ザ・グレート・展開予測ショー

非日常(2)後編


投稿者名:ゴン太
投稿日時:(04/ 1/17)

「――ふざっけるなッ!!!」

横島は、許せなかった。
横島も守りたいものがあったから。だからあまりに身勝手な悪霊の考え方が許せなかった。
悪霊になった時点でまともな考えができるわけがないことも知っている。そしてこの悪霊の思いが強いことも知った。

力の強さはこの世への未練の強さ、この悪霊の彼女への思いはとても深い。
だからその思いが身勝手な欲望に変わり彼女をきずつける事は認められない。
そこには、後悔しかないのだから。


・・・・だから俺はお前を止めるよ。お前には俺みたいに後悔してもらいたくないから・・・それに・・・それにっ!誰かが死ぬのはもう見たくないから!!
・・・・俺は守れなかったから・・・・・・『あいつ』を助けられなかったから・・・
・・・あんなに悲しいのは、悔しいのはもういやだからもう誰かが俺の手からこぼれ落ちるのはいやだから

―――― もう誰もこぼさない ――――

悪霊が横島に肉迫し右の大振りを横島の顔面に叩きつけようとする。

『オオオォォーーッ、死ネェーー!!』

横島は悪霊の拳よりも速く日本刀の形状を取る霊波刀を顔前にもってくる。
拳を受けた霊波刀は、何もないかのように微動だにしなかった。ただ、拳だけが霊波刀に触れた所から二つに分かれ浄化されていった。

『ギィヤヤャャーーッ!!』

勢いにまかせた右腕は消えていた。

『ウデガー!ウデガー!!』
「お前は極楽にいくんだ。その方がお前のためにも・・・」
『イヤダー!由香チャントズット一緒ニイルンダー』
「はぁ〜どう言っても無理か。」

霊波刀を上から下へ、一直線に振り落とす。

――― ズバァー ―――

『アアアァァーーー・・・』
「・・・あっちでよ〜く考えて反省しろ。礼は生まれ変わったときに聞くからさ。」


―――――
―――




私は、彼のあまりの違いに驚いた。
彼のことは…横島先輩のことは、知っているから。

 〈由香の心中〉

横島先輩を知ったのは、友達が、バレンタインの日に『ピート先輩にチョコをあげたい!』って言ったから。
ピート先輩のいる教室に行くと唖然とした。そこには、アイドルのように女の子に囲まれチョコを渡されるピート先輩がいたから。
隣の友達は、というと炎を背に、人の波に体を押し入れていた。
ピート先輩は、よく雑誌なんかに取り上げられています。なんでも〈GS界の期待の新人ルーキー〉だとか。
他にも、前にアシュ…?なんとかっていう強くて怖い悪魔をGSの人たちが退治したときも、ピート先輩は活躍したって雑誌で読んだこともあるからこの人気もわからないこともないかな?

まだまだ帰ってきそうにない彼女を廊下で待っている間、教室の中を見渡したときに初めて横島先輩をみたんです。

そのとき先輩はわら人形を打ち付けていました。
醜い嫉妬心をおもいっきり外に表している姿は見られるものじゃなかったけど同じクラスの小鳩ちゃん、さらに古い机にすわっていた先輩がチョコをあげると先輩は固まったんです。文字どうり。

私は、驚きよりもどうしてこんな人に?っていう疑問が先に来てしまって固まっているこの人のことを観察してみたもののどこがいいのかさっぱり、よけいわからなくなっちゃった。
あっ、やっと動き出したみたい相当驚いたの・・ね・・・。


――― すごい笑顔 ―――  (コミックス31巻【ザ・ライト・スタッフ】参照)


私は友達が来るまでボーってしてたみたい。それは小鳩ちゃんと机にすわっている先輩も同じ、あと他にも何人か。

それから友達に聞いて先輩のことを知った。
名前は、横島忠夫っていうこと。どういう人かは・・・・・まっ、まぁ〜嫌われてはないみたい。呼称の多さにはビックリしたけど。曰く【永遠の煩悩男】とか【歩く妊婦製造機】などなど、これ以上はちょっとここじゃ。

でも嫌われていないのはよくわかるの。先輩は人を引きつける力をもっているもの。

あの笑顔を見たとき分かったの。先輩の優しさが・・・暖かさが・・・。
先輩の大きな魅力だって。

でも先輩がピート先輩と同じGSだってことには驚いちゃたな。

一度見てみたいなって思ってはいたけどまさかこんな形でなんてね。なんだか戦っている姿より逃げ回ってるほうが自然と想像できたのに本当だったんだ。

学校のときと全然ちがうんだね、本当に驚いちゃったな・・・・。


―――
―――――

「大丈夫?」
「・・・・はっ、はい。」
「そっか、よかった。」

助けられたうれしくて満面の笑みをもらす横島をみて頬を赤くそめる

「あのっ・・・・・・」
「はぁ〜、美神さんおこってんだろうな〜。んっ、どうかした?」
「あの・・・、ありがとうございましたッ!!」
「!?・・・はははっ・・そんなに意気込まなくてもいいよ。とりあえずこの近くにICPOの事務所があるからそこにいこう。」

ふるえている由香に横島はできるだけ気を遣って優しくしゃべりかける。
そして横島は大嫌いなキザ男に向かって足を進める。
それは今や鬼とかしているであろう上司にも向かっていることにもなるが。
表面上は笑って、心で泣いて地獄に向かって歩をすすめる。





後日談
人助けしたにも関わらず横島君はしっかり上司から愛?の鞭うけましたとさ。がんばれ横島まけるな横島、きっといつかいいこと・・・・・・あるのかな?

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