ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その23)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/11/17)

「絶対に許さねぇぞ、マチュアーーーーーーーーーーー!!!!!」
ダッ!
横島は、マチュアに向かって駆け出す。
タッ!
「!!」
恐怖によって、一瞬動きを止めてしまったマチュアは、自分の視界の中から横島が消えたことに気づく。
「ど、どこっ!?」
左右を見渡すマチュア。
ゾクゥッ!
「!!」
何かを感じたマチュアは、上を向く。
ヒュッ!
「上っ!?」
霊波鞭が、マチュアの頭目掛けて振り下ろされる。
「くっ!」
それを間一髪で避けるマチュア。
それと同時に、床に着地した横島はマチュアとの間合いを詰める。
「はっ!!」
横島は左腕の肘を使い、マチュアの腹にに肘打ちを喰らわす。
「がっ!」
マチュアの体がくの字に曲がる。
ヒュッ!
そのまま横島は、マチュアに拳の甲を当てる。
ベシィッ!
「ぶっ!」
そしてマチュアの腹に、蹴りを入れた。
ドゴォッ!!
「がはぁっ!?」
その蹴りで吹っ飛ばされたマチュアは、自分の後ろにあった壁に背中を強くぶつける。
「ぐぅっ!」
床に倒れるマチュア。
しかし、なんとか立ち上がる。
「くっ!お、おのれぇ!!」
マチュアは、思い切り扇を持った腕を振り下ろした。
ゴォォォォォ!!
特大級の真空の刃が横島に迫ってくる。
「なめるなぁ!!」
横島は霊波鞭で、その刃を弾き飛ばした。
それを見て、ギリッと唇を噛むマチュア。
「おのれぇぇぇ!!」
マチュアは扇を広げ、十字を切るように振る。
ブォォォォォォ!!
扇の先から強風と、無数の真空の刃が現れる。
「くっ!」
横島は瞬時に霊波鞭を霊波刀に変形させる。
鞭の状態だと、次々と襲い掛かってくる真空の刃に対処出来ないからである。
ガキンッ!ガキンッ!ガキンッ!
しかし、横島でも全てを防ぐことは出来ない。
幾つかの小さい刃が、横島の体を傷つけていく。
「ぐぅっ!」
次々とくる痛みに耐える横島。
「くっ!このぉ!!」
横島はサイキック・ソーサーを作り出し、マチュアに向かって投げた。
「!!」
マチュアは扇を広げ、サイッキック・ソーサーを防ぐ。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・。」
息を切らす横島。
「くぅ・・・・・・。」
マチュアはまた唇を噛んだ。






「私は生まれた時から、全ての男を魅了した・・・。
魔族、神族、そして人間・・・・。
私の虜にならない男はいなかった・・・。
全ての女の頂点に君臨するこの私が、貴様、貴様、貴様みたいな雌ブタなんかにやられるかぁーーーーーーー!!!」
すでにマチュアは、横島が文珠の力によって女性化したことを、怒りと恐怖のせいで忘れてしまっていた。
「死ねぇぇぇーーーーーーーーーーーー!!!!!」
マチュアはその場で1回転する。
すると扇の先から風が出、その風が渦を巻き、竜巻となった。
ブォォォォォォ!!!!!
「でっ!?」
横島は、竜巻に吸い込まれてしまった。
竜巻の中は真空の刃でいっぱいで、次々と横島の体を切り裂いていく。
「くぅっ!!」
なんとか体を反らしながら、真空の刃を必死に避ける横島。
しかし、無数の刃を全て避けることは不可能だった。
(ここから脱出しねぇと、細切れになっちまう・・・・!)






「フフフフフ・・・。やったわ、ついに、あの女を倒せた。」
マチュアは高笑いをする。
「ホホホホホホ!!私の他に女は必要ないのよ!!全ての男よ、私の足元に跪くがいい!!」
ヒュッ!!
「なっ!?」
竜巻の中から霊波鞭が飛び出し、マチュアの体に絡みつく。
「ぐっ!う、動けない!!」
その時、竜巻の中から声がした。
「何言ってやがる!!リナ王女の父親を虜に出来なかったテメェが、何言ってやがる!!」
「なっ!?馬鹿な!?」
「お前なんかの虜になるくらいなら、美神さんやリナ王女の鉄拳を喰らってた方がまだマシだ!!」
ブォンッ!!
竜巻の中から、横島が飛び出してくる。
「こんバカッたれぇーーーーー!!!!」
ドガシャァァァァァァ!!!!!
勢いをつけた横島の拳は、美神の鉄拳と同じぐらいの威力だった。
「グギャァァァァーーーーーー!!!」
横島の拳を喰らったマチュアは、回転しながら吹っ飛んでいく。
ズドーーーーーーン!!
そして、大きな音を立て、床に倒れた。





「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・。」
横島は息を切らしながら、ゆっくりと歩き出し、部屋から出ようとした。
その時、マチュアがゆっくりと立ち上がる。
「私は全ての男を魅了する淫乱魔(サキュバス)・・・・・。貴様なんか、貴様なんかにぃぃぃ!!」
マチュアは、巨大な真空の刃を出現させた。
「・・・・・・。」
ヴォンッ!
「死ねーーーーーーーーー!!」
狂ったような声で叫ぶマチュア。
横島は、迫ってきた真空の刃を避け、マチュアとの間合いを狭めた。
「冥土に・・・、逝きなっ!!」
ズバァァッ!!
「キャァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!!!!」
霊波刀で斬り裂かれたマチュアは、断末魔の悲鳴をあげながら消滅した。
「あばよ、地獄で鬼どもでも虜にしな。」





ギィッ・・・
ドアを開け、部屋から出る横島。
「ぐぼぉっ!!」
その時、横島は口から血を吐いた。
その血と一緒に、"女"の文珠も吐き出され、その文珠は消滅した。
「ちっくしょ・・・・・。血を出しすぎたか。」
横島は掌から"治"の文珠を出し、体に出来た無数の傷を治す。
「急がねぇと・・・。待っててください、リナ王女・・・・・。」
横島は、疲れきった体を引きずりながらリナ王女とアリス王女の捜索を再開した。


魔界最凶の淫乱魔マチュア。
横島の怒りと、初めて味わった恐怖に負け、死亡・・・・・・。


続く

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