ザ・グレート・展開予測ショー

奉げる詩『メタ・ソウルの記憶』


投稿者名:えび団子
投稿日時:(03/10/15)


 ある晴れた、天気のとっても良い秋の昼時。
風が木の葉を優しく撫でて雲が自由奔放に泳ぎ続ける・・・




     ――――――――覚えておいて・ください――――――――




しっかりと伝えられたそのメッセージーは、きっと必ず記憶に残る。
         半永久的な光沢を放ち、淡く・・・淡く。




   ――――――――私が・一番最初に・刻んだ・記憶――――――――




「じゃあ、始めるかの。」


カチッ・・・。




君を愛している 永遠に

それが叶わぬものだとしても 私は

長い坂を登るように 休むことなく

純粋に 素朴に 前だけを向いて 歩き続けていたい


いつかは いつかは

心の奥底に閉じ込めている この想い

本当の言葉で 真面目で

冗談なしに 貴方に伝えたい




カチッ・・・。


「未練があったんじゃろうかの・・・」


天井を見上げる、広い空間だった。


「いいですね、けど・・・くよくよしたってだめですよ?」


「・・・・」


機械から流れる声は止まっていた。


「前向きに、前向きに・・・ですよね♪」


三人だけがひっそりと佇む事務所の応接間は少しだけ温かい陽の雨が窓から射し込み
小さい影を窓辺にある小物たちが作っていた。


「うむ、そうじゃの。」


「YES・ドクター カオス」


古に吹き込まれたメッセージを再生したマリアはいつもの通り肯定する。


「お主がいてくれてよかった。」


「いえいえ、こちらこそ素敵な詩を聴かせて頂けてありがとうございます。」


満面の笑みで返す彼女。


「サンキュー・ミス・おキヌちゃん」


丁寧にお辞儀をすると二人は並んで帰っていった。

まだ冬が来ず夏が去った、ある秋の物語。




「ところでの、マリア?」


「?」


帰路に着いて、自室でお茶を啜るカオスがマリアに問いかける。


「わしらは一体、何しに行ったんじゃろうか?」


「・・・・(汗)」




ところ変わって美神除霊事務所。


「ちょ、ちょっと何なのこれっ!?」


仕事から帰った美神が驚いたような口調で叫んだ。


「どうしたんですか、美神さ・・・」


部屋の中央にどっしりと構えたそれは、三桁までの計算ができる電卓であった。




            こんなの買う奴いないよね。
      




             




                  おしまい  

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