ザ・グレート・展開予測ショー

不思議の国の横島 ―7後半―


投稿者名:KAZ23
投稿日時:(03/10/13)


<前半からの続き>




「お母さま〜ズルイわ〜!勝手に話を進めるんだもの〜〜〜!」
「あらあら、でもね?今日お前を一緒に連れてきたのは、この話をするためだったのよ〜?」

何!?

「え〜?じゃあ、最初からそのつもりだったの〜?」
「そうよ〜〜〜…横島クンが優秀なGSだって言うのは話を聞いただけで判ったわ〜〜〜。だから、断られないようにまず最初に貴女と顔を合わせさせて置きたかったのよ〜〜」

六道理事長は、真面目な顔を作って話し出す。
だが…

「それ、嘘でしょう?」
「えっ?」
「連れて来たかったのは冥子ちゃんじゃ無くて式神のほうでしょう?」

俺にはある予想があった。

「えっ!?えっ!?お、オバサン何の事か判らないわ〜〜?」

六道理事長は、いたずらが見つかった子供のようにアタフタとしだす。
その態度だけで十分判っちまうっすよ。

「今日の話で俺がゴネたら、式紙使って脅すつもりでしたね?」
「ドッキーンッ!?」
「お、お母さま〜〜〜…」

ビンゴか……
俺と冥子ちゃんは冷や汗を流す六道理事長を一緒にジト目で睨む。

「オホン!あ〜…それよりもです〜……冥子〜…貴女も六道家の跡取りなんですから〜ここらできちんとした修行をしておかないと駄目よ〜?」
「で、で〜も〜〜〜」

そんな空気をごまかすように1つ咳払いをして、六道理事長は強引に話を切り替えた。
冷静に諭されるが、それでも冥子ちゃんは渋っている。よっぽど修行が嫌いらしい。

「それに〜…横島サンの所でしっかりと修行して〜式神をしっかりとコントロール出来るようになれば〜お友達もたくさん出来るようになるわよ〜〜〜?」
「え〜!お友達が〜?」

ちょっと待て!

「それは俺の所でじゃ無くても別に…」

―― シャキーン! ――

「…いえ、何でもありません。どうぞお話を続けてください。」

いちいち式神つかって脅さんで下さいよ……

「やるわ〜!お母さま〜〜〜!わたし頑張る〜〜〜!」
「偉いわ冥子〜♪それでこそ私の娘よ〜〜〜♪」
「あの…俺の意思は…」

―― シャキーン ――

「…無いんですね。」

アンチラの耳が〜!首の皮が〜!!

「これで万事解決ね〜♪それじゃあ握手して2人とも〜〜〜♪」
「もーどーにでもしてー……」

―― ニギッ ――

俺は投げやりに右手を差し出すと、冥子ちゃんの白く小さい手を握って口を開く。

「あ〜…あらためて宜しく〜…GSの横島忠夫です。本当は不本意なんですが〜…何だか良く分からん内にこんな事になってしまいました〜……とりあえず〜…プッツンしないようにがんばろー……」
「六道冥子です〜♪たくさんのお友達が出来るように頑張りましょ〜♪」

2人の動機はそれぞれ違うが、とりあえずやることは一緒。

ミッション1「プッツンを完滅せよ!〜GS候補生六道冥子修行編〜」

俺の命を守るために!!

「それじゃ〜あ〜…早速、横島さんが〜…お友達になってくれませんか〜〜〜?」
「えっ?」

俺がボーっとしていたら、まだ俺の手を握ったままの冥子ちゃんがそう切り出してきた。
その顔は少し緊張しているようにも見える。

―― そういえば ――

冥子ちゃんはプッツンの所為で、小さいときから友達いなくて美神さんが一番最初の友達だったとか……
そうか、のほほんとしてるからあんまりそうは見えないけど、本当に友達ってモノに飢えてるんだな、冥子ちゃん……
考えてみれば、物心付いた頃から友達が出来ないってのはすっげえ辛い事だよな。
友達は式神だけだった女の子か……
ん、そうだよな。

「……ああ、俺でよければ…さ、友達になろうか?」
「ほんとう〜?!」

俺の答えを聞いて、冥子ちゃんの表情がパーッと輝いた。

「本当さ。宜しく、冥子ちゃん。」
「うんっ!うんっ!よろしく〜横島さ〜んっ♪」

ああ、この凄い嬉しそうな顔を見てるだけで、俺のしたことが間違いじゃ無かったって思える。

「じゃ〜皆も〜横島さんに挨拶して〜♪」

―― チュッ、ンモ〜、ガーッ、シャキーン、ゴーッ、シャーッ、ヒヒ―ン、メェ〜、キキッ、バサバサ、ガルル、ブヒィッ ――

「俺は間違ったーーーーーーーーーぁぁっっっ!!!!」

そんな俺の魂の叫びは、12匹の式神の中に俺の体ごと飲み込まれていったのでした。

………………










―― コンコン、カチャッ ――

「横島さ〜ん…その後お体のほうに異常は有りませんか〜………きゃっ!?きゃあああっ!?横島さんっ!いったい何があったんですか?!こんな酷い大怪我っ?!!せ、先生っ大変ですっ!!大至急オペの準備をっ!!!」

―― ガチャッ、バタバタバタバタ ――
何処か遠くの方で、婦長の笹倉さんの声が聞こえた気がした。



今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa