ザ・グレート・展開予測ショー

夕焼けと虫けら(前編)


投稿者名:SooMighty
投稿日時:(04/ 1/29)


街灯の下で羽をピクピクさせ、今にも死にそうな虫けらを見つけた。

おそらく灯の熱にあてられたのだろう。

その虫ケラは死を否定するかのようにもがいていた。

だが、数分後には力尽きていた。



ふと、こいつの人生や青春って一体なんなのだろうかと思った。

太陽に飛び立つ為に羽を広げていたのに、

現実は小さな街の、小さな街灯で生を終える。

この虫けらがただ目的を果たす為だけに作られた自分の姿と妙に重なって見えた。



やるせなくなり、この世で唯一好きな夕焼けを見上げたが答えはなかった。











夕焼けと虫けら(前編)















私たち三姉妹、ルシオラは2ヶ月程前にベスパとパピリオは一ヶ月程前に
アシュ様に作られた。

なにやらアシュ様の望みを叶える為に魂を加工した結晶体を手に入れる為だ。
その望みが何なのか、メフィストという前の部下の因縁の話とかは
何も聞かされてない。
ただ目的を遂行するために作られた道具にそんな話は無駄だと判断したのだろう。


強大なパワーを持つために私たちの寿命は極端に少なくされた。
一年しか生きられないし、他の生物と違い死ぬまでこの姿だ。


生まれて1ヶ月間は何の疑問も感じずに任務遂行のために頑張って
生きてきた。

だけど最近ここ1ヶ月は考え事をして塞ぎこむようになってきた。


『何の為に生きているのか?』『このまま何も変わらず朽ちていくのか?』


こんな事が毎回出掛かり、すぐ消える。
憂鬱の毎日を悶々と過ごしている。



正直、生みの親を悪く言うのも何だが、私はアシュ様を
憎んでいる。
唯の道具で一生を終えるはずの私たちに、なぜ「感情」というこんな厄介なものを
持たせたのか?
こんなものがなければここまで苦しまないでいられたのに。



だけど、ただ機械のように黙々と任務をこなすだけの自分も
嫌だった。
これから先夢のような事が起こり、楽しい青春を味わえるかもしれない。

心のどこかでそう思ってる自分もいるのだ。
私は誕生して間もないが思考や恋愛観は年頃の女性だ。

『冗談でもいいから一度くらい夢を見たい。』

ただ、それもこの先10ヶ月しか生きられないのでは望み薄であろう。
大体そうなるために努力する権利すら、アシュ様に封じられている。



結局、今与えられた仕事を確実にこなし、アシュ様のために貢献する。
私たちの存在意義はそれだけで、それ以上も以下もない。










そんなことを思いながら、幾度目かの夜を越えた。

























今日は妙神山を壊滅させた。
あっちとは兵器の質が雲泥の差なので神族の連中を殲滅
させるのは簡単だった。

ただ途中でベスパの妖蜂たちがコントロールされなくなったのが
気になった。
それと、パピリオがペットとして連れてきた新顔のペス・・・
だったけ? とにかくそいつが行方をくらましていた。

霊力は大したことないからそんなに気にする必要はないとは
思うんだけど・・・




「どうしたんだ? ルシオラ、難しい顔して。」
考え事をしている私に声がかけられた。

「いや、ちょっと気になることがあったんだけど
 大したことじゃないから。」

「まーた、難しいことを考えてたんだろ?」

「そんなことないわよ。」
からかうように言ってくるベスパに
笑いながら答えた。

「だけど作戦も順調に進んでるよな。後はメフィストの
 生まれ変わりを見つければ、アシュ様の願いも達成
 されるな。」

「そうね。」
ただそれが達成されるイコール私たちの寿命なんだけどね。
私はそれを思うと素直には喜べなかった。

「そんな顔するなよ・・・ルシオラ。」

「え・・・」
面食らった。まさか顔に出してるとは思わなかった。

「寿命の事で悩んでたんだろう? 確かに私たちは
 使い捨ての道具かもしれない。それでも私は
 アシュ様に感謝しているよ。たった1年とは
 いえ、生きることができるんだから。
 それに・・・あの方はなんとなくだけど
 私たち寿命の事も考えた上でやっているというか・・・
 うまくはいえないけどさ。」

