ザ・グレート・展開予測ショー

#GS美神 告白大作戦!Ver.ぴろしき


投稿者名:ぴろしき
投稿日時:(03/10/12)

バイトが休みで、久々に朝から学校に行って、金が無いんで真っ直ぐアパートに
帰ったらカップ麺食って、とっとと寝て…

なんもない 虚しい一日で終わるはずだった


「ほんとになんもない…」

夕飯の買い物にはまだ早いらしく【綺麗な若奥様】や 帰るのが真っ直ぐ過ぎたせいで学校帰りの【可愛い女子高生】の姿を見る(ナンパする)ことなくアパートに辿り着いてしまった

(ひゅうぅぅ〜)

心に吹く風と妙にタイミングよく体に吹き付けられた風が同期して虚しさを万倍にも高めてくれる


『明日になれば美人な姉ちゃんが【ひとめ惚れって信じる?(うっふん)】と押し寄せてくるはずだ』
と在りえないであろう妄想に気分を奮い立たせ玄関のドアを開け

(がちゃ)


誰も出迎える奴なんかいないが
「ただい……」


(バタン!)


部屋の中を見た俺は踏み出した足を戻しターン…玄関の戸を閉めてしまった

一瞬の内に…後ろ手で……



ドアに寄りかかり 落ち着こう と深呼吸



とりあえず現状の確認


ここは俺の住むアパートだよな―――間違いない


部屋の番号も―――間違ってない


さっき一瞬見た部屋の中も―――朝の時とほとんど同じ…アレ以外は……



「………なんだアレは?」

口にしながら念の為 右手に栄光の手を構え、左手に文殊を握り締める


部屋の様子を窺おうとノブに手を掛けようとして

「…ドアが開けられん」

なんて俺は間抜けなんだ と思うより先に部屋の中から聞き覚えのある声が


「先生はどうしたのでござろうか…忘れ物でもしたのでは…このままでは拙者の計画が……」


(ぶっちん!ぶしゅぅ〜)←※コメカミに浮き出る血管がぶち切れて出血した音

「お前はなにをしとるんだ〜!!」

栄光の手によりぶち破られたドアが奥の窓ガラスを突き破り外に飛んでいった

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     #GS美神 告白大作戦!Ver.ぴろしき

                   「拾うでござる!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――

「お友達と一緒に家に帰っていたでござる…途中で『また明日ね〜♪』と言ってその子と別れてすぐの事…」

ん?…お友達?…タマモか?……でも途中で別れたって事は……そうか〜!こっちで遊べる友達ができたのか〜!
「良かったなぁ シロ」
「良くないでござる!」

俺の声に間発入れず怒りながら返すシロ…目が怖いです

まーまー と、おキヌちゃんのように優しくシロを宥め話の先を促す…シロの腕に鳥肌が立っていたのは気のせいにしておこう

「赤ん坊の泣き声が聞こえたのでござる…小さくて細い声が……」

「!」

俺はシロが何を話そうとしているのか…どんな事情があったのか分かった気がした

―――だからか、さっき『良かったなぁ』と言った俺を睨んだのは…

ここで謝ろうかと思ったが 黙ってシロの話を聞き続ける
誰かに話すことで、自分の口で言うことで少しは気が楽になるかもしれない

そう思ったから…話の腰を折らないようにシロの目を見て『ちゃんと聞いてるよ』と

「道端に…電柱の横に だんぼーる の箱があって………中に…中に……」

「すぐに連れて家に帰って…でもダメだったでござる」
震えた声で 泣かないようにと気丈に話すシロ

「! ダメだったって………まさかし「違うでござる!」
その様子から最悪の事を考えて思わず声を出してしまったが

「まだ大丈夫な様子でござった…でも」

「でも?」

「元の場所に返してこいって…「なっ!」 戻してこいって…」

まさか! いくらあの冷血守銭奴でも『警察に届けてらっしゃい!』とか『とりあえず病院に』とか保護するんじゃないのか?
元の場所に返せなんて…

感極まったのか俺の様子に気付かないで話を続けるシロ

「戻せなかったでござる…そんな可哀相なこと出来るわけがないでござる!」

―――だろうな…コイツにそんな事できるわけないんだよな

そっとシロの頭に手を伸ばす

手を乗せた瞬間ビクッと肩を竦め…撫ぜ始めると、ゆっくりと肩が落ちて…いつものシロに少し戻って…

「どこにも行けなくて……赤ん坊を抱いてそのまま宛て所も無く土手の上を歩いたでござる…」

―――なんでおキヌちゃんとか隊長に相談しなかったんだ?

