ザ・グレート・展開予測ショー

GS横島極楽大作戦(4)


投稿者名:モリータ
投稿日時:(03/11/11)

俺は今走っている。
腕立て、腹筋、背筋といった準備運動で体をほぐした後走っている。
俺が今走っているのは近所の公園とかではない。
俺が今走っている広い庭である。
別に不法侵入をしているわけじゃない。
ちゃんと許可をもらって使わせてもらっている。
じゃあ俺が今いるのはどこだって?
俺が今いるのは六道家である。
とにかく六道家は家がでかい!
いや、家というよりは屋敷と言っても間違いではないと思う。
まあ、そんな家であるわけで当然その庭が広い。


「ふう〜」
走り終えて、俺は息を整える。
「はあ〜はあ〜はあ〜・・・」
「がんばてるわね〜横島くん〜」
「あ・・・おばさ・・・じゃなくて冥子さんのお母様・・・オハヨウゴザイマス・・・」
途中身の危険を感じた俺は呼び方を言い直して冥子ちゃんのお母さんに挨拶をした。



ところで、何で俺が六道家にいるのかというと話は二日前にさかのぼる。



それは美神さんの事務所でのことだった。

「み・・・美神さん・・・」
「何よ?」
美神さんは金を数えている。その金は相場の倍以上の除霊の依頼料であった。
「じ・・・時給・・・あげてください・・・」
「却下!(一秒)」
「はや!!」
当然そう返事がくるだろうと思っていたが、やはりというべきかこの人は期待を裏切らなかった。というか・・・こういう時は期待を裏切ってほしいんですが・・・。
「時給二百五十円なんて安すぎます!せめて三百円くらいには・・・」
俺の時給は二百五十円であった。
最初この過去の世界に来た時、そうじゃないかな〜と思ってはいた。
「あんた「時給はいくらでも構いませんから雇ってくれ」っていってなかったっけ」
「そんなこと忘れました!!」
「私はきっちり覚えてるわよ!!」
そんな昔のこと覚えてるわけがない。
だいたい昔の俺は何を考えていたんだ?
俺・・・何だか自分のことを余計に信じられなくなった・・・。
「横島くんの〜時給あげてあげてもいいじゃない〜令子ちゃん〜」
「冥子ちゃんよく言ってくれた!」
俺は彼女の手を取った。
「けどね、冥子・・・」
ん・・・・・・冥子ちゃん?


「「め・・・冥子(ちゃん)!!?」」
「どっからわいて出たのよ冥子!?」
「そんな〜令子ちゃん〜わいて出ただなんて〜人のこと虫みたいに言って〜私〜私・・・」
「め・・・冥子・・・落ち着いて!ごめん!とにかくごめん!!だからぷっつんだけはやめて〜!!」
「今のは美神さんが悪い!!」
『あの横島さん、“ぷっつん”て何ですか?』
「世の中には知らないほうがいいことがあるんだよおキヌちゃん・・・」
俺はどこか遠くを見つめながらおキヌちゃんの質問に答えた。
俺もあれには何度もひどい目にあったよな〜。


「で、用件はなんなの冥子?」
美神さんが話を切り出した。
「うんとね〜お願いがあるの〜」
出た〜!!冥子ちゃんのお願い攻撃〜!!
美神さんはどう出るか〜!!
「お願いってまた共同作戦するの?」
美神さんが嫌そうな顔で冥子ちゃんに訊ねた。
まあ、美神さんの気持ちもわからないわけではないんだが・・・。
「違うの〜令子ちゃん、あのね〜横島くんを貸してほしいの〜」
ほうほう、俺を貸してほしいと・・・そうか〜
・・・・・・ん!?
「あの冥子、こんなの借りてどうするのよ?」
こ・・・こんなのて・・・美神さん・・・。
確かに俺としても何で冥子ちゃんが俺を借りたいのかがわからない。
「それはね〜冥子の支えとなってほしからなの〜」
「「え!?」」
なんと冥子ちゃんのとろ〜んとした声が聞こえてくると思ったら冥子ちゃんの声ではなかった。声の主は冥子ちゃんの母で六道理事その人であった。
「何でも冥子の話だと除霊中に冥子を庇ったのが横島くんだとか〜」
アレか!アレなのか!!
前回美神さんに蹴飛ばされて冥子ちゃんの前まで吹っ飛んだアレのことを言ってるのか!
結果として冥子ちゃんを庇う形となって、冥子ちゃんのぷっつんにより建物が壊れることはなかったが、まさかこんなことになるなんて!!
「冥子の話を聞いてぴんときたの〜令子ちゃんだめかしら〜?」
「だめってわけじゃないんですけど、本当にコレでいいの?」
コレ!?さっきはこんなのって美神さん、あんたは俺をどういう存在だと見てるんスか!?
「もちろん横島くんを借りてる間のレンタル料は払うわ〜」
「わかりました!どんどんこきつかってやってください!」(気持ちい程きっぱりと)
「あ・・・あの俺の意思は?」
「横島くん、あんたは私の丁稚でしょ?」
美神さんのその表情、それは「そんなのあるわけないでしょ」と言ってるように俺は思った。
冥子ちゃんのところに出向・・・なんというか、その命の危険が満載のような気がするんだが・・・。
「令子ちゃんは横島くんの〜お給料を上げるつもりはないのよね〜」
「はい(0.1秒)」
美神ざ〜ん・・・(しくしく)
「うちに来てくれたらお給料は今の何倍もあげるわ〜」
(ぴく)
「食事も朝、夜つけるし〜、学校に行くときのお弁当も用意するわ〜」
「やりましょう!!」
俺は言ってしまった。
今の俺に人並み、あるいはそれ以上のカロリーを取れるのは大変ありがたかったからだ。


まあ、そんなわけで俺は今六道家に来ているのだ。
身体能力をあげるのに六道家の設備は大変ありがたかった。
そして、もう一つ俺はここに来たことであることが可能となった。
そのあることというのは霊力の扱い方の特訓ができるということである。
俺がここに来た時(といっても昨日からだが)冥子ちゃんのお母さんに霊力が扱えるよう特訓がしたいと申し出たのだ。
基礎的なものではあるが冥子ちゃんのお母さんは俺に霊力の扱い方を教えてくれることとなった。

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