「・・・」
私はただ黙って話を聞いていた。

「まーとりあえずさ、今の仕事をやっつけないと
 どうしようもないよ。まだ1年なんて先の話だしさ。
 悩んでても仕方ないよ。」

「ん・・・それもそうね。ありがとうベスパ。」

「じゃあ私はシャワーでも浴びに行くから。あんたも
 汗流した方がいいんじゃない?」

「私は今作ってる兵器が完成したら浴びるわ。
 今浴びてもどうせこいつのせいで2度手間に
 なりそうだし。」

「わかったよ。じゃあお先〜」

そういってベスパはシャワールームに向かっていた。



強い子だ・・・本当にそう思う。
あの子だって寿命の事は少なからず辛いと思ってるはずだ
それでも小さな羽を広げてはばたこうとしている。
私は正直アシュ様はそこまで慈悲深くないと思っている。
任務が無事成功しても、迷わず私たちを消すだろう。
ベスパはおそらくアシュ様に対して信頼、尊敬の他に
『愛』という感情も持っているだろう。

ベスパの中にも葛藤はあったはずだ。
あの子だってバカじゃない。
それでも強い信念に支えられて生きているのだ。
本当に強く、そしてなにより羨ましい。


でも・・・






ベスパの言うことは理屈ではわかるが、本能では理解できなかった。
所詮飛べる虫には飛べない虫の気持ちは決してわからないと思う。
それにこの気持ちまではアシュ様の道具ってわけにはいかない。



そんなに簡単に割り切れないのだ。
まだまだ苦悩の日々は続きそうだ。












パチン!









私は頬を叩いて憂鬱な気分を払拭させた。

「とりあえずベスパの言うとおり今、目の前の事
 を片付けないとどうしようもないわね。」

まだほとんど割り切れてないけど、ただの空元気だけど
どこかの偉い人が空元気でも『元気』は『元気』だって
言ってたような気がするし。無いよりはマシなはずだ。


兵器の完成を急いだ。
今作っている兵器が完成すればメフィストの捜索も
ぐっと楽になるだろう。



今日は徹夜かな・・・
まあ好きな夕焼けを見れるからいいんだけど。














とりあえずメフィストの転生先を見つける兵器は出来た。
名前は「みつけた君」。いかにも適当につけましたって感じだけど。

名前を言ったときはベスパもパピリオも笑ってた。
気持ちはわかるけど、別に1、2回程度しか使わない兵器程度に
カッコイイ名前を考えるのも面倒臭かった。

だからこれでいいのよ。
こいつの分析力ならメフィストの転生先なんか1発で見つかるだろうし。




そんな事を考えていたら間の抜けた声が聞こえてきた。
「あの〜 掃除は終わったんですが。」

ああ、パピリオの新しいペットか。
ポチとか呼ばれてたっけ?


こいつはメフィストの転生先を探しているときに
パピリオが面白がって連れてきた人間だ。

人族がペットにされてるのは初めて見た。
中々シュール光景だ。

パピリオはこいつの事を一段と可愛がっている。
今までのペットには会話ができる種族がいなかった。
お互いにコミュニケーションを図れるというのは精神年齢が
幼いパピリオには凄く新鮮で嬉しいことなのだろう。
それにパピリオの言うことは何でも聞いてあげてるので
パピリオにとっては余計に愛おしいのだろう。




正直、私の目からはパピリオのパワーに怯えて、仕方なく
言うことを聞いている風に・・・いや、十中八九そうなのだろうが
妹の喜んでる顔とこいつの情けない笑顔を見ていると、
ポチがなんとなく憎めなかった。