「そうしていたら 後ろから母上の呼ぶ声が聞こえたでござる!」

―――母上?…里から来てたのか?

「『あなたには負けたわ』と、『ちゃんと面倒看るのよ』と言って許してくれたのでござる!」

―――『面倒看るのよ』って なんて無責任な…というかなんかおかしくないか?

「コレだ! と思ったでござる!」
手を力一杯握り締め どこか遠いお空を見上げるシロ


―――コレってなにが?

目を爛々と輝かせ、にへらにへらし始めるシロにちょいと疑問をぶつけてみる

「拾った赤ん坊はどうしたんだ?」

「ちゃんとその子の家で飼われることになったでござる!」

―――その子の家?

更に深まる謎に更に疑問をぶつける

「お前が赤ん坊を拾ったんじゃないのか?」

「拙者ならきちんと母親の元に届けるでござる! 狼の嗅覚を舐めてもらってはいけないでござる」

「その赤ん坊は届けらんなかったのか?」

「いくら拙者でもてれびの中の者の匂いまでは無理でござるよ」


(ぶぶっっちん!ぶぶしゅしゅぅ〜)←※両側のコメカミに浮き出る血管がぶち切れて出血した音

「テレビん中の話か〜!!」

拳か踵で激しい突っ込みを入れたかったのだが…世界が暗転した







        *** 出血多量の為 意識不明 ***






(がくがく)←首がもげそうになってます

「………ぃ ぉ………だされ」

(ぶるぶる)←良い感じで頭が廻っております

「せんせい 起きてくだされ!」

(ぶぉんぶぉん)←首から上がハンマー投げのように飛ばされそうです

気が付くと

「あぁぁ暮井先生の絵が見える………って やめんか〜!!」

俺を起こそうと豪快にシェイクしてくれてた…溺れかけて必死で岸に辿り着いたところに大きな石を投げつけられて沈められそうになった気分ってのはこんな感じ?



よくよく話を聞くと【教育】と名を冠した国営放送で『子犬を拾った子供が最初は飼うのに反対されて…結局最後はめでたし』のミニドラマ
赤ん坊ってのは犬の赤ん坊…子犬のこと



「で、コレに入って待機していた…と?」

部屋の真ん中のちゃぶ台…その上にでーんと置かれたどでかいダンボール……ノンフロン 容量500リッター 年間消費電力46315円 banasonic……冷蔵庫の箱下半分

「まったく…俺は雪乃丞あたりが厄介なもんでも置いていったのかって……」


俺が大丈夫と分かると『今すぐ持ってけ!』とばかり中に入り縁に両手を掛けて待機

「せんせい はやく拙者を拾うでござる!」

―――コイツは…部屋の中でどう拾えと?


「土手で散歩するでござるよ!」

―――散歩かいっ!

キラキラと輝く瞳、期待に胸膨らませ大きく揺れる尻尾


「今日から一つ屋根の下でござる!」

―――おまえは帰れ!

尻尾が箱の中をバシバシ叩いてちょいとうるさい





毎度お騒がせなアホ師弟のやりとりは、なかなか帰って来ないシロを心配した美神令子とおキヌちゃんによって幕引きされた

「晩御飯抜きにするわよ!」「まーまーシロちゃんも悪気があったわけじゃないですから」toシロ
バシッビシッブシッベシッボシッ(神通棍乱れ打ち) 「御免なさい わたしじゃ美神さんを止めるのは…」to横島

いつものように










まだ幼い人狼の少女はいつ気付くのだろうか


―――あなたの傍に居たい


――ずっと一緒に居たい


その思いが想いということに




少年はいつ気付くのだろうか

そう想われてることに



幼い人狼の少女の思いが想い人に届くにはまだまだ時間がかかるかもしれない

それまでは続くであろう騒がしい師弟のやりとり



真っ直ぐに

『先生の傍にずっと居たい』と思う

幼い少女の想いの告白

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