ザ・グレート・展開予測ショー

〜 『マリアとキスと煩悩少年』 〜


投稿者名:かぜあめ
投稿日時:(03/12/16)


なんてストレートな題名・・。たまには他のカップリングも書こうかなと思いました(笑)
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窓の外から、雨音が聞こえてきた。

目を開けた途端、広がった天井。
部屋のそこらかしこには、スポーツ誌やら、なにやら(詳細割愛)が錯乱していて・・

見覚えのある・・というよりは、ありすぎるその光景に・・・・

(・・なんだ?・・オレ・・寝てたのか?)

横島は、のんきに一つあくびをする。
そういうことなら仕方ない。せっかくだから、もう一寝入りしようか。

思いながら、彼は、再びうとうとし始めて・・・

・・・・・・?

そこで気付く。
頬に感じる・・なんだかひどくやわらかい感触に・・

・・・・・・。


「・・えっと・・オレの間違いじゃなければ、ここは・・オレの部屋だよな?」


「イエス・横島さん。」


「・・で・・なんでここにマリアが居んの?・・ってかどうしてオレはひざ枕されてんの?」


「・・・・・。」


「・・あの〜・・マリアさん?」


「一言で・説明するのは難しい・です。」


「・・そうなのか?」


「イエス・横島さん。」


・・・だそうである。

予定変更。せっかくなのでもう少し、この感触を楽しんでみようか。

・・・・・。

「??なんで・ひざに頬を・すりつけますか?」


「・・・・・すいません。」

「?」



〜 『マリアとキスと煩悩少年』 〜


@子犬が川に流されていた。
      
Aそれをマリアが岸沿いに追いかけていた。

B追いつけない。

C水の中に飛び込もうと思った。

D次の瞬間、ドボンという音がして、何かが、マリアより先に川へと飛び込んだ。

E・・で、さらに次の瞬間、子犬が中空へと舞い上がり、それを彼女がキャッチする。

Fさらにさらに数秒後、バンダナを巻いた水死体のようなものが川から浮かび上がった。


「・・いや、水死体って・・。」

事の顛末を説明すると、こういうことになるらしい。ヒーローが屍と化すところ以外は、なんだかドラマみたいな展開。

現在、横島はふとんの中で横になっている。
どうやら、真冬の川に飛び込んだため、風邪をひいたようだ。

「・・オレでも、熱出すことってあるんだな〜」
いつもなら、ここで事務所の誰かがつっこんでくれるのだが・・生憎、ここは自宅である。

・・マリアは・・と見ると・・

彼女は(人で言うなら)オロオロした様子で、台所にたたずんでいて・・

「・・どした?」

「横島さん・これでは・何も作れません。」
からっぽの冷蔵庫を指差しながら、そんなことを言う。

「・・・うちには食材がないからな・・。」

「そう・なのですか?」

「・・そうなのです。」


・・・・。
・・・・・・。

会話終了。
とりあえず不毛だ。それもこの上なく・・。

ここまで話しにくい相手というのも久しぶりだった。


「え〜と・・メシはとりあえずいいよ。ありがとなマリア。」
頭をかきながら、そう伝えると・・

「イエス・横島さん。」
・・なんていつもの調子で答えた後、彼女は枕もとに正座して・・、

「・・・・。」
瞬きもせず、こちらを見つめてくる。

・・・・。

(・・・な・・なんだ?新手の遊びか何かか?)

横島はあせった。
あ〜・・だの、う〜・・だの、うなってみるが、その先に言葉がつながらない。

・・仕方がないので、先刻から聞きたくてウズウズしていることを尋ねてみる。


「・・あのさ、マリア。」

「?」

「さっきの犬・・助かったんだよな?」

なにしろ、反射的に飛び込んで、ブン投げたような気がするので・・ほとんど覚えていないのだ。
(なぜか、犬が空中を旋回するというシュールな図が頭に残っているのだが・・気のせいだろう。)
それ故、かなり気になっていた。

「イエス・先ほど・飼い主の方に・届けてきました。」

「・・そっか。で・・、今度はオレを家まで届けてくれたんだろ?」

「イエス・横島さん。」

淡々とした様子で・・しかし、彼女は少しだけ微笑んで・・
・・そのギャップになんとなく苦笑してしまう。

「?どう・しました?横島さん。」

「・・んにゃ・・マリアは優しいな・・。」

シロやタマモにそうするように・・頭を軽く撫でてみた。
・・感謝の意味もこめて・・

・・・・。

しかし・・目の前の彼女は、

「?」

やっぱり不思議そうな顔で、自分のことを見つめるだけ。

こういう変化球のような感情表現には慣れていないのだろうか?
礼を言うならもっとストレートに・・・

・・・・。


・・そこで・・


・・・・・。

・・横島はなんとなく、いたずら心をくすぐられた。・・好奇心と言ってもいいかもしれない。

半分はきちんとした感謝の意味をこめて・・
もう半分は・・単純にどうなるのか見てみたかったから・・。

今考えれば、とんでもないことだ。・・きっと・・そうだ。あの時は熱で意識が朦朧としていたから・・。

・・・だから・・。

「横島さん・どうしまし・・・・・・・?」

彼は、マリアの額に顔を近づけて・・・、

「・・・。」

「・・・あ・・。」


・・・。

・・・・・。



――事務所――

「うああああああああ!!!バカかオレはぁ!!なんてことしちまったたんだぁぁぁ!!」

後悔。
もう、メッチャメチャに後悔しながら、横島はうめくように頭を抱えていて・・
・・というより、
マリアはあの後、逃げるように横島宅から走り去ってしまったわけで・・(彼にとってこの反応は予想外だった)

「横島さ〜ん。おかゆできましたよ。ちゃんと食べ・・・」

「・・なんでキスなんてしちまったんだろ・・。」

おキヌが近づいてきたことにも気付かず、横島はぼんやりとそんなことをつぶやく。

瞬間。

・・・・・・ピシッ!

「?・・あれ?おキヌちゃん?なんで氷づけに・・っておキヌちゃん!?おキヌちゃぁぁぁん!!」



――カオス宅――

「・・ただいま・戻りました。ドクター・カオス。」

「おお、マリア。小僧の容態はどうじゃた・・って・・・・・おおっ!?」

カオスは瞬間、飛びすさった。
マリアが体中から熱を発している。

・・あれだ・・オーバーフローというやつである。

「な・・なんじゃ・・どうしたマリア?顔が赤・・・・」

「ド・・・ドクター・カオス・・・・・ノ・・ノイズ・が・・。」

「ノイズ?何を言って・・。」


数秒後、マリアの脳内メモリーには、一人の青年の姿が浮かび上がって・・。


・・横島さん・・。

・・・。

プシューーーーーーーー!!!

・・・ぱて。


「あああああああああ!?マリア!?
 お・・おい!!大家のばあさん!!大変じゃ!!マリアが!!マリアがぁぁぁ!!」


・・・まだまだ夜は長そうである。


〜おしまい(笑)〜

『あとがき』

すんません!!オレがバカでした。バカぁぁぁぁぁ!!!(爆)

というわけでラブコメ・・ですか?この作品は・・(笑)
横島×タマモよりもさらにマイナーな横島×マリアという・・需要あるのかな・・ちょっと不安です。

会話をなるべく多めにしてみたんですが、どうだったでしょう?
横島くんは不純なのではなく、自分の気持ちに気付いてないだけなんです・・多分(笑)
次回は、「聖痕」の5話目です〜。それでは〜

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