ザ・グレート・展開予測ショー

帰還者(1)


投稿者名:よれよれパンダ
投稿日時:(04/ 1/ 6)

 帰還者第一話「帰還」



<美神除霊事務所>

《「今月に入って六件の霊刀による連続辻斬り事件が発生しており、
  捜査の際三人ものオカルトGメンの死者が出ているにもかかわらず、
  まだ犯人の手掛かりはなにも見つかっておりません。
  あっ今、捜査官がでてきました。捜査官!何か捜査に進展は?」
 「ノーコメント!!」
 「三人も部下を失ってどう思われますか?」
 「ノーコメントだ!!道をあけてくれ!!」》

ブチ!!美神がテレビを消し
「西条さんも大変ねーー。犯人は見つからないやら、マスコミにはたたかれるわで。」

「またせっしゃ達の出番でござろうか?」
シロがうれしそうに言う。

「私は嫌よ。」

「なんででござるか?タマモ」

「Gメンが三人も死んでるのよ。ヤバすぎるわ。」

「そうでござるが・・・・」
しゅんとなるシロ、二人の間に重い空気が流れる。

「まあまあ、まだ協力を要請されたわけじゃないんだから。」
おキヌが二人をなだめる。

ガチャ
「おじゃまするわよ。」
美神の母親美智恵が入ってきた。

「うわさをすればなんとやらね。辻斬り事件の協力依頼?ママ」

「辻斬りとはまた別の件での依頼よ、あと横島君のこと。」

「「「「横島(クン、さん、先生)はどこ(ですか、ござるか)?」」」」
美智恵につめよる美神達

「先月ニューヨークで見つかって、それっきりよ。」

「「「「なーんだ。」」」」
いっきに興味を失う一同

「今までに見つかったのは、中国、インド、バチカン、ザンス王国、ドイツ、それに今度 はアメリカですか。なんか色んなところに行ってますね。」

今までの調査で何度か横島の居所をつかんだのだが横島自身の身柄を確保できていない。
そして横島がいなくなってこの一年全く連絡がないのである。

「丁稚のぶんざいで世界中を飛び回るなんて生意気なのよ。」
美神がイラつきながら言う。

『まったく、この子は素直に寂しいって言えないのかしら。』
自分の娘の意地っ張りさにあきれる美智恵。

「結局、進展はないのね。」
残念そうに言うタマモ。

「あらっそれだけじゃないのよ。あとコレ」
美智恵は女性が写った一枚の写真を取り出して、美神達に渡した。

「美人でござるな。」

「スタイルもいいですね。」

「まあ、私にはかなわいけどね。」

「で、コイツだれ?」

「まあ、横島君に一番近い子って所ね。」

「「「「なにーーーーーーーーーーーー!!!」」」」
おキヌやタマモまでもが声をあらげて叫ぶ。

「どういうことよ、ママ」

「知りたい?」

「もったいぶらないでよ。」

美智恵はニヤリと笑い、わざとらしく。
「最近、悪霊が原因不明の大発生をしてるの。Gメンは辻斬り事件の捜査で手一杯でね
その調査をだれかにでやって欲しいのよー。」

「この女の情報の代わりに私に調査しろっての?けど調査はかなり時間と手間がかかるのよねーー。」
心底いやそうにする美神。

「あらっいやならいいのよ。」

「「「美神(さん、どの)」」」
ジーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
美神を見つめる一同

「うーーーーー!!わかったわよ。やるわよやる。やらせていただきます!!!」
写真の女に対する興味とおキヌらの視線によってしぶしぶ引き受ける美神

「じゃあ、調査が終わりしだい教えてあげるわ。」
つまり知りたいならさっさと調査を終わらせろということだ。

「ママの鬼!!こうなったら調査をさっさとかたずけるわよ!シロ!タマモ!おキヌちゃん!」

「「「ハイ!!!」」」
大急ぎで駆け出していく美神達。

「さってと、私もGメンにもどるか。」
『横島君もこんなにたくさんの子に思われてるのに、どこほっつきあるいてるのかしら。』









<成田空港>

 今、一人の男が舞い戻った。彼の名は横島 忠夫

「もう一年になるのか。」
複雑な表情でボヤく

「懐かしいの?それにしては浮かない顔してるけど。」
尋ねたの美智恵の写真の女性
肌が透き通るように白く金色の髪を腰まで伸ばし十人中十人が美しいと言うような美女だった。

「まあ、色々あるんだよ。」
横島はそっけなく言い、そして黙った。
『一年間一度も連絡してなかったからな会ったら殺されるかも』
どうやら美神たちに会った時のことを考えているようだ。

女が沈黙に耐え切れなくなって口を開いた。
「それにしてもあれね、日本の空気はみそ汁くさいって聞いてたけど違うのね。」

「クリスに聞いたのか?」
横島は笑いながら尋ねた。

「ええ、ということはいつものアレ?まったくあの子にも困ったものね。間違ってることを人に平気で教えるんだもの。」
女も笑いながら答える。クリスという人物のことはいつものことらしくあまり気にしていないようだ。

「許してやれ、あいつに悪気はないんだから。」

「あの子の場合、悪気はないからタチが悪いのよ。」

「確かに。」
横島の顔が苦笑いになる。どうやら横島にも苦い経験があるようだ。

「けど、あの子も大変ね。出国手続きかなり手間取ってたみたいだけど。」

「あの国ではかなりの重要人物だからな。」

「普段のあの子を見てたらそんなこと忘れちゃうけどね。」
女は笑いながら言う。

「さてっと、やることやっとかないとな。」
どうやら美神たちに会う覚悟が決まったらしい。

「俺は知り合いにあいさつしに行くよ。お前は住居を用意しといてくれ。」

「あなた日本に住んでたんじゃないの?」

「ボロアパートにな、それに一年も家賃払ってないんだ。もう解約されてるよ。」

「なるほどね、わかったわ用意しとく。」

「頼む」
そう言って二人は空港をあとにした。

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