ザ・グレート・展開予測ショー

Eternal Chaser (前編)


投稿者名:蜥蜴
投稿日時:(03/11/18)


 全2作が好評の為、浮かれて踊るお調子者の投稿3作目、今回は誠さんリクエストのタマモメインの話です。
 やっぱり、前2作とは時系列、設定的に繋がっていません。

 タマモと言えばクール、クールと言えばタマモだろ!? という俺的認識の元、お笑いに傾いている頭を無理矢理矯正。
 ちょっぴりハードボイルド&アダルティーに書き上げてみました。

 筆者脳内のシリアス領域のイタチの最後っ屁。(つまり、二度とこんなの書けません)
 筆者自身何が何やら解らぬ内に、持てる妄想力全てを注ぎ込んでしまった渾身の一作。
 お楽しみいただければ幸いです。

****************************************************





「ぐわぉうあぇあぁあーーーーっ!!!」


 それなりに都会と呼べる街の郊外に存在する廃棄ビル群――

 その廃棄ビルの一部屋に今、二つの存在が対峙していた。

 一つは意味不明の雄叫びを上げる、三メートル程の威容を誇る巨体――俗に悪霊と呼ばれる霊的エネルギー。
 そして、もう一つは黒いライダースーツに身を包んだ、十代後半から二十代前半程の小柄な女性であった。


 女性は悪霊の動きを先読みして巧みに牽制し、膠着状態を作り出している。
 しかし、もはや理性など欠片も存在していない悪霊の方は、その状態にいつまでも耐えられなかった。

「――――――ッ!!」

 彼女が短い息吹を上げ、身体に力を溜め込んだ瞬間、事態は静から動へと切り替わった。

「ぐわぉうあぇあぁあーーーーっ!!!」

 悪霊が雄叫びを上げながら、その巨大な右拳を彼女に向かって振り下ろす。
 当たれば小柄な彼女の体など、血袋の様に弾け飛んでしまうであろう。

 だが、その攻撃は彼女に当たる事無く、耳が痛くなる程の轟音を立てて、床へと突き刺さっていた。
 悪霊の拳が彼女の体に届こうとしたその刹那――――
 彼女は右掌に霊気を集中させた六角形の盾、通称サイキック・ソーサーを展開。
 それを使って逆立ちの体勢で悪霊の表面を滑り、その背後へ抜け出していたのだ。


 危なげなく着地した彼女は悪霊の方へ体勢を整えながら振り向くと、短く叫んだ。

「――炎よッ!!」

 その直後、彼女の頭部を覆う金色の髪――九房の変形のポニーテールに分けられた、その一房が大きくうねる。
 瞬間、悪霊の身体は浄化の炎に包まれていた。

「ぐぎゃぁうあああぁああーーーーっ!!!」

 苦悶の叫びを上げる悪霊へ駆け寄りながら、炎を発したのとは別の一房の先を掴んで、彼女は再び叫ぶ。

「――鋼(はがね)よッ!!」

 一瞬の内に、掴まれた一房の髪は光となって分解し、両刃の剣の姿を取って彼女の右手に再構成される。
 両手でその柄を握りなおすと、彼女は悪霊を右切り上げで斬り捨てた。


「があああああああぁぁぁぁぁっ…………」

「……どんなに力が有ったところで、考える頭の無いバカなんて私の敵じゃないのよ。さっさと滅びなさい」


 断末魔の声を上げ、急速に大気に溶けていくその存在に向かって、彼女は吐き捨てた。


 ――そしてその場は、静寂の闇の中に包まれた。





 悪霊の消滅を確信し、剣を元の髪に戻して緊張を解いた女性の背中に、まばらな拍手の音が贈られてきた。
 心底嫌そうな表情で振り向いた彼女の視界に、彼女と同じく黒いライダースーツ姿の長身の男性の姿が映る。

 彼女の様子にまるで気を留める事無く、お気楽な調子で彼は言葉を発した。

「オーケー、タマモ。パーフェクトだ。良くやったな」

「……あの程度の相手なんだから、当然でしょ。横島」
 

 女性――タマモの答えに、「まあ、そうだな」と苦笑すると、男性――横島は言葉を続ける。

「今ので、おまえは通算百体目の除霊を成功させた訳だ。これで、いつでも俺の元から独立出来るな」

 横島の言葉に、鼻を鳴らしながら毒づくタマモ。

「ふんっ、どうせ私があんたの傍を離れられないだろう、なんて甘い事を考えてるんでしょうけど。
 お生憎様。私はいつでも、自分の足で歩いて行ける用意はしてるんだからね?」

 その台詞を聞いて瞳に悪戯っぽい輝きを宿らせた横島は、タマモの耳に唇を寄せて、こうささやいた。

「――なら、明日からでも独立してみるか?」

「――――――ッ!!」

 途端に弾かれた様に横島の顔を見詰めるタマモ。
 どうやら、彼が少しは動揺してくれるとでも思っていたらしい。

「あ……えと、あの、その……そう! あんた、私が居なくなったらどうやって生活していくつもりなのよ!?
 食事も作れない、掃除も出来ない、服装に気も遣えないの三重苦のくせに!」


 あたふたと言い訳じみた台詞を返すタマモを見やって横島は、

「ククククク……」と一昔前の悪役の様な笑みを零した。
 最近の彼のマイブームだ。

 瞬時に顔全体を真っ赤に染めたタマモは、「ふんっ」と横島の脛を蹴り上げると、足取りも荒くビルの外へと向かった。





 ようやく蹴られた足の痛みが収まった横島が外へ出てみると、近くに止めてあったバイクの側に月明かりに照らされている人影が見えた。

 ゆっくりとした足取りでその人影――タマモの元へ向かいながら、胸ポケットから取り出した煙草のケースから一本を口に咥える。
 一緒に取り出したジッポで煙草に火を付け、紫煙を吐き出しながら歩を進め、何か言いたそうなタマモの言葉を待つ横島。

 彼がすぐ近くに来てもまだ言葉を発しないタマモを、視線で促す。

「……また煙草吸ってるの? 体に悪いんだからやめてちょうだいって言ってるじゃない」

「……放っておいてくれ。仕事の後のこの一服が、俺の至福の瞬間の一つなんだから」

 仕事の後の恒例となっているやり取りをする二人。

「あんた、今日は仕事なんてしてないじゃない」

「助手の仕事を見守るのも、雇用主の仕事のうち。
 大体、早く資格を取っておきたいって言ったのは、おまえの方だろ?」

「それはそうだけどさ……」

 タマモは溜息を一つ吐くと、煙草を口元から離した横島の襟首を両手で掴み、顔を引き寄せ唇を合わせた。

「ん……。煙い……」

「当たり前だろ」

 苦笑した横島は、火が付いたままの煙草を指で弾くと、バイクに跨る。
 そして、ハンドルに掛けてあったヘルメットの一つをタマモに放りながら声を掛けた。

「――じゃあ、帰るか」







          *** Eternal Chaser (前編) ***







 眠りの淵から徐々に意識を引き上げ覚醒を果たしたタマモは、ゆっくりと目を開けた。
 まだほの暗い視界には、見慣れた寝室の天井。
 右側に温かな人の体温を感じて視線を向けると、そこには自分に背を向けて眠る、胸から下をシーツで覆った裸の男の姿。
 彼女はその背中に猫の様に擦り寄ると、男の目が覚めるまでのしばしのまどろみを楽しんだ。





 タマモと横島が出会ってから、もう五年の月日が流れていた。
 命の恩人では有るものの、タマモの目には当初、彼の事は単なる煩悩丸出しのセクハラ少年としてしか映っていなかった。
 だが、そんな彼も年を取り、経験を重ね、少しずつ大人になっていった。


