ザ・グレート・展開予測ショー

想いが貴方に届くように


投稿者名:gosamaru
投稿日時:(03/11/23)

想いが貴方に届くように


今日、アイツが此処を辞める。

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私には・・・・止められなかった・・・・・。

私の傍に・・・ずっと居てくれると・・・想っていた。

馬鹿な私。

思えば私は・・・アイツに今まで・・・・・酷い事ばっかりで・・・。

本当の気持ちを・・・伝えてない。





「私には・・・・アイツを止める権利なんて・・・・無い。」



心がイタイ。


想いを告げる事は・・・私のプライドが許さない・・・・。

だから・・・せめて・・最高の笑顔で送り出してやろう・・・・・アイツの心の

中に・・・私の事を・・・忘れさせないように焼き付ける為・・・・可愛そうな

・・・私の想いの為に。







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「嫌な天気・・・。」



窓の外は今にも泣き出しそうな空模様。

『雨は嫌いだ。』

辛くて悲しい記憶を思い出させるから。

「はい。美神さん、お茶が入りましたよ。」


おキヌちゃんが、沈みそうな私の気持ちを引き上げる。
おキヌちゃんも寂しい筈なのに、私に気を使ってくれてるのが良く解るだから、何時も以上に、強がってしまう。


「ありがとう。さすがおキヌちゃんよね!グットタイミングよ!。」


そんな私におキヌちゃんは、やさしく微笑んでくれた。
おキヌちゃんからお茶を貰ってるうちに、外では空が泣き出していたらしい。
まるで私の心模様だ・・・。
私が窓の外を眺めていると、おキヌちゃんの声が玄関の方から聞こえてきた。


アイツが来たのだろう・・・・最後の挨拶に。


私は、予感めいたものを感じ鼓動が速くなる。


(大丈夫。私は今まで独りでやって来たんだから・・・・これからも大丈夫・・・・。今度は、ママもおキヌちゃんやシロタマも居る・・・・だから・・・・・
今度も・・・大丈夫・・・)


心が軋み悲鳴を上げるのを、必死で押さえつけ心の底へ沈め、態勢を整えると私の後ろに黙って立つ、アイツを最高の笑顔で送り出してやるためにゆっくりと向き直る。




「気合いれて頑張んなさいよ!!なんたってアンタは私の丁稚なんだから!!」



それだけの言葉に、私の想いを乗せ伝えるのが精一杯。
すぐにアイツに背を向ける・・・・窓ガラスに映る自分の顔を見せたくなかった・・・・視界が滲んでる・・・アイツが何やら言ってるらしいが、堪えるのに必死な私の耳には入らない。



「お世話になりました。美神さんもお元気で・・・・・・・・・・・・・。」




アイツは、挨拶を済ませ此処を離れようとする・・・・引き止めたい・・・・・・・引き止め・・・たい・・・今からでも遅くない。








「アッ!!・・・・アンタも・・・元気でやんのよ・・・。」





私の口から出てきた言葉は・・・・・心にも無い事・・・。
あいつは出て行った・・・。





私はアイツに最高の笑顔を見せて上げられただろうか・・・。
私の想いは・・・少しでもアイツに届いただろうか・・・。




「横島君・・・貴方の事が・・・好きです。世界で一番・・・。」





涙が一滴流れ落ち・・・・私の掌で・・・弾けた。       

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