ザ・グレート・展開予測ショー

私は…


投稿者名:浪速のペガサス
投稿日時:(03/12/20)




私は誰……?



気がついたら私は追われていた

私には記憶がなかった

正確には「前世の明確な記憶」が無かった

覚えていることは数少ない

自分が何者かと言うこと

自分が忌むべき存在だと言うこと

明確に覚えていることはこの二つだけだった

まず前者

その気になれば私はなんにでもなれる



私は



私であって



私ではない



言い得て妙だった



私って何?



私は私がわからなかった


そして後者

自分が忌むべき存在なのはあながち間違いではない

しかし

目覚めたばかり私にはそれは耐えられなかった



なんで私は憎まれなきゃいけないの?



私は私もわからないのに…



その結果人間を憎むことで私は私を肯定した

自分が憎まれる者のならば憎まれてやろう

だから私もアンタたちを憎んでやる

自分で言うのなんだけどあの頃私はさびしかった

自分であの頃の私はかわいそうだとも思う

私は私を他人から肯定してほしかった



憎まれるではなく



暖かさをもって



ぬくもりをもって…








自分がわからないのに憎まれて



自分をわかるために憎む



しばらくはそんな日々が続いた

けれど

そんな日々もある日終わりを告げた

ソイツらはいつもの人間のように私を祓いにきた

私は私でまたかと思った

コイツらを憎んで化かしてやる

そう思ってた

けれど途中私は不覚を取った

もうだめだと思った

結局私は私をわからないまま死ぬのかと思った


悔しかった


けれどソイツらの仲間の一人が私を助けた

あろうことか怪我まで治してくれた

ご飯もくれた

私は不思議に思った


こいつ私が嫌いじゃないの?



私が憎くないの?



何故?



何故?



何故…?



助けてくれた奴は言った

辛かったなって

わけもわからないにこんな目に合わせてゴメンなって

私は思わず泣きそうになった

現世に転生して初めて人に優しくされた

照れ隠しで私はソイツとソイツの連れを化かした

お陰でソイツらは風邪をひいた


悪いことしたな…


私は感謝と謝罪をこめて薬をやった

煎じて飲め、と


私の中で何かが変わった…








しばらく放浪した後私はソイツらと再び出会った

私はなるたけ冷静に勤めた

その時は馬鹿みたいにうるさい、挑発的な犬もいたけれど

しばらく会話をした後私はソイツらと同居することになった

そのほうが双方の安全の為だ、と

正直私はこいつらに興味が出てきたんだ

「人間」に興味が出てきたんだ

そのための学習もかねて

だから真実は半分ホント、半分ウソ

まぁ、きつねうどんが魅力的だったのも正直な気持ちだったけど







いろいろなことがあった

本当に…いろいろなことがあった

ソイツらといるうちに私は変わった

コイツらは何の打算もなく一緒にいてくれる

私を「九尾の妖狐」としても「私自身」としてもみてくれる


嬉しかった


ついに私は



私の中で



私を見つけた



私は今なら自信を持って言い切れる

私は私だ

他の誰でもない

九尾の妖狐の私も私

今此処にいて馬鹿やってる私も私



私は私




私はタマモ




タマモなんだ



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