ザ・グレート・展開予測ショー

パートナー


投稿者名:BOM
投稿日時:(04/ 1/15)


「これで終わり?」
「ええ、もう修行も終わりです。ですが彼らのように柔軟にはいかないと思いますよ?」
「それでも大丈夫よ。で、戦況は?」
「まだ続いてると思われます」
「OK!それだけ聞けば十分よ!」
「あっ!?ちょっと待って美神さん!私たちも、って・・・行っちゃった・・・」

ダダダダダダッ!

私は走る。高ぶった精神を抑える為に。一刻も早く横島クンの所に行くために。
・・・待って?何で私はそんなにアイツのことを気にしてるの?
そりゃあアイツだって確かに前よりは使えるようになったけど・・・そんな気にするほどでもないでしょ?
大体行動が勝手すぎるのよ!今回だっていきなり仕事休んでこんなトコまで来て!
人にムダな心配かけさせるんじゃないっての!おキヌちゃんがいなくなってアンタまでいなくなって・・・

「・・・結構・・・寂しかったんだから・・・」

!?え?何今の?もしかして私今寂しいって言ったの?横島クンがいなくなったぐらいで?
そんなことあるわけ・・・あるわけないじゃない!私は美神令子よ?1人ぼっちの寂しさなんていくらでも乗り越えてきたじゃない!たかが丁稚の1人がいなくなったぐらいで、寂しいなんて・・・寂しいなんて・・・

「こ、今度は何?え?な、涙!?何でこんな時に?」

いきなり私の目から流れ出たのはちょっとばかり塩辛い涙。
・・・でも、流れる涙は温かくて、それでいて心地よくて・・・
そう言えばさっき小竜姫が言ってたっけ、

『彼だってもうGSなんですよ?あなたのために強くなろうとしているのがわからないんですか?』

あれが本当なんだとしたら、もしかして横島クン、私を守る為に?
そう考えると、今回の勝手な行動も許せるかな?まあ私に心配かけたことは許せないけど。
うん、何でなんだろう?

「・・・嬉しい・・・」

何だろう・・・今まであまり感じたことのない、優しい気持ち・・・
言葉には簡単には表せれない、この気持ち・・・
もしかしたらコレが、『コイゴコロ』ってやつなのかな?・・・まさかね・・・

そう思いながら夢中で走る私の目の前に、妙神山の玄関が見える。
向こうから聞こえる爆音、なぜか聞こえる鬼門達の悲鳴、それにあの声は・・・横島クン!

「早く、早く行かなきゃ!横島クンが!」

そう言って私は涙を拭き取る。こんな顔、今は誰にも見せられない。私らしくないでしょ?
さっき感じた『コイゴコロ』みたいなのはもう心の奥にしまっておく。
そんなモノを持って行ったって、今は邪魔になるだけ。
今は真っ先にアイツの・・・横島クンの所に行かなきゃ・・・

そう言えば、横島クンは私の何なんだろう?
使い勝手の言い丁稚?単なる従業員?いつもセクハラしてくる煩悩の塊?
・・・どれも違う気がする。強いて言うなら・・・相棒?
その言葉が一番合うような気がする。いつも私と一緒にいたアイツ。
一番最初に出逢った、そしてこれからもずっと一緒にいるはずの、私のパートナー。

扉の向こうからは誰かのうなり声がかすかに聞こえてくる。

『あのガキ!先に始末しないと・・・!』
「ひ・・・!」

さあ、今行くわよ?
私の・・・たった一人の・・・相棒・・・パートナー・・・

バンッ!

私はドアを開ける。そしてアイツ―横島クン―にも聞こえるように叫ぶ。

「お待ちっ!そいつは私のパートナーよ!断りもなしに、殺させやしないわ!」

来てやったわよ、相棒?





「ダ、ダメだ美神さん!今来たら!」

・・・・・・後からシバいてやる!・・・・・・

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