 いつからだろう。彼が道化の仮面の下に隠した、心の傷の存在に気付いたのは――
 いつからだろう。彼の心の傷を、自分の力で癒してあげたいと思い始めたのは――
 

 正確なところはもう、タマモ自身にすら解りはしない。
 だが、彼女にとって、それはどうでも良い事。

 今この瞬間に感じる彼の体温こそが、彼女の全てであった――


 横島の雇用主であった美神令子の結婚を機に、フリーランスのゴーストスイーパーになった彼の元へ転がり込んでから二年。
 タマモは今、幸福と言える状況にその身を置いていた。





「んあ……」

「起きた? 横島」

 横島の背中に抱き付いたままのタマモが、彼の首に腕を廻し、頬を摺り寄せながら尋ねる。

「ああ」

 タマモの絡めた手を優しく振り解き、横島は上半身を起こす。
 右肘を立てて半分身体を起こし、豊かな胸が零れ出ているのも気にせず自分を見詰めるタマモの唇に短いキスを送ると、

「シャワー浴びてくる。……一緒に浴びるか?」と尋ねる。

 少しの間思案したタマモは、

「……やめとく。朝っぱらからバスルームで一戦やらかしたくなんてないし」と断った。

 苦笑した横島は、全裸のままバスルームへと向かう。

 横島の背中を見送ったタマモは、朝食の献立に思いを馳せていた。





 朝食を終え、居間でまったりとした時を過ごしていた二人の耳に、インターフォンの鳴る音が聞こえた。
 タマモが立ち上がり受話器を取ると、ディスプレイに中年の冴えない男の顔が映る。
 前日の朝に急にアポを取ってきたICPO――通称オカルトGメンのエージェントであった。

 二、三言言葉を交わしたタマモがマンションのエントランスの鍵を開け、二人は彼の到着するのをそのまま待った。



 居間に通されたそのエージェントは、二人の向かいのソファーに座ると、早速話を切り出す。

「手短に、現在我々人間が置かれた状況を説明するぞ。
 これは妙神山の小竜姫様が、御自分の立場が悪くなるのも厭わずにリークしてくれた情報だ。
 ――ある魔族軍の収容所から、一体の魔族が脱走して人間界へと向かった。
 そいつはデタント反対派の急先鋒で、霊力値は約3700マイト。中級魔族だ――」

「――で?」

 続きを促す横島に、彼は話を続ける。

「魔族軍は、自らの失態を表向きだけでも隠すために無視を決め込んだ。
 神族軍も、デタントの事がある為、兵を動かす事は出来ない。
 我々は、人間界に逃げ込んだそいつを、両界の力を借りずに倒すしかなくなった事になる。
 幸い、小竜姫様がもたらした情報により奴の出現位置が判明した為、現在は多重結界を展開させて奴を閉じ込めてある。
 だがそれだけだ。奴の行動範囲を制限できただけな上、結界は一週間も持たないだろう。
 日本国内に核を撃ち込む訳にもいかない以上、お手上げの状態だ」

「なるほど。そこで俺にお鉢が回ってきた訳だ。……だが、文珠での霊力同期に期待しているのなら無駄だぞ?」

「何故だ!? もはや、我々に残された手段はそれしかない!
 貴様は、このまま座して死を待てとでも言うつもりなのか!!」

「まあ、話は最後まで聞け。現在、俺と同格の霊力を持つ人間は四人。
 六道冥子、伊達雪之丞、西条輝彦、美神――いや、今は西条だったか。西条令子だ。
 以前までなら後二人、美神美智恵と小笠原エミが居たんだが……。
 美神美智恵は、五年前の『逆転号撃墜作戦』での無理が祟って、現在GSとしては廃人状態。
 小笠原エミは、三年前に仕事の際に呪い返しを食らって鬼籍に入っている」

「それくらい知っている。それがどうかしたのか?」

「西条令子は、現在妊娠休暇中。
 伊達雪之丞は、相も変わらず風来坊を気取っていて、所在不明な上連絡不能。
 六道冥子は、過保護な彼女の母親が、むざむざ娘を死地に追いやる訳が無い。
 残った西条輝彦だが――奴との霊力同期なぞ、殺されたってごめんだ。
 つまり、あくまでその手段に拘るのなら、あんたらの取れる選択肢は二つ。
 ICPOにも多大な出資をしている六道家か、霊力同期の要である俺のどちらかを敵に回す事だ」


 横島の西条に向ける、常軌を逸した嫌悪の感情に絶句するエージェント。
 そしてタマモは横島の言葉に、まだ彼女の事を吹っ切れていないのか、と表情を曇らせた。




 美神令子と横島忠夫が一時期男女の関係にあった事は、タマモも気付いていた。
 だが美神令子は結局、彼女の傍で自分を守り続けてくれた少年ではなく、かつての憧れの人を取ったのである。
 当時の三人の間に何が有ったのか、タマモは知らされてはいない。
 だが、彼が全てを突き放すかのような態度を取り始めたのは、それからだったのだ――

 変貌していく横島に、彼を慕う者の中でも特に彼に甘えていたシロとおキヌは耐えられず、実家へと戻っていった。

 シロは、師の関心がもはや自分に向く事は有り得ないと思い知らされて――
 おキヌは、自分では横島の心を癒す事など到底叶わないと絶望感を抱いて――




 しばらくの間視線をさ迷わせていたエージェントだったが、やがてタマモに目を止めると勢いを取り戻した。

「そうだ、彼女は!? 彼女ならどうなんだ!?」

「……あー、それこそ無理だ。
 あんたは美神隊長直属だから聞いているだろうが、彼女の正体は”金毛白面九尾”だ。
 全盛期には1000マイト超を誇ったと推定される、正真正銘の大妖だぞ?
 今現在でこそ、長期間の封印の影響で俺と同程度の霊力しか持っていないが、霊力同期でその枯渇した器が満たされてみろ。
 人間のちっぽけな意識なんて、吹き飛ばされちまう。
 その時には急激な霊力の流入で理性を失った、最凶最悪の化け物が誕生する事になるぞ」

 横島の説明に、エージェントは再び絶句し、項垂れて何やら呟き始めた。

「ならば……、ならば、どうすれば良いというのだ……」


 その姿を気の毒に思ったのかどうか知らないが、横島は言葉を続けた。

「……一つだけ手は有る」

 その言葉に勢い良く顔を上げるエージェントと、俯いて身を震わせるタマモ。
 どうやら彼女には心当たりが有る様だ。

「それは……それは何なんだ!?」

「それは一介のエージェントでしかないあんたには言えない。
 只、それは俺とタマモにとって、かなりの危険を伴うものだ。
 おいそれと使う訳にも行かない。
 まあ、あんたらが誠意を見せてくれたら話は別だけどな?」

「……美神隊長は、30億までなら用立て出来ると仰っておられた」

「よし、商談成立だ。
 但し、条件が有る。
 決行するのは、曇りか雨の日だ」

「解った。隊長に伝えておく。
 それと、こちらからは何名くらい出せば良い?」

「要らん。むしろ邪魔だ。無駄に死人を出す事も無いだろ」





 エージェントが帰った後、タマモは横島に食って掛かった。

「横島……あんたまさか、”禁じ手”を使う気なの!?」

「ああ、そうだ」

「あんなの、成功するかどうかも解らない、博打の様なもんじゃない!
 あんた死ぬ気なの!?」

「そんなつもりはない。
 それに、今回はおまえにも、それなりにリスクを負ってもらうつもりだ」

 横島のその言葉に、タマモは限界まで目を見開き、瘧の様に身を震わせ始めた。

「横島……あんた、私にアレを使わせるつもりなの?」

「あくまで最後の手段だ。
 俺の”禁じ手”が通じれば使う必要も無いが、恐らく確立は五分五分だろうな」

「嫌よ……アレの封印を解いてしまったら、私は今度こそ自分の手であんたを殺してしまうかもしれない。
 そんなの……そんなの、私耐えられない!!」

 涙を流して激しい拒絶の意思を示すタマモを抱きしめると、横島は優しくささやいた。

「大丈夫だ。あの頃に比べれば、俺達は遥かに強くなった。
 それに、あんなものに壊されてしまう程、俺とおまえの絆は脆くない。そうだろう?」

 そのまま横島の胸で涙を流し続けていたタマモであったが、やがてコクリと頷いた。






 それから三日後、曇天の空の下、多重結界の張られた場所の近くに着地したヘリコプター。
 黒いライダースーツ姿の横島とタマモの二人は、その中から外へと降り立った。
 彼らが持っている荷物らしい荷物と言えば、横島の右肩に掛けられた竹刀袋のみであった。

 二人が降りた場所には、現在のオカルトGメンの戦闘指揮官である、美神美智恵が待っていた。
 しばし見詰め合う横島と美智恵――
 やがて、美智恵の方から横島へ声を掛けてくる。

「ごめんなさい、横島君。
 私達母娘は、いつもあなただけに辛い選択を押し付けてしまっているわね……」

「……別に、あなたに謝られる事じゃないです。
 俺はいつでも自分自身の意思で、自分の行動を選択して来たんですから。
 それに、今の俺にはこいつが居てくれる――」

 タマモに視線を向けながらそう言う横島に美智恵は微笑み、

「あなたは本当に強くなったのね……。
 そうね。今の謝罪は忘れてちょうだい」

 そう言うと、二人を見送ったのであった。


 


 小雨が降り始める中、一部だけ解かれた結界に生じた穴から内部に入っていく横島とタマモ。
 流石に緊張の為か、二人とも表情が強張り気味だ。

「まあ、やれるとこまではいつも通りいくぞ、タマモ。
 使わないに越した事はないしな」

 右肩に揺れている竹刀袋に意識を向けながら言葉を掛けてくる横島に、タマモが答える。

「わかってる」


 現在、文珠のストックは十二個。
 横島が考案した”禁じ手”を成功させる為には、最低四個のそれが必要であった。





「くっ……!! 流石に洒落にならんぞ、これはっ!!」

 魔族の男との戦闘に突入した横島とタマモ。
 当初の予想通り、二人は圧倒的な苦戦を強いられていた。
 結界内に立っていたビルの中に追い込まれ、次第に追い詰められていく二人。

「――風よッ!!」

 タマモの鎌鼬による攻撃も、足止めにすらならない。

 文珠のストックは残り六個。
 横島は最後の賭けに出る事にした。

「仕方がねえ! タマモッ! アレの用意をしとけ!!」

「――わかった」

 横島の言葉に頷くタマモ。
 彼女は囮として残らなければならない彼の為に、自分の力を分けておく事にする。

「――鋼(はがね)よッ!!」

 次の瞬間、タマモの右手に生み出される霊力の剣。彼女は続けて叫ぶ。

「――炎よッ!!」

 すると、通常は敵に対し炎を叩き付けるだけの髪の一房が光の粒子となって分解した。
 その光の粒子が、剣の刀身にまとわり付いていく。
 次の瞬間、その刀身は浄化の炎を吹き上げ始めた。

「横島!!」

 タマモは”炎の剣”を横島の足元に投げつけると、戦場に背を向け全力で駆け出す。

「逃ガスカ」

 その背中に、一瞬の溜めの後、強力な霊波砲を放つ魔族の男。

「させるかよぉっ!!」

 その溜めの間に射線上に割り込んだ横島が、文珠を発動させる。



 『逸』



 次の瞬間、霊波砲はタマモではなく、横島の狙い通りの壁を破壊する。

「へへっ、逸らすだけならそんなにエネルギーは要らないんだよッ!
 お前の相手はこの俺だ。もう少し遊んでくれよ!!」

 横島は、タマモの残した”炎の剣”を手に取ると、魔族の男に向かって吼えた。






                                       to be continued ....

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa