ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫を手に入れろ!(1)


投稿者名:誠
投稿日時:(03/11/30)



この作品は一部のキャラが壊れています。ご了承下さい。







「ほぎゃあ!ほぎゃあ!」

美神美智恵の朝はひのめの泣き声で始まる。

「よしよし。・・・は〜、ひのめ・・・あなたはどんな子に育つのかしら。令子はあんな意地っ張りになっちゃったけど、あなたは素直な子になるのよ。」

美智恵はやさしい顔でひのめに言い聞かせる。

「そして!そして美神家のためにも!横島君を落とすのよ!」

訂正。悪そうな顔でひのめを洗脳しようとしている・・・。

「ふっふっふ・・・横島君の文珠、美神家の血ならば確実に将来彼の力を受け継ぐ者が!そうすればもう六道家も目じゃないわ!ホーッホッホッホーーー!!」

そんな美智恵を見てすくすく成長するひのめ。彼女はどうなってしまうのだろうか・・・。
ひのめは母親に負けずニヤリと悪そうな笑みを浮かべた・・・どうやらもう手遅れらしい(涙)

―――ピーンポーン―――

美智恵は我に返り、ひのめをベビーベッドに置いて玄関へと急いだ。

「はい・・・・・。」

玄関に出た美智恵は絶句した。そこにいた人物を美智恵はよく知っている。
だが彼女がこんな格好をしているとは思えない。

美智恵は数秒の間固まって彼女を見ていたがおもむろに口を開いた。

「れ、令子・・・あんたなんでセーラー服なんか着てるの?」

そう、来客は美智恵の娘令子のようだ。だがどこか様子がおかしい。
美智恵は訝しげに口を開いた。

「令子・・・じゃないわね。あの子より・・・胸が小さい!」

そう、セーラー服を着た彼女は令子よりわずかに胸が小振りだ。

「ちょっと!ママ!それはひどいわよ!後二年もすればあんな姉なんかよりおっきくなるわよ!」
「・・・・・あなたママってまさか・・・。」

その時部屋の奥からひのめの泣き声がしてきた。

「ほら、ママわたしが泣いてるわよ!」

一分経過・・・
二分経過・・・
三分経過・・・

「お〜い、ママ〜。」

動かなくなった美智恵に彼女は話し掛ける。

「あ、あんた・・・ひのめ?」
「そうよ。」

美智恵の問いにあっさりと答えるひのめ・・・。

とりあえず家に入れてドアを閉め、叫ぶ。

「なにしてんのよ〜〜〜!時間移動は封じられたはずでしょ〜〜〜!!!」

パニックに陥る美智恵・・・無理も無い。

「とにかく!早く帰りなさい。」

こめかみを抑えながら美智恵はひのめに元の時間に戻るように説得する・・・が。

「あら、わたしがここにいるのはママの命令よ。」
「へ?」
「ママ、お兄ちゃんを美神家に引き入れなくてもいいの?わたしとママの目的は同じはずだけど・・・。」

ひのめの言葉に美智恵は全てを理解した。

「ということは・・・未来ではまさか?」
「そう、そのまさかよ!」

悔しそうな顔でひのめが答える。そして二人は部屋の隅で密談を始める。

「いい、ひのめ。あなたはわたしの遠い親戚って事で通すのよ。両親と小さい頃生き別れ、そして今回わたしがあなたを引き取った・・・。これでどう!」
「ノープロブレム!マザー!」
「ちなみに今高校生よね?何年生?」
「三年よ!だから来年には卒業してお兄ちゃんと・・・。」

まさに夢見る少女といった感じの表情でなにやら妄想するひのめ・・・。

―――スッパーン―――

美智恵はひのめの頭を神通ハリセンで叩く。

「こらっ!あっちの世界にいってる場合じゃないわよ。今日から!私達は同志よ!」
「イエス!マム!最後に勝利を収めるために!」
「そう!美神の者に負けは許されない!行くわよわたし達の勝利のために!」
「おお〜〜〜!お兄ちゃんとバージンロードを歩むために!」

そして二人は右手を振り上げて叫んだ。

「「いざ行かん!ターゲットは事務所にあり!今こそ我等謀略の限りを尽くし!横島忠夫を・・・・・」」

ここまで言って二人は固まった。部屋のドアの陰になぜか令子がいた・・・・・。
彼女も固まっている・・・。

美智恵とひのめは素早く動いた。ひのめは神通棍を鞭状にして令子を捕らえる。
そして美智恵が前に横島からもらった文珠を発動させる。
文字は『忘』。
すさまじいコンビプレイだ・・・これほど息のあった動きをするとはさすが親子といったところだろうか。



「え〜っと・・・ママわたしは何をしていたのかしら。」

文珠でさっきの出来事を忘れさせられた令子が美智恵に尋ねる。

「いや〜ね〜、令子あなたが勝手にうちに来たんでしょ?わたしにはわからないわよ。あ、そうそう紹介するわ。この子はうちの遠い親戚でヒノちゃんっていうの。ご両親を亡くされて身寄りもないからわたしが預かることにしたわ。」

美智恵に紹介されて令子はセーラー服を着た少女に気がついた。自分に良く似た少女を見て令子は目を見開いた。

「えっと・・・ヒノちゃん?始めまして。美神令子よ。」
「始めまして・・・あの・・・お姉ちゃんって呼んでもいいですか?」

多少上目使いで令子に尋ねるヒノ。心の中では(あんたにお兄ちゃんは渡さないわよ〜〜!)などと闘志を燃やしているのは誰にも分からない。

「ええ、いいわよ。ヒノちゃん。で、ママ?この子を引き取るのはいいけど学校とかはどうするの?」
「この子は三年生だって言うし六道に入れるわ。おキヌちゃんと同学年だしね。」

そう、おキヌは三年生。そして横島は高校を卒業して事務所で働いている。時給は・・・聞かない方がいいと思う(涙)

「わかったわ。でもおキヌちゃんは霊能科よ?」

令子が訝しげに言う。確かに霊能力が無かったらおキヌと同じクラスにはなれない。

「ああ、それなら大丈夫よ。ヒノちゃんも美神の血を引いてるのよ。」
「ふ〜ん・・・霊能力があるのね。」
「そうよ。とりあえずあなたの事務所で雇ってくれない?」

ちなみにこれは横島にヒノを近づけるための最優先事項である。

「お姉ちゃん、お願い。」

目を潤ませて令子にお願いするヒノ。完璧だ!未来で美智恵に様々な技?を教えてもらったらしい。

「わ、分かったわよ・・・。足手まといになっちゃダメよ。」

令子がしぶしぶ了承する。

「「ぃよっしゃーーーーー!!」」

美智恵とヒノが叫び、時が止まる・・・。

「え・・・え〜っと・・・。」
「あ、ありがとう!お姉ちゃん。」

少し苦笑いをする美智恵と無かったことにしようと決めたヒノ・・・。

令子はヒノに抱きつかれながら美智恵になにがあったのだろうかと頭を悩ませていた・・。





「美神さん遅いな〜。すぐ帰るから待っておけって言ってたのに・・・。」
「う〜ん、隊長と二人でどこかより道でもしてるんじゃないか?」

美神除霊事務所の中ではおキヌと横島がソファーに向かい合って座っている。
ちなみにシロ、タマモは散歩に出かけている・・・という事は。

(も、もしかして・・・事務所は今わたしと横島さんの二人だけ?ということは・・・。)

いきなり顔を赤くして俯くおキヌ。

「おキヌちゃん?」
「ひゃっひゃい。」
「どうかしたの?」

心配そうにたずねる横島。おキヌは急いで立ち上がった。

「あ、あの・・・お茶入れてきますね。」

そう言ってキッチンへと向かおうとするおキヌ・・・しかし。

「キャッ。」

何も無い所で見事に滑ってしまう。横島は反射的におキヌを抱きとめた。

「大丈夫?おキヌちゃん。」

横島が倒れかけたおキヌを抱きとめた体勢はお姫様抱っこのような形になってしまっている。

「よ、横島さん・・・ありがとうございます・・・。」
(よっしゃ〜、いける。この体勢から一気にキスまで!)

おキヌはなにやら心では怪しい叫びをあげながら横島の目を見る・・・。
横島もおキヌの目を見つめる・・・。

(あかん!おキヌちゃんに手を出したらおれは本当の外道に!)
(そう!もう少し・・・横島さん!かも〜ん!)

悩む横島、そして煽るおキヌ!横島は欲望に負けてしまうのか?

「なにやってんのあんたは〜〜〜!!」

鋭い突っ込みが横島に入る。そう、対横島の最強の抑止力・美神令子だ。

「全く、ちょっと留守にすると・・・ってヒノあなた何してるの?」

そう、一緒に事務所に来たヒノが吹っ飛ばされた横島に膝枕をしている。
おキヌもいきなり令子そっくりの子が現れたことで驚いているようだ。

「えっと・・・君は?」

横島がヒノにたずねる。後頭部に当たるやわらかい感触に鼻の下を伸ばしているが・・・。

「わたしは美神ヒノって言います。今日からここで働くことになりました。よろしくお願いします。」

そして横島にニッコリと微笑みかける。完璧に猫をかぶっている・・・。

「あ、ああ。おれは横島忠夫。よろしく。」

しかししゃべり終わった横島の頭は大きく移動する。

「わたしは氷室キヌって言います・・・よろしくねヒノさん。」

おキヌは自分の膝の上に横島の頭を移動させてから自己紹介をする。

「おキヌちゃんですか。いい名前ですね。よろしく。」

そう言ってヒノも横島の頭をおキヌから奪う。

無言で横島の頭を奪い合う二人・・・。

―――ゴキッ―――

なんともいえない音がして睨みあっていたヒノとおキヌは下を見る。
そこには首が曲がっては行けない方向に曲がってしまった横島がいた・・・。

「「キ、キャーーーーー!!人殺し!!」」

同時に同じ事を叫んで再び睨みあう二人・・・。
激しい霊気が二人から発せられている。



「まずは上々のスタートよ!次は・・・」

部屋の隅でこれからの計画を立てる美智恵・・・。

その手には

美神美智恵ぷろでゅーす
美神ヒノ 主演
『横島忠夫人生捕獲大計画』

と書かれたノートがあった・・・。



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