ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫を手に入れろ!(2)〜敵戦力を把握せよ!〜


投稿者名:誠
投稿日時:(03/12/ 4)




事務所は最早『ここは魔界です』と言われても信じてしまいそうなほど異様な雰囲気だ。

睨みあう二人の女子高生、足元には首のひん曲がった男・・・。
この状態はいつまで続くのだろうと令子がため息をついたその時事態はさらに思わぬ方向へと進んでいく。

突然部屋の扉が開きシロとタマモが入ってきた。
散歩を終えて満足げなシロ、そして散歩につきあわされて疲れているタマモ・・・。

「ただいまでござる!」
「・・・ただいま。」

二人の超感覚が部屋に入った瞬間に『ここは危険だ!』と警鐘を鳴らす。
本能とは裏腹に二人は金縛りにあったかのように動くことができない。
だが、シロは床に倒れている自分の師を見つけて駆け寄った。

「せ、先生〜〜〜大丈夫でござるか!誰がこのようなことを・・・。」

シロは横島を抱えて犯人を探そうとしているかのように周りを見渡す。
しかし、部屋に入った時とは比べ物にならないほどのプレッシャーが彼女を襲う。

「シロちゃん?横島さんをはなしなさい・・・。」
「そうよ、誰に断ってお兄ちゃんに抱きついているの?」

二人の狩人の眼光に怯えるシロ。だがここでついにこの事務所の主が動く。

「ちょっとあんた達いいかげんにしなさいよ!ほら、ママも何とか言ってよ。」

突然美智恵に話しを振る令子。

「う〜ん、そうね・・・。じゃあここはやっぱり横島君になんか言ってもらわないとね〜。起きてるんでしょ!横島君!」

美智恵の言葉を聞いて立ち上がる横島。

「はい!起きておりますです!隊長!」

おキヌ、ヒノの側からすかさず離れる。やはり怖かったらしい。

「は〜〜〜、横島君。今日はもう帰ってもいいわ。このままだと本当に事務所が魔界に沈むわ。」
「はいっ!分かりました美神さん。では、また明日!」

ゴキブリのように逃げていく横島。

「で、お主は誰でござるか?」
「ああ、わたしはヒノ。美神ヒノよ。」
「拙者は犬塚シロ。横島先生の一番弟子でござる!」

とりあえず自己紹介を済ませるヒノとシロ・・・。

「弟子ね。じゃあわたしは恋人って事で・・・。」
「ちょっと待ったでござる!先生は拙者と夫婦になるに決まっておるでござる!」
「まちなさい!横島さんはわたしと・・・。」

睨み合うヒノ、シロ、おキヌ。

「あらあら大変なことになってるわね〜〜〜。令子?あなたは参戦しないの?」
「ふん!なんでわたしが!・・・ってあら?タマモはどこに行ったのかしら?」

相変わらず言い争いをしている三人。だからタマモが横島と共に事務所を脱出したことに気づかなかったのだ。




「ふう、ここまで来れば大丈夫だろう。」
「そうね、ねえ横島なんか飲み物持ってない?のど渇いたわ。」
「持ってない・・・ってなんでおまえまでいるんだ?タマモ!」

横島は隣に座っているタマモを発見して驚く。

「ああ、事務所の空気がやばかったからわたしも避難したのよ。」

そう言ってタマモは立ち上がり近くにあった自動販売機でお茶を買った。

「う〜む、確かにあそこに長くいたら精神崩壊が起こってしまいそうだしな。」
「そうよ。なんであんなことになってたの?」
「それがおれにもよく分からないんだが・・・。」

事の次第をタマモに話す横島。

「ふ〜ん、それは大変だったわね。・・・飲む?」
「サンキュー。」

疲れた顔をした横島に自分が飲んでいたお茶を差し出すタマモ。
横島もそれを受け取り、残り少ないお茶を飲み干す。

「・・・間接キス。」
「ブハッ!ゴホッゴホッ・・・」

いたずらっぽく微笑んでつぶやくタマモとそれを聞いて吹き出す横島。

「ふふ、冗談よ。」

横島の口の周りをハンカチでふくタマモ。
不覚にも横島はドキッとしてしまう。

端から見ると結構なかの良い兄妹かカップルに見えるだろう。
だが、端で見ているのが二人を知っている者だったらどうだろうか?

