐火に少しだけ心配したタマモが、近づこうとすると体が動かない事に気付いた。
その次の瞬間に、倒れていた横島が勢い良く立ちあがった。

「くっくっくっ、動けねーだろ、タマモ。 なんたって、メドーサでさえ動きを止められた[縛]の文珠なんだからな。 さあ、こんどこそ触らせてもらうぜ〜。」

「こ、こんなことのために文珠を無駄使いしてたら、あとで美神にシバかれるわよ。」

なんとかこの場を何とかしようと言葉を紡いだタマモだったが、横島はそんなことは関係ないとばかりに近づいてきた。
もう駄目かと思い目を瞑ったが、想定したような事態は起きなかった。
なぜなら・・・





「く〜〜〜。 やっぱ、思った通りに良い感触だぜ!」

そう言って横島が触っていたのは彼女の『ナインテール状の髪の毛』だったからだ。

「・・・なにやってんの、横島。」

「何って。 前から触ってみたかったんだよ、お前のこの髪の毛。 前にシロがポニーテールをやってた時に触らせてもらったのも気持ち良かったからな、それが九つとなれば、もうがまんなどできるものじゃないぜ!」

タマモの髪に頬ズリしたりして幸せそうな彼は気付いていないだろう。
彼女の全身が小刻みに震えていることを。
その気配が、危険な領域に入っていることを。
文珠の呪縛がかき消されようとしていることを。
先程以上の力が、自分に向かって解き放たれることを。

「こ、こ、こ、こ、この! 大馬鹿野郎!!!!!!!」

ちゅどーーーーーん



CASE5 美神美智恵とタマモと横島の場合

「あの子も昔は素直で可愛い子だったのに、なんでああまで意固地な子になっちゃったのかしら。」

横島とタマモと一緒にお茶を飲んでいた美智恵がため息と共にそう言った。

「あの美神が素直で可愛いだなんて、とても信じれれないわ。」

「俺は、美神さんの子供のころの姿を見たけど、可愛かったぞ。」

美智恵の言葉に反論したタマモに、横島はそう言った。

「そう。 あの子は、昔は本当に可愛かったわ。 たとえばね・・・・・」


数時間後・・・

「ただいま。 って、ママ。 来ていたの。」

事務所に帰ってきた令子は、美智恵を見てそう言った。
その美神を見て、横島とタマモはニヤニヤと笑っていた。

「なによ。 なにか怪しい事でも話してたんじゃないでしょうね。」

その令子の言葉に二人はこう返した。

「いえいえ、怪しい事など話してませんよ。 なあ、タマモ。」

「ええ、深夜の森でお漏らししたパンツを埋めるなんて事よりは怪しくないわね。」

「なッ!!」

その言葉に、令子は絶句した。
そこに、さらに追い打ちが入る。

「あと、人形を相手に告白の練習をしてたり。」

「美智恵に内緒で口紅を使って、口裂け女になったり。」

「好きな男の子の写真を張った人形を抱きながら寝てたり。」

「子供の癖に胸を気にして、内緒で胸の大きくなる薬を買おうとしたりなんて怪しい事は。」

「「一切やって(ませんよ)(ないわよ)」」

「あ、あ、あ、あ、あ、あ。 マ、ママの馬鹿ーーーーーーーーー!!!!!」

そう叫んで、令子は走り去って行った。
後日、きっちりと横島はシバかれましたとさ。

「なんで、俺だけ。」






みなさん、どうもほんだら参世です。
素晴らしい日々はどうしたって言う人がいるでしょうが、突然書きたくなったネタをこの前別所に送ったネタを少し加筆修正した上に加えました。
全ては、毒電波のせいです。(笑)
ここに送るネタとして正しいかな〜、なんて思いましたが、許されるなら時々こういうのを送ってみたいですね。
 

CASE3のタマモについて突っ込むところがあるかもしれませんが、携帯は使っても原理は知ってなかったってことでお願いします。 
 

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa