ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その30)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(04/ 2/ 1)

「ぐっ・・・。」
激痛に耐えながら、その場で動かないように姿勢をとる横島。
そして、両手に霊力を集中させる。
「サイキック・フィールド、最大出力(フルパワー)!!」
ヴォォォォンッ!!!
普通のサイッキック・フィールドよりも大きいサイキック・フィールドが横島の目の前に出現する。
『グギャァァァァァァ!!!』
大きな叫び声を上げながら、2匹の竜が横島のサイキック・フィールドに激突する。
ドゴォォォォォォォォ!!!!!!
巨大な激突音がドーム内に響く。
「ぐっ!!」
伝わってくる衝撃を必死で耐える横島。
ミシッ!ビシッ!
骨が軋む音が横島の体からする。
その音がする度に、横島は激痛を感じていた。
「ぐ、ぐぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
グォンッ!!
横島は最大出力のサイキック・フィールドに霊力を注ぎ込む。
『ギャァァァァァァ!!!』
ヴォォォォォォォン!!
2匹の竜は向きを変え、ドームの天井に向かっていく。
そして、ドームの天井に激突した。
ドゴォォォォォォォォォ!!!!!
爆発が起き、天井の一部分が崩れ落ちた。





「ぐぅっ・・・・。」
その場で片膝をつく横島。
「横島クン、大丈夫か?」
「大丈夫・・・って状態じゃねぇな。今ので、結構霊気を消耗しちまったみたいだ・・・。」
弱弱しい笑みを浮かべる横島。
「お前はどうなんだ?」
「フン、君のような化け物じみた体じゃないんでね・・・。」
「絶体絶命ってワケか・・・。」
「あぁ・・・。」
横島と西条は、攻撃の姿勢をとる。
「さぁ、バルドルフ。かかってきな。」
「僕たちは、そう簡単には死なない。」
「・・・・・。」
しかし、バルドルフは横島と西条を見てはいなかった。
バルドルフは、地下ドームの出入り口の方を見ていた。
「・・・・来たか。」
バルドルフの言葉と同時に、何者かが地下ドームに入ってきた。
「西条さん、横島さん!大丈夫ですか!?」
「横島っ!!」
「「あ、アリス王女、リナ王女!」」
横島と西条は驚いた。
捕まっていたはずのアリスとリナが、この地下ドームへとやって来たからだ。
「な、何故ここへ?」
西条はアリスに聞いた。
「何だか嫌な予感というものを感じたんです。」
西条と横島が無事だということを確認したアリスは、ホッとした表情をする。
「横島っ!」
リナは横島の元へ駆け寄る。
「横島、大丈夫?」
「大丈夫ですよ、このぐら、イテテテ・・・・。」
脇腹を押さえる横島。
「もしかして、骨が?」
「ちょっと、油断しただけっスよ・・・。」
ニコリと笑う横島。
「ゴメン、横島。私のために・・・。」
リナの顔が悲しい表情になる。
「な〜に、リナ王女のためなら骨の1本や2本ぐらい・・・。」
「横島・・・。」






「貴方が、アメリヤにとりついていたバルチザン家の怨念?」
アリスが聞いた。
『・・・・名を名乗れ。』
バルドルフは言う。
「・・・メタリア王国第一王女、アリス・レア・メタリア。貴方は?」
『・・・我が名はバルチザン王国初代国王、バルドルフ・ドティル・バルチザン。』
バルドルフは、大剣の先をアリスに向ける。
『お主には怨みは無いが、メタリア家の者である以上、お主には死んでもらう。』
しかしアリスは少しも表情を変えず、バルドルフに言った。
「アメリヤを、返してもらいます。」
バルドルフは、自分の足元に倒れているアメリヤを見る。
『この娘か、いいだろう。』
そう言ったバルドルフは、剣を振り上げる。
『助けてみるがいい。死を覚悟してな!!』
ヴォンッ!!
「!!」
バルドルフはアリスのいる所に向かって剣を振り下ろす。
「くっ!」
アリスは間一髪それを回避する。
『逃さん!!』
バルドルフは大剣を振るう。
しかし、アリスはなんとか避ける。
その後もバルドルフは何回も大剣でアリスを攻撃する。
しかし、アリスはそれを回避し続ける。
『どうした?かかってこないのか?逃げているだけしか能が無いのか、お主は。』
バルドルフはアリスに言う。
(あと少し、あと5メートル!)
アリスはバルドルフの攻撃を避けながら、アメリヤがいる場所へと近付いていく。
GSではない普通の人間であるアリスは、バルチザン家の怨念であるバルドルフに勝てるわけがないと分かっていた。
そのため、アリスはバルドルフの攻撃を避けながら、そのバルドルフの足元で倒れているアメリヤの傍まで移動し、救出しようと考えた。
「どうしたのですか?全然当たっていませんよ。老眼にでもなったのですか?」
挑発するアリス。
それもバルドルフに、アメリヤの傍に行くために攻撃を避けていることを気づかれないようにするための作戦である。
『ほう。そのような口が言えるか!』
バルドルフは攻撃のスピードを上げる。
ヒュッ!ヒュッ!
なんとかそれを避け続けるアリス。
(あと3メートル!)
『・・・。』
バルドルフは動きを止めた。
(攻撃の手が止んだ。今だ!)
ダッ!
アリスは瞬時に駆け、アメリヤの傍に移動する。
「アメリヤ!!」
その時、アリスとアメリヤを黒い影が覆う。
アリスが上を見上げると、真上にバルドルフの持つ大剣の剣先があった。
「!!」
『死ね。』
ヴォンッ!
バルドルフは、大剣をアリスに突き刺そうとする。
「お姉ちゃん!!」
リナが叫ぶ。






ヒュッ!
「!!」
その時、風を切る音がした。
ズゴォン!!
バルドルフは、地面に剣を突き刺した。
『・・・・。』
しかし、そこにはアリスとアメリヤの死体は無かった。
バルドルフはゆっくりと大剣を抜き、呟いた。
『エリッサ・・・。お前か。』
「・・・・・。」
バルドルフから離れた場所に、アリスとアメリヤを抱きかかえたエリッサがいた。
『ふんっ。』
バルドルフはゆっくりと大剣を振り上げる。
その時、
ダンッ!ダンッ!
銃声が辺りに響いた。
『・・・・ダンテ。貴様もか。』
「・・・やはり、精霊石弾は効きませんか。」
銃口から硝煙が出ている拳銃を持ったダンテが呟いた。
『このような弾、我には効かん。』
バルドルフは言った。
その足元には、ダンテが撃った2発の精霊石弾が転がっていた。
『どうやら、お前たち2人も死にたいようだな。』
「すでに死は覚悟していますよ。」
ダンテは言った。
『・・・よかろう。その言葉に偽りがないか確かめてやろう。』
バルドルフは、体の向きをダンテの方に向ける。
「偽りはありません・・・。」
ダンテはベレー帽をとる。
すると、穏やかな目が鋭くなり、額には血管が浮き出る。
「これ以上傷つく人を増やさないためにも、僕は貴方、いや貴様を殺す・・・・!!!!」


魔族の衝動を解放したダンテ。
果たして、勝算は?


続く

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