ザ・グレート・展開予測ショー

知ってるようで知らない世界―8―


投稿者名:誠
投稿日時:(03/11/10)





妙神山・・・。
神界と人界の狭間であり、人界でも有数の修行場だ。
人界では斉天大聖として知られている猿神、
そして、竜神・小竜姫が管理をし、人間への修行を行っている。

「横島さん、ここに来るのは二度目ですね。前回はお客様という形でしたが今回はあなたは修行者・・・。
まずはこの妙神山で修行するだけの実力があるかどうか試させていただきます。」
小竜姫がいい終わるかどうかというときに、巨大な門の横にある大きい体が動き出し、門についた鬼の顔がしゃべりはじめる。
「「横島といったな、「この右の鬼門」、「そして左の鬼門」を倒さぬ限り、ここは通さぬ!」」
二人は叫ぶと横島に殴りかかった。
横島は二人のこぶしを前に飛んでかわすと、門についたままの鬼門たちの顔の前に立ち、ニヤリと笑った。
「サイキック猫騙し!!」
横島は両手に霊波をまとい、二人の顔の前で手をたたいた。
横島の手からまばゆい閃光がほとばしる・・・。
「ぬお!まぶしい!」「ま、前が見えん!」
うろたえる鬼門(顔)。手探りで横島を探す鬼門(体)。
横島は鬼門(体)の後ろに移動すると学校の定番必殺技をはなった!
「ひざかっくんパーンチ!ひざかっくんキーック!」
横島は叫び、それぞれの鬼門(体)の膝関節に裏側から攻撃をくわえる。
「ぬおっ!」「ぐあっ!」
鬼門(体)は学校の法則に逆らえず後ろに倒れた。
その時彼らの体は門に背を向けていたわけで・・・。
閃光のまぶしさから立ち直り、目がみえるようになってきた鬼門(顔)には自分の方に向かって倒れてくる自分達の体というかなり普通では見られない光景が見えた・・・。
―――ズ、ズーーーン―――
気絶した鬼門をほっといて小竜姫がOKをだした。
「結構変則的ですがさすが美神さんの弟子といったところでしょう。」
小竜姫は同じように鬼門の目を見えなくして勝った令子のことを思い出し、冷や汗を流しながらいった。
「合格です、ではこちらに・・・。」
小竜姫は修行場の中に招きいれようとするが言葉を詰まらせる。
門の前には鬼門の体、そして鬼門は気絶している・・・。
そう、このままでは修行場に入れないのだ・・・。
「ハァー・・・・・。」
小竜姫は大きくため息をつくと二人の鬼門の顔の間に行き、なにかをささやいた。
―――ビクゥッ!―――
鬼門二人の体がすごいスピードで立ち上がり、門が開いた・・・。
「「どうぞ、小竜姫様!」」
「はい、横島さん行きましょう♪」
小竜姫はにっこりと笑って横島を促す。
「な、なにをいったんっすか・・・?」
「フフッ、気にしないで下さい♪」
小竜姫は笑顔で横島に答えて、先に進んでいった。

横島は聞こえなくてよかったのかもしれない・・・。
小竜姫が鬼門たちに冷めた声で
「早くしないと・・・お仕置きですよ。」
といったのを・・・。



「う〜〜〜〜〜ん、やっぱり横島君を修行に行かせなかったほうが良かったかしら・・・。」
「何いってんの令子、試験のときなにかあるのなら文珠と霊波刀が使える横島君のパワーアップは必要じゃない。」
「そうですよ、ちょっと寂しいけど一ヶ月したら強くなって帰ってきますよ。」
美神除霊事務所、令子、美智恵、そしておキヌの三人は修行に行った横島について話していた。
「大体令子、あんたは最近横島君の文珠ばっかりつかって・・・。このままじゃ横島君無しでは生きられなくなるわよ。」
聞きようによってはやばいことを美智恵は言う。
「だ、大丈夫よ。横島君がいなくったってちゃんと仕事はできるわ。」
「でも、横島さんがいないと少し大変ですね。
今日の霊団の除霊の仕事でも美神さんわたしの護衛と残ってる霊の除霊を同時にやらないといけませんでしたし・・・。」
強がる美神と本日の除霊のことを思い浮かべるおキヌ・・・。
「それで何の用なのママ?今日きたのそれだけが理由じゃないでしょ?」
令子の疑問を聞き、美智恵は真面目な顔になって訪問の理由を語り始める。
「令子・・・。横島君の持つ高い霊力、霊波刀、文珠・・・。どう思う?」
「ど、どうってそりゃぁ・・・。確かに霊力はかなり高いわ。それこそわたしやママにも匹敵するくらい。
それに人間なのにあそこまで物質化した霊波刀。あんなもの使えるだけでも人間としてはトップクラスよ。
それなのに、あらゆる状況に対応し様々な効果を発揮できる文珠まで持ってる・・・。
はっきりいって戦闘経験をつんで、訓練を重ねたら人間ではかなうものはいなくなるでしょうね。」
令子は少し考え、自分の正直な意見を述べる。
「そ、そうなんですか?横島さんってすごいんですね・・・。」
おキヌの驚きに美智恵は少し微笑んだ。
そして真顔になると説明をはじめる。
「いい、おキヌちゃん。おキヌちゃんはネクロマンサーの笛を媒介に能力を、
わたしや令子は神通棍、破魔札などの道具を戦うとき使うわね?」
おキヌがうなずいたのを確認して美智恵は続ける。
「道具を使うGSは道具がなければ戦力がおちるわ。まあ武道などを組み合わせて道具無しで戦うこともできるけど・・・。
でも、横島君は栄光の手といい文珠といい自分の霊力で道具を作り出せれるわ。
しかも、文珠で回復、守り、攻撃など様々なことができる・・・。」
ここまでいって美智恵はため息をつく。
「ママ、試験で横島君の力が知れたら上の連中に危険視されるって言いたいのね。」
「そ、そんな。横島さんが危険なはずないじゃないですか!」
令子は美智恵の言いたいことを大体把握して冷静に、
おキヌはそれを聞いて激昂して言った。
「そう・・・。彼を知ってる人が危険じゃないってわかってても彼を知らない人たちはどう思うかなんてわたし達にはわからないわ・・・。」
美智恵は少し苦笑いして続ける。
「それに彼を引き込もうとする勢力が出てくると思うわ。
敵として危険だということは仲間にすれば頼もしいってことよ。」
「そうね・・・。だけど今回の試験で横島君の協力なしってのは無理だわ。
メドーサたち魔族に対抗するには横島君の存在は切り札になる・・・。」
「そうよ、だからわたし達は試験の後のことも考えておかないといけないわ。
幸い六道先生の協力が得られるから六道家の力でかなりおさえられると思うけど・・・。」
三人は試験後のことについてあれこれと話し始めた。

