ザ・グレート・展開予測ショー

愛しき者達の為 3


投稿者名:gosamaru
投稿日時:(03/11/16)

朝食時といえば、その日の気分や行動に後々響いてくるものだ、全ての人がそうだと言う
事は無いだろうが・・・・・・横島家では、如実にその卦が見て取れる・・・・・・・・
つまり・・・・・・・・・・・・・波乱に満ちたパニックデー。





チラ・・・・・チラ・・・・チラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ビク!!



「あーーーーーーーうっとしいわいぃぃぃ!!いい加減にこの状況を認めてしまえ!!落ち付かないしご飯も咽喉を通らないだろう!!」


ドン!!とテーブルを叩き情けない声を上げ、横島は大樹と百合子の二人に言い放つ。


「「だっだってなー(ねー)」」


二人にしてみれば、もう摩訶不思議状態なのだ。


「忠夫が、休日のこの時間に起きてくるなんて・・・・・記憶に無いんですもの。学校の
行事の時ですら、こんな事は無かったんだもの。」


「そうだよな〜、忠夫はいつも百合子に起されてるもんな・・・・・・・・俺も記憶に・
・・・・・・・・・・!!わかったぞ!!」


ビクッ!!
と横島の体が揺れる。

その様に大樹は見逃さず確信をもったようだ、その顔はニヤリと唇の端を吊り上げ勝ち誇ったように、横島を見下ろしている。


(あっあかん!!見える・・・見える・・・俺にはこの後の事が手に取るように見える!
!!!!)


横島は、父親の意地の悪そうな顔にこの後来るであろう吊るし上げにされる、自分の未来を想像する。


その時ピ〜〜ン!!と百合子は、大樹と息子の態度を見て女の感とばかりに閃く、静かに息子の方に向き直るとニコニコと満面の笑みを浮かべながら、口を開く。


「忠夫。今度は何を・・・・・・・・・・・・・・・隠してるの?お母さん、怒らないから・・・・・・言いなさい。」


「「ヒィィィィィィィィイ!!!!!」」


何気に最後は、命令口調の百合子に横島は(なぜか大樹も)恐怖を感じる。


(くぅぅぅ。コエェー!!だがこれはチャンスだ!!この流れに乗って言ってしまえぇ。
ふ〜〜ぅ、)



横島はなんとか震える自分を落ち着かせ、何時言おうかと思っていた・・・・・・自分の決意を・・・・覚悟を・・・・想いと共に語り始める。



「父さん。母さん。聞いて欲しい事があるんだ・・・・・真面目に聞いて欲しい。此れから話す事は、冗談とか浮ついた気持ちは一切無いから。」



大樹と百合子は、息子の今までに無い態度と語り口の端々に、静かな決意と揺るがない想いを感じられる事に、驚きと喜びが湧き上がる。


(この子ったら・・・何時の間にこんな顔が出来るようになったのかしら。チョッとドキッ!!としたじゃない・・・・・・・。)


(良い顔・・・をする様になったもんだ。男の面構えだな・・・・何時の間にか、忠夫も
成長していたってことか・・・・・・。)



自分達の息子の想ってもいなかった成長している姿に、なぜか一抹の寂しさと望外な喜びと胸の高まりを感じ、「息子の想いと決意を受け止めてやろう」と態度を改めると話の先を進めるよう目で促がす。



横島は、両親の暖かい気持ちを感じ後押しされるように、口を開く。



「真面目に聞いてくれて有難う。実は、俺ゴーストスイーパーを目指したいんだ。試験はすごく難しい事も知ってるけど、(あの時は、小竜姫様のお陰で乗り越える事は出来たけど)俺はそれでも目指したいんだ、その為にも、修行をしたいと思ってる。だけど、それには問題があるんだ。」



百合子は、息子が一区切りするのを見計らい口をはさむ。


「忠夫の言いたい事は、解ったわ。だけどあなたの決意に水を差すようだけど、貴方はまだ小学生じゃない、これからまだ幾らでも目指すものが出てくるはずよ。何も好き好んで
あんな危険なものを目指す必要性や理由は無いと思うの。それに厳しい言い方をする様だけど親の贔屓目を抜いても、怖がりな忠夫に向いているとは思えないわ。」


百合子は自分の子を想う母親として、そして自分の知識の中にある、詳しい事までは知らないがGSの概容と照らし合わして判断した事を告げる。
横島にとっては想像していた反応と違い、母親の自分に対する深い愛情に心が悲鳴を上げるが、それでも自分の思いを曲げる訳には行かないし、目指すものは遥かに難しい事だ。
後悔だけはも二度としたくない、その思いが横島を突き動かす。



「理由は有るよ。」(ホンの少しだけ力を見せた方が説得し易いよな)



と横島はテーブルから遠ざかり、自然体になると静かに意識を集中させる。
百合子は何をするのかと様子を見ていると、段々と息子の体が光を放ち始め、手の方へ集まっていく最後には六角形の形をした薄い楯状の物が姿を現していた。



「此れが理由だよ。」(本当のことは言えないしアナガチ嘘でもないから・・・)



百合子は信じられない息子の才能の片鱗を目の当たりにし、絶句する。
しかし頭の中には疑問が渦巻き、問いただそうと口を開きかけた時、今まで黙っていた大樹が不意に喋り出す。



「忠夫。どうやって其れを作る事が出来るようになった?。」


大樹は息子の其れを指差しながら尋ねる。


「それは・・・偶々TVでやってたGS特集で、番組に出ていたGSの人がやってるのを見て、
俺にも出来ないかなって、軽い気持ちでこう手に集中する感じにしてみたら・・・・・・
出来たんだ、それからかな俺GSに興味を持って色々調べてみたんだ。」
(きついなー。強引過ぎるかな)



「そう云うもんが、簡単に出来るとは思えんが。まあその事はいいとして、お前が最後に
言っていた問題と言うものは、修行場と先生だと思うのだが間違ってるか?。」



「よく解ったね。そうなんだ女の子の場合は、六道女学院っていう学校が在るらしいけど
男の子の場合は、そういった物が無いらしくて・・・・それに小学生の俺にはなんかするにしても、制限があるし。だけど・・・・どうしてもGSを目指してみたいんだ・・・・・
だから・・・その為なら我が侭や弱音なんかは言わないから、協力して欲しいしGSを目指す事を許して欲しい、お願いします!!」


横島は自分の決意を伝え、二人に向かって頭を下げる。
大樹と百合子は顔を見合わせ、息子の必死さに自分たちもやれるだけのバックUPをしようと決心する。


「忠夫。父さんと母さんからその為の条件がある。何が遭っても諦めるなよ。GSは危険な職業だ、その為にも強くなれ精神的にも肉体的にもだ。」





第一関門を横島は突破することが出来た・・・・最高の協力者を得て。

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