ひとつ気になるとすれば、こいつは人間にしては霊力がかなり高い。
今までアシュ様を妨害していたゴーストスイーパーという連中の一味かもしれない。

私はまだ半分はこいつのことを警戒していた。
残りの半分はこいつはそれほど害がなさそうという根拠の無い思惑と
任務に対して自分の中で葛藤があることからか、信用していた。




とりあえず何でも言うことを聞いてくれるなら、私もなんかお願いしちゃお。
徹夜作業だったから、「見つけた君」が計算終了するまでは仮眠を
とっておきたいし。



ポチにこの場の後片付けを頼んで、自室で眠った。





 




目が覚めて、時間をみてみると先ほどから4時間ぐらい経っていた。
そろそろ計算も終了しているはずだろう。








部屋へ向かう途中にベスパ達と合流して、中に入ると
思ったとおり計算が終了していた。


画面には60パーセント程の数字と人気アイドルの名前が表示されていた。

あれ? この兵器の分析力でそんな微妙な数字が出るなんて
おかしいわね。

こういった機械の類をいじれるのはベスパとパピリオにはまず無理。
土偶羅様ならできるだろうけど、この作戦の成功を1番願っているのは
この人だ。だからそれもありえない。

ポチが何かした?




いや・・・まさかね。いくらゴーストスイーパーでも機械に強いとは
思えないし、おそらくメフィストの転生先はそれだけ微妙な魂の色を
しているってことなんでしょう。




パピリオとパピリオが捕まえた亀に私が術をかけて変化させたモンスターを
つれていけば、人間達の妨害も簡単に防げるだろう。



パピリオは1年しか生きられない事を知っているのか、積極的に
外の世界に出たがっている。その為にこういった外出の任務は非常に
やりたがるのだ。
私もベスパも特に異論は無く、パピリオに優先的にやらせることに
している。