(令子は認めないだろうが)彼女達にとってなくてはならない存在になってきている横島を中心とするGS業界を巻き込んだ騒動は避けられないものであるだろう・・・。



「横島さん、ここがあなたのお部屋です。」
小竜姫に案内された部屋はなかなか広い和室だった。
「とりあえず荷物を置いてついてきてください。これから修行をはじめますので・・・。」
「えっ!も、もうはじめるんですか。まだついたばっかりですよ。」
「善は急げです、横島さん。一ヶ月なんてすぐ過ぎてしまいますよ。」
小竜姫はそういうと横島をつれて歩き出した。


「こ、これが・・・修行場の入り口・・・ですか?」
おれはかなり驚いた。
目の前にある入り口は扉が二つに分かれていて、片方には―男―、もう片方には―女―と書かれた暖簾がかかっている・・・。
扉と扉の間には銭湯でおなじみの番台がある。
「ここは・・・銭湯で「修行場です」。
おれの質問を最後まで聞かず小竜姫様が答える。
「ここは・・・銭湯「修行場です」。
「ここは・・・銭湯です「修行場です」。
「ここは・・・銭湯じゃ「修行場です」・・・・・・・。
おれが何度聞いても小竜姫様はおれに最後まで言わせずに答える・・・。微笑んで・・・。
「う、しゅ、修行場・・・ですか・・・。」
「はい。」
おれが観念してつぶやくと小竜姫様はさらにニッコリと笑っていった。
「では、そこで服を着替えて中に入ってください。わたしは先に入っときますので・・・。」
そういうと小竜姫様は中に入っていった。
仕方ないのでおれも脱衣所?にはいり、用意されていた服に着替える。

―――カラカラカラッ―――
おれが引き戸を開けるそこは地平線が見えるほどの広い空間だった。
「ここは異空間になっているんです。基本的に修行はここで行います。」
先に入って待っていた小竜姫様がこの広い空間の説明をしてくれた。
「では、はじめます。剛練武(ゴーレム)!」
小竜姫様が叫ぶと体が岩で覆われた一つ目の巨人が現れた。
「まずはこの子を倒してください。・・・初め!」
掛け声とともに剛練武が殴りかかってきた。しかし、この程度のスピードならかわせる。
それに・・・明らかに目が弱点だよな・・・。
おれは攻撃をかわすと栄光の手を伸ばし、剛練武の目に突き刺した。
一撃で剛練武は消えていった。
「やっぱり強いですね、横島さん。次はこの子です。禍刀羅守!」
今度は、なにやら触ったら痛そうな黒光りする敵が現れた。
まだ始まりの合図を小竜姫様が言っていないのにいきなり襲い掛かってきた。
「うおっ!」
多少ビックリしたが一撃目をかわして横から腹を突くと、禍刀羅守はひっくり返って、消えた。
「お見事です。では、老師の所へお連れしますのでこちらへ来てください。」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。今戦い終わったばっかりですよ。」
「何言ってるんですか、今のはただのテストですよ。」
小竜姫様はそういうと今度は違う部屋におれを連れてきた。
おれが小竜姫様にいわれ、椅子に座ると次の瞬間周りの景色が変わっていた。
「こ、ここは?」
「ここは老師が作った仮想空間です。ここで、あなたの魂の力を開放することができるんです。
現実世界では一瞬のことですが数ヶ月ここにいると思いますのでここにいる間これを読んでおいて下さい。
そう言って小竜姫様が渡してくれた本、漢字辞典これはわかる文珠をもっと使える物にするためだろう。
しかし、作者が小竜姫様になっている『誰でも瞬殺!これであなたも剣達者。』
そして、斉天大聖著の『猿でもできる猿神流格闘術。』
おれは部屋のテレビでゲームをしている猿神の姿を見てため息をついた。

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