ザ・グレート・展開予測ショー

満月の夜は


投稿者名:BOM
投稿日時:(03/12/12)


満月の夜は、何だか気分がいいんでござる。
体を動かして、走り回りたくなるんでござる。
でもそれ以上に・・・先生に、逢いたいんでござる。

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            満月の夜は

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まだ7時。先生の家に行っても大丈夫でござるな。
早速行くでござる!

「あれ?シロちゃん何処行くの?」
「ちょっと先生の所に行ってくるでござる!」
「え?ちょ、ちょっとシロちゃん!?今からご飯・・・って、行っちゃった・・・」

おキヌ殿、何であんな顔してたんでござるか?
う〜ん、わからんでござる。ま、それはともかく、早く先生の家に行くでござる!



カンカンカン・・・
階段を登ったら先生の部屋の前に着いたでござる。

すうーっ、はぁーっ。

一回深い深呼吸をして、先生の部屋のドアを開けたんでござる。

がちゃっ

でもそこには、先生がいなかったんでござる。
いつも感じる、先生のにおいが全然しなかったんでござる。

「・・・・・・」

拙者は諦めながら階段を下りて、仕方なく美神殿達の待つ事務所へ帰ろうとしたんでござる。
でもその時、

「シロ?何でここにいるんだ?」

一番聞きたい声、一番逢いたい人― 横島先生 ―の声が聞こえたんでござる。

「先生っ!」

拙者は勢いよく先生の胸に飛び込んだんでござる。

「お、おいっ!?シロっ!?」
「先生?何で部屋にいなかったんでござるか?拙者心配したんでござるよ?」
「何でって・・・メシ買いに行ってたんだよ、ホラ」

そう言って先生は「かっぷらぁめん」を見せたんでござる。
それで先生が部屋にいなかった理由はわかったんでござるが、何ででござろう?
何故か無性に腹が立ったんでござる。「かっぷらぁめん」が拙者より大切なんでござろうか?
だから拙者は先生にこう言ったんでござる。

「せんせ?」
「ん、何だ?」
「散歩行こっ!!」

ずどっ!

「・・・先生?なんでコケたんでござるか?」
「ア、アホかーっ!?何でこんな夜に散歩しなきゃならんのだっ!?大体、メシも食ってないんだぞ!?」
「先生は・・・先生は・・・『かっぷらぁめん』の方が拙者より大切なんでござるか?」
「何でそーなるっ!・・・ってかその上目遣いで涙目になるのはよせーっ!」
「せんせえ〜?」

(ア、アカン。このままやったら理性より煩悩の方が勝つのも時間の問題やっ!・・・仕方ない・・・)

「わかったわかった!明日いつもの2倍散歩してやるからとりあえず今夜はおあずけ、なっ?」
「ダメでござるーっ!今でなきゃイヤでござるーっ!」
「わかったよ!じゃあ3倍っにしてやる!なっ?」
「そんなそんな・・・え?」

くしゃっ。
くしゃくしゃくしゃっ。

先生が拙者の頭を優しく撫でてくれたんでござる。
何でかは知らないけど先生に撫でられているとだんだん気持ち良くなってくるんでござる。
散歩なんてすっかり頭から消えてたんでござる。

「な、シロ?明日の散歩でいいだろ?」
「・・・せんせ?」
「何だ?」
「散歩はいいでござる。その代わり・・・」
「え?い、いいのか?散歩は・・・」
「もっと拙者の頭を撫でてて欲しいんでござる!」
「撫でるって・・・こうか?」

くしゃくしゃくしゃ・・・

くぅ〜ん。気持ちいいでござる〜。骨抜きにされるってこういう事をいうんでござるかな〜?・・・あっ!

「先生、月が見えるでござるよ!満月でござる!」
「ん?おお、キレイだな〜」

先生が仰る通り、空に浮かぶ満月はいつもよりもキレイだったんでござる。
先生に頭を撫でられながら見る満月は、いつもよりもキレイだったんでござるよ。



満月の夜は、何だか気分がいいんでござる。
先生に頭を撫でられながら2人で見た、あの満月を思い出すから。

満月の夜は・・・

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