そして帰ってくる度に新しいペットを連れてくるのだ。


自分が成長できないのなら、せめて他の生物が成長するのを見届けたい
という可愛い可愛い子供心だ。





そんな妹の感性がとても愛おしいかった。













3時間程後にパピリオが帰ってきた。


どうやらあのアイドルは転生先じゃなかったみたいだ。
その為か亀のペットを残してパピリオはさっさと引き上げたらしい。



その10時間後にポチが戻ってきた。
人間達に宣戦布告をするオマケつきで。


これは人間たちが縮み上がって任務がやりやすくなるだろうから助かる。
どうやら彼は本格的に私たちに手助けしてくれるみたいだ。
パピリオはもう大喜びだった。

私はまだ完全に信用したわけじゃないけど。
それでも妹の喜ぶ顔が見れたので心の中でポチに感謝した。





今日は少しだけ劣等感を忘れることができた。























街灯の下でもがている虫けらを見ていた。
必死にもがいているが、誰の目から見てももうじき死ぬとわかる。


なぜ虫けらはあがくのだろうか?
いくら感情が無くとも自分の死期ぐらいわかるはずなのに・・・

もう飛べない羽でなにができるのだろうか。
あがいても無駄なのに何も残らないのに。


その虫けらを見てるとなぜか涙が止まらなかった。












ーーーーーー夢か・・・−−−−−−




随分鮮明な夢だったな。
最も最近は良く見る夢なんだけど。
あの夢が何を意味しているのかはよくわからない。



あ〜結構寝たな・・・おかげでスッキリしたけど。
それにしても時期が時期だけに室内は暑い。

少し涼みに行くためにベランダに出ることにした。
丁度通常空間に出る時間帯だから夕焼けも見れるし。






ベランダの上で涼んでいると広場のほうに誰かやってきた。


ポチが私達の洗濯物を干すためにきたのか。
鼻歌を歌いながら結構楽しげにやっていた。


・・・どうでもいいけどあいつこういう仕事上手なのよね。
ベスパの言うとおり本当に前の飼い主のしつけがよっぽどだったのだろうか。


それに良く見るとなんか変な・・・安っぽい悪の大王って感じの格好を
していた。

私は耐え切れず、笑いを隠そうともせず、ポチに聞こえるように笑い声をこぼした。
ポチも当然気づいてこっちを振り返った。

「なーにその変な格好?まるでどこかの古本屋のコスプレみたい。」
下に降りながら話しかけた。

「ルシオラ様・・・」
ポチは私の質問には答えず、納得のいかなそうな顔でそう答えた。

「ちょっと涼みに来たのよ。丁度異空間から通常空間に出る時間だし。」
戸惑うポチを気にせずに喋り続けた。

「それに・・・この風景が見れるしね。」
そう、私がこの世界で唯一と言ってもいいぐらいの好きなもの。



夕焼けだ。





「へぇー、綺麗ですね。」
ポチもここの風景に心を打たれたのか、口を開けながら魅入っていた。

「昼と夜の一瞬の隙間、短時間しか見れないから余計に美しく見えるのよね。」

そう短時間しか見れないのだ。

だからこそ輝く。

単純な見た目の美しさも好きだが、なによりもその生き様というのも変だが
そういったものに惹かれる。

限りなく短い時間でも、強く強く世界を焼き付ける、美しい赤色。
夕焼けは自分が短い時間にしか顔を出せないと知ってても『何か』
を残そうともがいてメラメラと赤く世界を燃やすのだろう。

なんてそういうわけのわからない、しかも勝手なことを考えてる。
これは夕焼け本人に聞かないとわかんないわね。

・・・なんてちょっと危ない妄想ね。夕焼けに感情なんかあるわけない
のに・・・



その夕焼けの中でポチと色々話した。
私達の寿命、パピリオの気持ち等を。
裏切らないように釘を刺すことも忘れずにしておいた。
任務に支障をきたすどうこうじゃなく、今こいつが
いなくなるとパピリオが凄く悲しむからである。

あの子はパワーは一流でも精神的にはまだまだ子供なのだ。
そんな子に別れの悲しみや憎しみを味あわせたくなかった。


日が沈んだので最後にあいつにお礼を言って別れた。
ポチは終始複雑そうな顔をしていた。
特に寿命の話を聞いてからは・・・






今日もなんとなくいい気分で終われた。




















どうも「見つけた君」の調子が悪い。
既に5回目の探索となるが、一向に転生先に
辿りつかないのだ。


その5回目の計算の時は「クワガタ投手」なんて
素人目にみてもこれはハズレだろ〜って思わせる人物が
表示されていた。

メフィストは美しい女魔族だと聞いている。直接は見たことないが・・・
その転生先が男でしかもお世辞にも美形とはいえない人物が出てくる
なんて・・・

クワガタ投手のファンの人が聞いたら殺されそうだわね。


とはいえ表示されたからには行くしかない。
万が一ビンゴってことも有り得るだろうし。







とりあえずベスパが行くことになった。
なぜかポチを同伴させて。

最近ポチも一緒に連れていくことが流行っている。
こいつが来てから家事のことで手を焼かなくても済んだし
パピリオの面倒も良く見てくれてるので、仲間と認めはじめて
きたのかもしれない。


一応、警戒はしているものの、こいつ自体には害は無いというのは
わかりきっていた。
















2時間後、ベスパが帰ってきた。

「今日のターゲットはどうだった?」

「今日もはずれだねー。やっぱり機械故障してるんじゃない?」

「私もそう思って調べたんだけど特に異変は無いのよねー。
 ところでポチは?」

「ああ、あんたの作ったザコモンスターと一緒に置いてきたよ。
 じきに戻ってくるだろ。」

「そう・・・ん、なんかレーダーに反応があるんだけど・・・」

「え?ポチが戻ってきたんじゃないの?」

確かにポチの反応もあるのだが、その後ろに空母と思われる反応もあった。」

「ポチの奴、どうやら尾けられてたみたいね。」

「一応あいつのボディーチェックしとくか。」

そう言っている間にポチが入り口に戻っていた。
ポチの体を調べてみるとやっぱり発信機が付けられていた。

「何スか!? これ!!」
尾けられていたポチ本人が一番驚いていた。

「あんたは尾けられてたんだよ。」
ベスパがそれだけいって艦首室に戻っていた。

私とポチもそれに続いた。





どうやら相手の戦力は空母と戦闘機が一個師団といったところか・・・


はっきりいって負ける気はしなかった。
そんな程度の兵器でどう渡りあうのだろうか。
人間の科学力なんてたかが知れている。
火力勝負なら逆立ちしてもこっちの方が圧倒的に上だ。



