赤い青春とちっぽけな蛍
投稿者名:SooMighty
投稿日時:(04/ 1/29)
東京タワー街灯の下で力尽きてく虫けら。
でも、今の私を、精一杯短いながらも生きた虫けらは
誰にも消せはしないはずだ。
結局私も太陽にはたどりつけなかったけど。
夕焼けのような赤い青春をメラメラと燃やしたから・・・
ヨコシマという街灯に火をともすことができたから・・・
何も悔いは無いわ。
お前は・・・これから先も生きてね。
私を失った悲しみに負けないで、虫けららしくわめいてもがいて
生きてね。
その強さはあの夕焼けと同じくらい赤く美しく強いんだから。
夕焼けと虫けら おまけ 〜赤い青春とちっぽけな蛍〜
ヨコシマに霊基構造の全てを与えた私はもはや今にも消えてしまいそうだ。
もはやどうあがいても私は助からないだろう。
「あーあ。やっぱり太陽にはたどりつけなかったか。」
でも言葉とは裏腹に何も悔しくなかった。
むしろ気分は晴れ晴れしい。
私は美神さんやメフィストより間違いなくヨコシマの
心に強く強く焼き付けたはずだ。
それだけでもう後は何もいらなかった。
「寿命のことも解決してもらったのにね。
ゴメンね、ヨコシマ。
やっぱり私はこういう生き方しかできない
のかもしれないわ。」
「虫けらは虫けらでしかないのかもね。
でも、虫けらだからこそヨコシマと
結ばれたってこともあるから・・・
今はこんな自分に誇りすら持ってるわ。」
空はいつものように赤く美しかった。
「あの時もこんな赤色だったわね。」
そしてまた、夕焼けが世界をメラメラと燃やす。
「ふふ、もうそろそろかな。
私も私の青春も燃えて消えるのも。」
消える前にひとつだけ言っておきたことがあった。
「夕焼けさん。もしこれから先ヨコシマが
私を振り返ったりした時は1つだけ教えてあげて。」
「虫けらは不器用にわめいてもがき苦しんで、それでも
強く生きていけることを。そのちっぽけな虫けらは誰にも消せないのよ。
・・・なーんて全部ヨコシマが教えてくれたことだけど。」
もちろん夕焼けは何も答えなかった。
ただ変わらず世界を燃やしていた。
「ふふ、ありがと、夕焼けさん。」
でも、なぜだかお礼がいいたかった。
私の体から光が溢れ出した。
もうさよならね・・・ヨコシマ。
「あの時もこんな燃えるような赤い空だったわね。
まるで私の青春みたいに。」
「昼と夜の一瞬の隙間。 本当に一瞬しか見れないから綺麗・・・」
ポウっ
ひとつの光が消えた日、なぜかその日は夕焼けが長く顔だしていたという。
いつもよりメラメラと赤く美しく。
END
今までの
コメント:
- お久しぶりです。
ちょっと間が空いてしまいました。
また微妙な作品を仕上げてしまいました。
よろしければ読んでくださいまし。 (SooMighty)
- 一部のセリフ以外ほぼ原作そのままの流れながら、ルシオラの内面がよく現れていて感涙を禁じ得ません。
ところで、「一鳥二石」はネタですか? (U. Woodfield)
- >U. Woodfieldさん
読んでくれてありがとうございます。
一鳥二石は素で間違えました。
学がない証拠ですね。 (SooMighty)
- って間違えて賛成に入れてしまいました。
もうグチャグチャですね。 (SooMighty)
- では、その賛成票いただきます。
ほぼそのままと言える原作の流れの中にルシオラの内面の感情をはさむことにより、その心が伝わってきます。
ただ、ちょっと前半部の原作中の描写が丁寧すぎたように感じました。
もう少しコンパクトにまとめても良かったと思います。 (灯)
- はじめまして。
今読んだところですが素で泣きそうになりました。初めてアシュ編を読んだような感覚になります。
この場面を書いた作品はたくさんありますが、個人的にはベストです。
ルシオラ視点の語りと情景描写がキました。ありがとうございました。 (lulu)
- >灯さん
賛成票頂いてくれてありがとうございます。
もうちょいコンパクトでもよかったですかね?
どうしてもくどくどとやってしまう癖が出ちゃうんですよねー。
僕がコンパクトにまとめるとただの手抜きになることがほとんどなので。
>luluさん
初めまして。
そこまで感動してくださると僕も凄く嬉しいです。
しかもベストとまで言ってくれるなんて本当に感激です。
でもこれ読み返してみると誤字脱字が多すぎですね。
もうちょいチェックしてから投稿することにします。
ありがとうござました。 (SooMighty)
- 遅刻すいません、ヒロです。
前半部分、ルシオラの内面が丁寧に描かれて、こうなんと言いますか・・・切なくなっちゃいますね〜そこはかとなきダークさと見事にマッチしておりました。いいですね〜。
でも夕焼けと虫けら(後編)でも素に返る横島クンは、その前文にある怯えている横島クンとちょこっと矛盾が出てきてしまうかな〜と(ごめんなさい)
いや、そんな些細なことはいいです。要するにいい作品だと(強調)切なかったです。悲しかったです。でも、いいお話だったです、と。
であであ〜これからも頑張って下さいませ〜 (ヒロ)
- >ヒロさん
感想ありがとうございます。
たくさん褒めてくださって嬉しいです。
これからもご期待に沿えるようがんばります。 (SooMighty)
- SooMightyさんはじめまして、たかです。
とてもよかったです。他に言い表せない自分の学の無さが憎い。 (たか)
- >たかさん
ありがとうございます。
具体的に言えなくてもそのお言葉だけで充分嬉しいです。
読んでくださってありがとうございました。 (SooMighty)
- 恐らくその赤い空はかつてない妖怪と悪霊の暴動で燃え上がった夜空だったのでしょうが、最期を迎える彼女の姿を夕日のように照らしていた事だろうと思えました。
彼女が横島への想いを託した赤い空は彼にこれから何を伝えて行くのだろう・・・そんな事をしみじみと考えさせられます。 (フル・サークル)
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