#GS美神 告白大作戦! 「君といつまでも」
投稿者名:NGK
投稿日時:(03/10/12)
どうして君の事を思えば思うほど切なくなるのだろう―――。
君との付き合いは十年になる。
君は一度も僕に対して不平不満を抱かずに尽くしてくれた。
君は僕を守ってくれた。
君は僕の大切な―――。
「ふっ・・・こんな泣き言を言うなんて僕らしくもない・・・」
男の長い黒髪が風に舞う。
「先輩・・・大丈夫ですか?」
傍らで佇む三つ編みの女は男を心配そうに覗き込んでいる。
「気にすることはない。―――全て僕のミスだ」
君と付き合ってきた、この十年。本当に色々あった。
楽しいこと、辛いこと、君を抱いた事―――全てが思い返される。
もう君と巡り合うこともない・・・。
「もう終る、もう終るんだ・・・」
「先輩・・・そんなことは」
「終ったんだよ。全て」
男は皮肉めいた笑い顔を浮かべ、こう言った。
「まさか、あの馬鹿―――横島君にとられるとはね」
「・・・また出会いがありますよ」
「出会い?あるとは思えないな」
君以上のものは居ない―――。
男はその思いを込めて言った言葉に女は笑みを浮かべ、後ろに隠していた右手をそっと差し出す。
「・・・っ!」
「ね、言った通りでしょう?」
―――君と再び巡りあう。
君と触れ合っている時間が僕にどれだけ力を与えてくれたか、君は知らないかもしれない。
君と初めて一体になったとき、僕は喜びを感じた。
君と一緒に過ごしてきたこの十年という時間、本当に幸せだった。
その思いがつい口に出たのだろう。
「君が好きだ」
と、思わず呟いた。
こうなると止まらない。
止まる事が出来ない。
「君が好きなんだ!君と離れる事なんて僕には出来ない!!」
そう言って男は告白の相手を抱きしめた。
「もう―――君を放さない・・・永遠に!」
三つ編みの女―――魔鈴は何時の間にか男を遠めに眺める場所に居た。
「アレをとった事を先輩にちゃんと謝っていたほうが良いですよ。・・・よほど動転してましたから」
そう言って傍らで呆然としている横島に笑いかける。
「あそこまで結びつきが強いなんて・・・しかも愛の告白してますよ!?」
横島は何か見てはいけないものを見ている気がしていた。
「なにせ十年の付き合いらしいですから当然でしょう?」
魔鈴はさも当然という調子で言った。
「(確かに、普通はそうなのかも知れないけれど、アレはいくらなんでも・・・)」
と横島は深く考えてかぶりを振った。
西条には西条の事情があるのだろうと無理やり自分に納得させる。
「そんなもんですかね」
「そんなものですよ」
愛用のカツラに対して何がしらの言葉を幾つも紡いでいる西条を、魔鈴と横島は何時までも眺めていた―――。
―――了―――
今までの
コメント:
- 愛。人生色々。人それぞれ。千差万別。
・・・とまあ、いつものネタですな(笑)。 (NGK)
- ども、弥三郎です。
最初は魔鈴さんだと思ったんだけど、やはりNGKさん。
一筋縄にはいきませんなw
かつらに話し掛けている西条、もうダメですなw (弥三郎)
- 加○雄三ですか?(謎挨拶)
10年来の付き合いっていう事は、もしかして所有の愛剣よりも長く甘い関係を今まで築いていたってことでしょうか?(爆笑) (矢塚)
- 西条=禿はもうGTYではデフォルト・・・
ああ・・・NGKさんの力は恐ろしい (((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
10年の付き合い・・もやは親友と呼べるね☆(゜ー^)b (ユタ)
- 6行目でオチが分かった私は病んでますか?_| ̄|○ガクッ↓
お久ぶりでございます。KAZ23です。
既に○キの世界に足を突っ込んでいる西条・・・
・・・・・・哀れ(;。;)
面白かったです。w (KAZ23)
- >「そんなもんですかね」
>「そんなものですよ」
ってゆーか、ヒトとしてそれで良いのだらうか、西条(滝汗)
徹頭徹尾文章にしっくり来る『君』は『アレ』以外に思いつかなかった私ですが、それでも西条の倒錯ぶりには爆笑しました。
おそらく軽い気持ちでやってしまって、逆に焦っている横島くんも良かったし、妙に扱いに慣れている魔鈴さんも面白かったです。
西条……アレと幾久しくお幸せにね……(瞑目)
企画への2本目の投稿に感謝です。 (斑駒)
- アレへの告白というのオチもインパクトがあります。
十年前からアレのお世話になっていたという設定も涙を誘います。
でも、それ以上に「アレを愛用していたのが横島にバレた事」について西条が言及しない点に注目。
既に皆にバレていて失うものが何も無いからこそ、アレへの愛着が強くなるという事でしょうか?(笑)
投稿お疲れさまでした。 (dry)
- やはり、かつらだったか… 西条だと判った段階で判ったんだけど、しかしなんか憐れや(^^;
でも、彼ほどの霊能者がそこまで愛着篭めて使ってたら、九十九神化しそうな気も(爆) 西条×カツラの精みたいなジャンルが出来るのも、遠い事ではなさそうだな…(遠い目) (逢川 桐至)
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