空母には1人の女が立っていた。


何やら降伏しなさいとか叫んでいたが、そんなもの当然聞くわけに
いかない。

と思ったらなんか多くの一般人と思われる人間がいた。
それを確認したポチは青ざめて、「おばはーん!!」
とか大声で泣きながら叫んでいた。

・・・どうやらポチの人質みたいね。


土偶羅様は気にせず攻撃をしようとしたが、
その瞬間ポチは凄い速さでどっかに行ってしまった。




「あーあ、ポチ可哀想・・・」
私は一言土偶羅さまにそう言った。

「なんでじゃー!! ポチの身内がどうなろうと
 ワシ等の知ったことではないだろ!!」

土偶羅様がそういったらパピリオが凄い勢いで怒り出した。
ベスパも文句を垂れていた。


結局土偶羅様はその場を収集させるためにしばらく様子を見る
ことにした。なんだかんでいい人だ。
とりあえずパピリオがポチを慰めにいったのでこの件はもう大丈夫
そうだ。


それにしても気になるのはあの女だ。
どこかで見たような気がする。

ポチはどうやらあの女とは知り合いみたいだ。
状況から見て仲間なのだろう。
おそらくポチはこっちの動向を探るスパイだ。
私は瞬時に理解した。
しかもポチをそのままこっちに残していると
ころを見ると、どうやら捨て駒に使ったみたいだ。

ポチも私達と同じなのだ。
ただ目的を果たすための道具。


街灯の下の虫けらと何も変わらない。
その事を思うと、あいつが不憫だった。
いやそれよりもポチと私の姿が重なって嫌な気分になった。

その為か私はパピリオよりも速くポチのことを庇ったのだ。
自分でも驚いているが・・・


そんなことを考えてるとポチが戻ってきた。

なんか感激しているみたいだった。



半分は自分の為にしていることだから
そんなに感激されても困るんだけど・・・





そんなことを考えてる間にも敵は迫ってきた。
戦闘機の群れが統率のこれた動作で逆天号を囲んでいく。


下ではあの女が何か矛みたいな物を出していた。



下に気を取られてる間に視界が奪われていたみたいだ。
何かを散布したみたいだ。


・・・どうやら霊力を帯びた霧だ。
レーダーも砂嵐しか映せなくなっていた。


ただ視界を奪っただけでどうすることもできないだろう。
なんせ火力が違いすぎる。

視界の外から何をされようがこの船は堕ちないだろう。
所詮人間の科学力なんてたかが知れてる。


そう思っていた矢先だった。

相手の恐ろしく高出力なビームが逆天号の横をかすめた。
気のせいか断末魔砲とひどく似てたような気がする。



こっちも焦って断末魔砲を撃ちかえした。


・・・だが相手に当たった気配は全く無かった。
それどころか反撃され、今度は思い切り直撃した。


さすがの逆天号もこれだけ高出力の攻撃には何発も耐えられない。
しかも最悪なことに異空間に潜伏するための装置も今ので破壊された。



「こりゃあ、やられるぞ。」
ベスパがそんなことを口にしたが、正にそのとおりだ。

相手の正体もわからない、視界は完全に奪われている。
下には相手の本体も残っている。
退路も絶たれた。どうしようもないぐらいに追い込まれている。




とりあえずここから脱出しないとどうしようもなさそうだ。

「ポチ! ちょっと一緒に来て。」
私は彼に手伝ってもらおうとなぜか直感的に思った。






































































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