ザ・グレート・展開予測ショー

風邪のひくまま 後編


投稿者名:殿下
投稿日時:(04/ 2/21)

〜事務所玄関〜


「ただいまでござるー!」

「あ〜つかれた。やっぱり横島君を待っておくべきだったかしら」

「今回は量が多かったですからね」

事務所の面々が仕事から帰ってきた。しかも

「令子、ちょっと話があるんでけど・・」

「美神さん、お邪魔しますね」

「邪魔をする」

「ジャマするのね〜」

「こんばんわ〜」

「すまんが、金を貸してくれんか?マリア、いくらじゃったかの?」

「イエス・108,520円・必要です」

「令子ちゃん、今晩食事でも」

同時に知り合い数人が訪ねてきたのだ。


〜屋根裏部屋〜


(やばい、やばすぎる。絶っっっっっ対にやばい!こんな所を見られては、間違いなく殺される!と、とにかく逃げなくてわ)

ギュッ

「へっ?」

何故かタマモは俺を強く抱いたまま動かない。

「どこに行くつもり?」

「どこに行くってお前、こんな所見られたら余計な誤解を招くぞ」

「何を誤解されるの?一緒の布団に寝て、キスして、何が誤解なの?」

(確かに誤解も何もないな・・・)

「それはともかくこのままじゃ二人ともただじゃ済まないぞ!」

俺は少し強めに言う。すると

「大丈夫よ。どんな事があってもヨコシマが守ってくれるんでしょ?」

「た、確かにそう言ったけど、それとこれとは別問題。とにかく俺は部屋を出るから離してくれ。頼むよ」


〜俺がタマモを必死で説得している時に一階では・・・〜


「あっ先生来てるみたいでござる!」

「ホント。靴がありますね。今日はもう来ないのかと思ってた」

「あのバカ、遅刻しといて事務所でくつろいでるのね。・・・それにしても急になんなのみんな一斉に!ママはまた横島君にひのめの相手させに来たんでしょ?」

「そうなのよ、ひのめがどうしても横島君に会いたいって聞かなくて」

「冥子はね〜横島君と〜お話しに来たの〜」

「私は殿下がデジャブーランドに行きたいと言って聞かないので横島さんに付き合ってもらおうかと思って」

「我々は付き添いだ「なのね〜」」

「わしは金を借りに」

「イエス、ドクター・カオス」

「僕は令子ちゃんと食事を」

「とりあえず大半は横島君に用事があるのね。いいわ、とにかく入って」
全員一階のリビングに向かう。


「あれ?先生は一階にはいないみたいでござるな」

「タマモちゃんの所にでもいるのかしら?」

「ずるいでござる!女狐の奴」
シロはそう言ってダッシュで屋根裏部屋に駆け上がっていった。
するとすぐに

「あーーーーーーーーー!!」

突如悲鳴が事務所内に響きわたる。

その悲鳴を聞き、全員が階段を駆け上がる(走り出すその瞬間カオスがギックリ腰になってしまったため。借金の件をマリアに任せて嫌がる西条に頼み病院に連れてってもらう)。

屋根裏部屋に行くと放心状態のシロが居た。

私はシロに駆け寄り

「どうしたの?何があったの?」

「女狐と先生が・・・女狐と先生が・・」
シロはうわごとのように同じ事をつぶやく。

「しっかりしなさい!横島君とタマモがどうしての?」

「美神さん!」

「えっ」

おキヌちゃんが青ざめてベッドの方を指さし、ママや小竜姫達が信じられないと言った表情で立っている。私が指さしている方向を見ると・・・ベッドの上で抱き合っているタマモと上半身裸の横島君がいた。


〜シロが屋根裏に来る前〜


「頼むから離してくれ!な?」

「ダ〜メ」

「油揚げ一ケ月分でどうだ!」

「うっ」
油揚げという単語にタマモが反応を示した。

(よし、あともう一押し)

その時

ガチャッ

扉が開いてしまった。

「先生〜」

シロが入ってきたのだ。シロは抱き合っている俺達を見て・・

「おい、シロ待「あーーーーーーーーー!!」・・・って」
(ダメだ。終わった・・みんなが階段を駆け上がってくる音が聞こえてくる)

「短い人生だったなあ」
俺は今から自分の身に起こる事を想像し、自分の死を悟った。

「・・シマ」
「ヨコシマ!」

「ん、何だ?別れの言葉か?」

「違うわよ!助けて欲しい?」
コクコクコクコク
俺は無言のまま何回も頷く。

「よし、それじゃあヨコシマは何も喋らないでね」
そうこうしているうちに美神さん達がやって来た。


美神さんは、まずシロに気付いて声をかけている。他のメンバーはすぐにこちらに気付いてみたいで、ものすごくビックリした表情をしている。そして遂に美神さんもこっちに気付いた。

「な、ななな、何をしてるの!あんた達」
その言葉を聞き、タマモが立ち上がる。

(頼むぞタマモ、何とかごまかしてくれ。何だったら幻術でも使って・・・)
そんな事を考えていながら俺はタマモの第一声に注目した。

「ヨコシマのバカ!」

「はっ?」

「私、初めて(←キスの事)だったんだからね。もっと優しくしてよ(←キスの事)。でも・・・これで私はヨコシマのものだね☆」

俺はタマモが何を言ってるのかが理解できなかったが、部屋中が殺気に満ちてきてるのは肌で感じることができた。

「それじゃあ、汗かいたから(←風邪の熱で)シャワー浴びてくるね」
そう言い残してタマモは殺気で満ち溢れる屋根裏部屋から出ていった。
これから起こる事を予想してかヒャクメもタマモと一緒に出ていった。

バタンッ

扉が閉まると同時に各々が何かの準備をし始めた。

ブウン
「美神さん、なんで神痛昆を最大出力にしてるんですか?」
ピュリリリー
「おキヌちゃん、何故ネクロマンサーの笛吹いてるの?」
バシュッ
「シロ、なんだその見たこともないくらいの大きさの霊波刀は?」
チャキッ
「小竜姫様、どうして神剣を構えてるんですか?」
ジャキン
「ワルキューレ、銃口が俺の方向いてるのは偶然か?」
ガシャコン
「マリア、いつのまに最終兵器に改造されたんだ?」
ブワア
「冥子ちゃん、式神がやけに興奮してるけど、どしたの?」

俺の質問に対して皆さんの答えは・・・

「極楽に逝かせてあげるわ!」

「横島さん不潔です!」

「先生を殺して拙者も死ぬでござる」

「仏罰です!」

「地獄に落ちろ!」

「横島さん・どこに・堕ちたい?」

「うわ〜〜〜〜ん!!!!」


ドカバキボグドゴベキメキザンガスビキペキドンパンミシバシ、ドッッッッゴ〜〜ン!!!!
「ご、誤解や〜〜〜〜〜」
その日美神事務所から屋根裏部屋は消し飛んだ。


〜事務所一階〜


タマモはシャワーを浴びていた。
「ふ〜っ、気持ちいい」

上からはこの世の終わりが来たかの様な爆音が聞こえてくる。
「思った以上に凄いわね。・・・だいじょーぶよね、ヨコシマだし」
(ごめんね、ヨコシマ。今度は私が看病してあげるから)

タマモは先ほどヨコシマと熱い口づけを交わした唇をそっと触り
「たまには風邪ひいてみるものね☆」

       END

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