「横島・・・まさかおまえがロリコンだったとは・・・。」
「横島さん。氷室さんという者がありながら・・・。」

そう、雪之丞と弓の二人がこの光景を見ていたのだ。

「ち、違う!おれはドキドキなんてしてない!おれはロリコンじゃない!これは誰かの陰謀なんや〜〜〜!!!」

ドップラー効果を残して走り去る横島。

「逃げましたわ!雪之丞あの浮気者に天誅を加えますわ!」
「浮気者って・・・。まあいい。そろそろ奴とは決着をつけないといけないと思っていたところだ。」

横島の後を追っていく雪之丞と弓のカップル。

後に残されたのタマモは・・・。

「チッ、邪魔が入ったわね後ちょっとだったのに・・・。」

事務所へと帰っていった。





「あ〜〜〜もう!せっかくお兄ちゃんに会ったのになにもアピールできないなんて!!」

美智恵の家に帰ってきたヒノは怒り狂っていた。

―――スッパーン―――

「落ち着きなさい。まだ戦いは始まったばかりよ。」

美智恵が神通ハリセンでヒノをど突いて言い聞かせる。

「まず、勝とうと思うのなら敵を知らなければならないわ!全ての基本よ!」

そして美智恵はホワイトボードを用意した。

「まずはおキヌちゃんよ。やはりこの子の武器は家事全般が得意だという事!あなたはどうなの?
「は!得意料理はカレーライスであります!」

―――スッパーン―――

再びハリセンがヒノの頭を襲う。

「んなもん誰でも作れるわ〜〜〜!!」
「カップラーメンの作り方も完璧・・・―――スッパーン―――
「あほか〜〜〜!!そんなんで勝てると思ってんの!!」

ヒノのセリフをさえぎり再びハリセンを振るう美智恵。

「まったく、親の顔が見てみたいわ・・・。」

すかさず手鏡を差し出すヒノ。

「はい、親の顔。あまり怒るとしわが・・・。」
「誰が怒らせてるのよ!!まったくもう・・・おキヌちゃんにはもう一つ武器があるわ。」

とりあえず美智恵は話を戻した。

「むむ、その武器とは?」
「巫女よ!あの巫女服のファンはかなりいるわ!」
「くっ!わたしだって巫女服ぐらい・・・。」
「甘いわ!おキヌちゃんが着てこその巫女服よ!」

ホワイトボードのおキヌと書いてある横に巫女と書き加える。

「次はシロちゃんよ!彼女の武器は無邪気な笑顔よ。横島君の庇護欲がかなりかきたてられているわね!」
「うう、わたしも無邪気なのに・・・。」
「あんた・・・まずは自分を見つめなおした方がいいわよ・・・。しかしシロちゃんには弱点もあるわ。横島君はさすがに彼女ほど小さい子には手を出さないと思うわ。」

ホワイトボードにまだ子供と書き、ニヤリと笑う。

「次は令子だけど・・・まあこの子はいいわ。令子と横島君がくっつくんならわたしは文句ないし。」
「ちょっとママ!わたしはお姉ちゃんが相手でも負ける気はないわよ!!」
「あ〜はいはい。分かったわよ。じゃあ最後に一番の強敵を・・・。」

強敵と聞きビクッとするヒノ。

「そう、最大の敵はタマモちゃんよ!某所に彼女を応援する者がいるわ!」
「なんですって!早く倒さないと!」
「落ち着きなさい!あの男には手の出しようがないわ!奴は今ごろ学校サボって自宅でキーボードを叩いてるはずよ!」
「ママ・・・。それってまさか・・・(汗)。でもそれならタマモちゃんには勝ち目がないじゃない!」

しかし、美智恵はニヤリと笑った。

「大丈夫。奴の秘密は握ってるわ。もし小細工をするようなら・・・。」

勝ち誇る美智恵をヒノは頼もしそうに見つめている。

「さすがママ!勝てる!勝てるわ!」
「そう!負けるわけにはいかないのよ!しかし、ライバルが多いことには変わりないわ。そこで・・・。」

美智恵はヒノの耳元でなにやらゴニョゴニョとささやく。
何をたくらんでいるのだろうか・・・。









横島の無事とタマモの幸せを心の底から願っております・・・。


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