ザ・グレート・展開予測ショー

非日常(3)


投稿者名:ゴン太
投稿日時:(04/ 1/21)

今回の視点は横島と同じクラスの生徒にしてありますのであしからず


俺たちは、由香ちゃん(という名前らしい、顔は童顔で可愛らしい。スタイルは背は小さめなのに胸がなんとも・・・ダイナマイト!!)の説明を聞いていた。
内容はなんでも由香ちゃんが悪霊に襲われたのを助けられたらしい。・・・『あの』横島に!?いや〜ビックリしたね、というかこいつGSだったっけ?今おもいだした。どうやら周りも同意見らしくザワザワしている。


・・・それにしてもすごい人数だな、何人あつまってるんだこれは。このピクピクしている男がそんなに影響力があるとは思えない・・・・・・事もないかな。

理由はなんとなくわかるが、横島の周りには自然と人が集まる。

なぜなら横島は馬鹿みたいに明るい。こいつが学校にいるだけで学校全体が明るくなると思うぐらい、周りに影響が出るほど明るい。

それに認めたくないが優しい。普段はそうじゃないけど、どうしてもこまってる奴はほっとけない(とくに女)。

そしてなんていってもバカだ!だから上のことだってできるんだろう。

「ふむ、ということは別にやましいことはなく、ただ助けられたのでお礼みたいなつもりで弁当をわたしに来たということかな。」

喧騒がおさまってくると、俺たちの担任の先生が由香ちゃんにそう聞いた。

「えっ、はい。そうです。」

たどたどしく答える由香ちゃん。何だか守ってあげたくなるような子で何ともかわいらしい。なんでこんなかわいい子が横島なんかに!?

「だから違うって言っただろうが!!何で人助けしてお花畑にいかなならんのだ。」

おっ、横島復活か。相変わらず非常識な回復能力だな。

「あっ、横島さん。気付いたんですか。」
「ああ、渡し船のおっさんが『向こう岸への輸送料をよこせ』って言ったんだけどさ金がないって言ったら『貧乏人がここにくんな』だってさ。喜ぶべき事なんだろうけど・・・なんだかなぁ。」

うなだれ涙を流す姿はとても同じ学生とは思えん痛々しい姿だな。
GSは金の入る職業だって聞くが、周りの奴ら見てるとどうもデマみたいだな。

「あっ、あ〜横島君人助けしたなんて青春ね〜」
「そっ、そうですよ。横島さんすごく立派ですよ、同じGSとして鼻がたかいです。」
「その通りジャー横島さん。」

見ていられなかったんだろう、素早くフォローをいれる愛子、ピートにタイガー。
しかしピートとタイガーは『貧乏人』に共感したのか少し涙混じり。声震えてるぞ。

「俺(わたし)は信じていた(わ、よ、ぞ)!横島(君)!!」

よけい暗くなってしまった空気を盛り上げようと横島の近くにいる奴らが努めて明るく言う。

「ほ〜、じゃーどうして俺はこんなにボロボロになってるんだろ〜なぁ?」
「ハハハ・・、ナンデダローネェ?」
「片言でしゃべるな!目をそらすな!!俺が人助けしておかしいか!?」

怒って返してくる横島の言葉に無意識のうちについつい頷いてしまう。恐るべき横島マジック!?

「だあぁあ〜、最近は真面目にしとったやないか。」

そう、最近横島はセクハラまがいなことをしなくなった。それ以前に出席日数が危ないと言われてもギリギリまで来なかったくせにここのところ学校によく来るようになった(そのかわりバイトがきついらしが)。これには俺もみんなも不思議がった。

「表では真面目にぶって、裏で悪いことしてるんじゃないかな?と」

今の言葉はその不思議現象に対するいくつかの仮説の内の一つだ。

「なっ!?、そんなことするかぁあーーー!。俺が真面目になったらいかんのかぁーー!!、横島は一生ギャグじゃないといけないとぬかすか〜!!!俺の人権を返せ〜〜!!」

わめき散らし激怒する横島。まぁ当然のことだろう、それにしても横島は怒っても怖くないな。むしろ笑いを誘っているような・・・・・・


―――とその時、ずっと傍観していた由香ちゃんが動いた。

「あの、横島先輩。あのときは助けてくれてありがとうございました。」

その声は、小さく・・・この騒々しい中では本当に小さく何をいっているか聞き取りづらかった・・・・・・が、

―― ピクッ ――

「あ〜、いいよいいよ。お礼は前で聞いたし・・・それより弁当、ホントにいいの?」

――― って何でお前は聞こえてるんだ ―――

ついつい突っ込んでしまったが、周りもきっとそうだろう。あんなにうるさい中・・・っていうか騒ぎの張本人があんなに小さい声を聞き取ること・・・いや耳にさえ入るはずがない・・・ないのに・・・・・・こいつって奴はいったい何なんだろうな。まったく呆れるを通り越して尊敬しちまうぜ。

「はい。・・・・・・おいしくないかもしれないけど・・・」

そんなことない、そんなことないぞ由香ちゃん。味なんか関係なく君が作るってだけでそれだけでいいんだ!!
横島!!お前なんかが食うのは勿体ないが由香ちゃんを助けたって事で許してやる。味をかみ締めて食いやがれ!!

「こらうまい。こらうまい。・・・・・・・・・はぁ〜うまかった。助かったよ、今月ピンチでさ。」

――――食べきるまでの所要時間13秒・・・・・・・・・・・・・・・こいつぶん殴ってもいいですか・・・!!
くそ〜何でこんな奴が・・・由香ちゃんだって・・・なっ!なにー!!どうしてだ!どうしたんだ由香ちゃんッ!なぜ頬をうっすら染めているのですかッ!!
あんなデリカシーのない食べ方のどこが〜〜!!・・・・・・ご飯をかき込むところか?・・・・・・はっ!もしかして『こらうまい』がポイントですか!?


んっ!?どうしたんだ由香ちゃんは?そんなにモジモジし・・・て・・・・・・まさか!!

「あのっ!横島先輩!!私・・・先輩のこ「「「「「駄目だーーーーーー!!!!!」」」」」
「うわっ、なんだよお前等!?」

言わせん!それだけは言わせんぞ!!男の嫉妬が醜かろうが何だろうがそれだけは言わせん!!!横島の非人間的な聴力も何とか防げた。やったな、同士達!!

・・・・・・それにしても今少し女子の声も入っていたな・・・。愛子と小鳩ちゃん赤くなってるな・・・他にもいるし、やっぱりあいつ結構モテるんだな。でも、あいつ全然気づいてないんだよな。悔しいから教えてやらないけどな。

「ごめん。いま何を言おうとしたのかな?」

――― カァ〜 ―――

「ぁ・・・・・」

どうやら思い出したようで真っ赤になってうつむいた。一度勢いを削いでしまえば大丈夫だ。フフフ・・横島、俺たちがいる限りいい思い何てさせやしないぞ!

「?・・・とりあえず本当に弁当ありがとう。とてもおいしかったよ。」
「!!・・・嬉しいです。・・・・・・まっ、また作ってきましょうか。」
「えっ!?いいの!頼める!?」

―― ギュッ ――

・・・なんてこった!隙をつかれてしまった!!手を握るな横島ーー!!由香ちゃんも嬉しそうに答えないーー!!!


・・・・・・制裁だ!制裁を加えなければ!!裏切り者には制裁をーーー!!!
さあ、今立ち上がれ。ゆこう同士達よッ!。裏切り者には死をーーーー!!!!!


結局この日の午後の授業は、横島の疑惑騒動の追及で終わってしまった。

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