ザ・グレート・展開予測ショー

!木枯らしに抱かれて


投稿者名:カディス
投稿日時:(03/11/ 2)

「ちょっと、寄り道しましょうか」

除霊の帰り道、夕日が沈む海岸線で、美神さんが車を止めた。

シロちゃんとタマモちゃんが、元気に駆け出して行く。つづいて蛍ちゃんが横島さんを引きずっていく。

「元気ねぇー」と車のボンネットにほおづえついて眺めて美神さんもゆっくり歩きだしたのを見てわたしも駆け出した。



波打ち際で、みんな並んで夕日を見ている。

あの人が、ルシオラさんが、きれいといった夕日
横島さんが何度でも見ようって行った夕日

いま、ルシオラさんは、横島さんの妹として蛍ちゃんとなって、
横島さんの隣にいる。

だから、いま、横島さんの隣は彼女のもの。
横島さんの右腕にしがみ付くのは彼女だけの特権。


横島さんの左には、シロちゃんが、じゃれている。
時々蛍ちゃんと

「お兄ちゃんにくっつかないでよー」
「こっちの台詞でござる」って言い合いながら。

タマモちゃんはなぜか変化を解いて横島さんの頭に乗っている。
最近お気に入りみたい。

4人の斜め前に美神さんがたっている。長い髪をなびかせながら。

私たちの道しるべ。
この人がいるから私たちは出会うことができた。
この人がいるから私たちは一緒にいることができる。
私たちの誇り高い道しるべ


ビューーっ

冷たい風が吹き抜けた。
どこからか木の葉が舞い降りてくる。
私は思わず横島さんの背中に擦り寄った。


ずっと追いかけてきた背中。
まだ幽霊だったときからずっと。

GSの先輩としても、ただ一人の男性としても。
この背中を追いかけてきた。

ただひたすらこの暖かさがほしくて。


ざわざわ

木枯らしがまた吹き付けてくる。

私は目の前の背中におでこを押し付けた。


お願い、このままでいさせて。
前にも、右にも、左にも出ることはできないかもしれない。

でもここだけは、この背中だけは、私の場所でいさせて。
私だけのものに。

いつか、思いを伝えるときが来る、そのときまで・・・・・

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa