ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その29)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(04/ 1/12)

ヴォォォォォンッ!!
バルドルフの大剣が横島と西条目掛けて振り下ろされる。
「速い!!」
横島は左に、西条は右に素早く移動する。
ズゴォォォン!!
大剣が当たった所が崩壊し、小さなクレーターみたいなものが出来る。
「なんて力だ・・・!」
驚愕する西条。
バルドルフは2人に休む暇を与えず、大剣での攻撃を続ける。
ブォンッ!ギュオンッ!
「くっ!」
「ちっ!」
バルドルフの攻撃をなんとか避け続ける西条と横島。
「このままじゃやられてしまうぞ!」
「サイキック・フィールド!!」
横島は掌に巨大なサイキック・ソーサーであるサイキック・フイールドを出し、それをバルドルフに目掛けて投げる。
「喰らえーーー!!」
『フンッ!!』
ガキンッ!!
バルドルフは、サイキック・フィールドを大剣で弾き返した。
ヒュウウウウウウ!!
「げっ!!」
凄い速さで戻ってくる自分のサイキック・フィールドを、横島はなんとか避ける。
ドゴーーーーン!!
「うわっ!!」
爆風に吹き飛ばされる横島。
「横島クン!」
西条が叫ぶ。
ヴォンッ!!
「!?」
音のした方向を向く西条。
すると、西条に向ってバルドルフの大剣が迫ってくる。
「な!?」
西条は反射的にジャスティスを抜き、守りの体勢になる。
ガキンッ!!
「ぐぅっ!!」
歯を喰いしばる西条。
『!』
バルドルフの表情が一瞬だけ変わる。
しかし、瞬時に元に戻り、大剣を持った手に力を加える。
『ムンッ!!』
「!!」
更なる衝撃が西条の体を襲う。
「くぅっ!」
その衝撃に耐え切れなくなり、西条は守りの体勢を崩す。
ブゥンッ!!
思い切り大剣を薙ぎ払うバルドルフ。
「ぐぅっ!!」
思い切り吹き飛ばされる西条。
しかし、地面に体を叩きつける前に受身をとった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・。」
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・・・。」
息を切らす西条と横島。
「でかい割に、動きが速い・・・。」
「これがバルチザン王国初代国王の力と言う訳か・・・。」
再び攻撃の体勢になる横島と西条。
その2人を見ながら、バルドルフは言った。
『お主ら、精霊というのを知っているか?』
「精霊?」
『そうだ。万物の物に宿る伝説の神霊だ。』
バルドルフは、左手を前に出す。
『お主らに見せてやろう、その精霊を。』
バルドルフがそう言った瞬間、左手の前に魔法陣が出現する。
『出でよ、炎の精霊"サラマンダー"よ!!』
「「!!」」
魔法陣から、巨大な竜が現れる。
紅蓮の炎のような紅い眼、鋭い牙、紅く燃える体。
『ギシャーーーーーーー!!』
叫び声をあげ、炎の精霊"サラマンダー"は、口から巨大な火球を吐き出す。
ボシュッ!!
「「!!」」
火球を避ける2人。
それを見て、バルドルフはニヤリと笑う。
ドゴォッ!
地面に落ちた火球は、瞬時に炎となって周囲を包む。
「ぐぁっ!」
「ぐぅっ!」
その炎は、横島と西条の皮膚を焦がしていく。
「も、文珠ぅ!!」
横島は"冷"の文珠を使い、炎を瞬時に消す。
『出でよ、水の精霊"ウンディーネ"よ!!』
魔法陣から、全身水で出来た美女ウンディーネが現れる。
ウンディーネは、指先を2人に向ける。
ボシュッ!!
「「!!」」
その音と同時に、ウンディーネの指先から水が凄い勢いで噴き出した。
バンッ!!
「「ぐぁ!!」」
その水を横島と西条はまともに喰らい、壁まで押し流されてしまう。
ドゴォッ!!
「がっ!」
壁にぶつかった衝撃が、横島と西条に伝わる。
しかしその2人の体に、鉄砲水のような勢いの水が体に当たる。
ガガガガガッ!!
水の衝撃と壁に当たった衝撃が、まるでマシンガンのような速さで繰り返される。
それは、横島と西条の体を破壊するのには充分なものであった。
ミシッ!
「ーーーーー!!」
それと同時に、2人の全身に激痛が走る。
2人の肋骨にひびが入ったのである。
そして、
バキィッ!!
「ぐぁあああああ!!」
2人の肋骨が数本折れてしまう。
それと同時にウンディーネは、攻撃を止め、2人を押し流した水は一瞬にして消えた。
バタッ!
地面に倒れる横島と西条。
口元からは、血が流れ出ている。
「ぐ、ぐぐ・・・・。」
ゆっくりと立ち上がる横島と西条。
『ほう・・・・。立ち上がるか。』
バルドルフは言った。
『なら・・・・・。』
バルドルフは、大剣を天井に向って掲げる。
その瞬間、サラマンダーは炎、ウンディーネは水となって大剣を包み込む。
『耐えてみよ・・・。奥義"双竜断"!!』
そう叫び、バルドルフは大剣を振り下ろす。
すると、振り下ろされた大剣から巨大な炎と水の竜が現れる。
『グギャァァァァァァ!!!』
2匹の竜は、横島と西条に向ってくる。
「来るぞ!」
「くっ!」






カッカッカッ!!
地下ドームへと繋がる長い階段をアリスとリナは下りていく。
「リナ!早く!!」
「分かってる!!」
急ぐように階段を駆け下りていく2人。
アリスとリナの2人は、先ほどから妙な胸騒ぎを感じていた。
何か大事な人を失ってしまうような、そんな感覚を2人は感じていた。
(何だか嫌な予感がする・・・。)
リナは心の中で思った。
(早く、早く!!)
アリスは、早く地下ドームに着いてほしかった。
アリスとリナは、この地下ドームへと続く階段を見つけてから胸騒ぎを感じるようになったのだ。
そして、一段一段下りていくごとに、その不安は大きくなっていく。
アリスは、西条と横島に危険が迫っていると感じた。
(西条さん、横島さん、無事でいて下さい・・・。)
アリスは心の中で強く願った。






カチャッ!
拳銃にマガジンを装填するダンテ。
「行くのですか?」
エリッサが聞く。
「あぁ、アリス王女とリナ王女を護衛するためにな。」
ダンテは言った。
「・・・・・。」
「それじゃ、行って来る。」
ダンテは、赤いベレー帽を被り、部屋を出ようとする。
その時、エリッサが言った。
「私も行きます。」
「!?」
「ギルファ様の遺志を継ぎたいんです。」
「まだ西条どのを信用してないのか?」
「私情とは関係ありません。」
「分かった。一緒に行こう。」
「あ、ありがとうございます!」
エリッサはすぐ銀の胸当てをつけ、短剣を手に取る。
「時間がない、急ぐぞ!!」
「はいっ!」
部屋から出るダンテとエリッサ。
向かう先は、激戦が行われている地下ドーム・・・。


バルドルフと戦う横島と西条。
そして、その戦いが行われている地下ドームへと向かう者たち。
今は無きメタリア王国の王女のアリスとリナ。
ギルファの部下のダンテとエリッサ。
そして舞台は、決戦の場へ・・・。


続く

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