ザ・グレート・展開予測ショー

ごめんなさい


投稿者名:浪速のペガサス
投稿日時:(04/ 2/21)





ごめんなさい。


お前には最初に言わなければならない。


ごめんなさい。


あの人たちは優しいから。


お前は優しいから、優しすぎるから…


きっと仕方がなかったと言うでしょうね。


自分のせいだ、と……。










―――ごめんなさい―――










今にして思えば私はやってはいけないことをしたのかもね。
アレしか方法はなかったんだけど。
いくら必死とは言え、他に何か方法がなかったのかしら?
私も、そしてお前も…。



【破壊して、ヨコシマ!!渡してはダメよ!!】



お前にとってはきっと最悪の言葉だったでしょうね。
自分の手で恋人を殺すんですもの。
それも恋人の口から「殺して」なんて…。



【ヨコシマ…。私一人の為に仲間と世界、すべてを犠牲になんかできないでしょう?】



お前は苦悩していたわね。
どちらも天秤になんて釣り合わないの分かっていたから。
必死になって「第三の選択」を導き出そうとしていたわね。
だけど……ごめんね。
「第三の選択」に一番すがりたかったのは本当は私。
あんなことを言って、誰よりも可能性のない希望にすがってた。



【約束したじゃない。アシュ様を倒すって…。】



そう、お前の手でアシュ様を倒して欲しかった。
……私をその腕に抱いて…。
私に向けて、「すべて終わった」と言って欲しかった。
もう叶わないけど。



【それとも、誰か他の人にそれをやらせるつもり!?】



私ッてホントに残酷な女ね。
だけどごめんね、私の我侭聞いてくれて。
他の誰にも殺されたくなかったの。
もしもこれがお前じゃなかったら、こんなこと言わなかった。
恋人の手にかかって死ねたらどれだけ……。
そう思ったら自然と声に出てた。
ホント、我侭ね。



【自分の手を汚したくないから。】



だけど、本当は私は自分で死にたかった。
お前にこんな苦しみを背負ってほしくなかった。
ごめんね。
ごめんね……。











必死にお前を元気付ける美神さん。
だけどお前は私を生き返らせる方法にすがって必死。
ごめんね。
もう、ムリみたい……。



【美神さんを困らせないで…。】


―――私が、そしてお前が余計悲しくなるから―――


【私は………】


―――本当はもっといたかった―――

―――本当はずっといたかった―――

―――本当は一緒にいたかった―――

―――本当は…、お前と添い遂げたかった……―――

―――でも……―――


【十分満足している。】


―――満足なんかしてない―――

―――だけど、幸せだった―――


【…もう、いくね。意識を残してるのも限界なの。】


―――哀しいけれど―――

―――涙が溢れそうだけど―――

―――お前のために最後まで笑って逝こう―――


【数日は私の霊力が残ってるから、いつもより強力な術や力が使えると思うけど、】


―――残酷ね―――

―――お前は私が感じられる―――

―――温もりがない私を―――


【それもすぐに消えるわ。】


―――それが私の本当の最後―――


【ヨコシマ………】


―――ごめんね、お前にこんな苦しい思いをさせて―――

―――ごめんね、だけど私ホントに幸せだったの…―――

―――私の分も精一杯生きてね―――


【ありがとう。】







―――そして―――









―――ごめんなさい……―――






















―――薄れ行く意識の中、私が最後に耳にしたモノは―――








―――愛しい人の哀しい悲しい叫び声だった―――



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