ザ・グレート・展開予測ショー

首謀者が消えた後で(その2)


投稿者名:ウェスペル
投稿日時:(03/10/ 7)

「何処だここは?」
 
 雪之丞はなぜか河にいた。向こう岸には誰かがいる。

「!!・・・・ママ!?」
 
 それは彼の良く知る母の姿だった。

「え?何・・・きちゃダメ?? なに言ってんだよ今いくぜぇ!!」

 彼は向こう岸へ行こうとする。
 が、彼の意思とは関係なく体が後ろに引き寄せられる。

「待ってくれ・・ママ・・・・ママァァァァ!!」

















「ママァァァァ!!」 雪之丞は起き上がりまずそう叫んだ。

「「うるさい!!」」 そこに美神とすこし前に起きた横島の二重つっこみがきまる。

<バキィ>「グハ・・!!」

 あ、またママが見えたかも・・・そう思いながら彼は倒れた。

「これはいったい何の騒ぎなの、令子。」

 そのすぐ後にGメンの制服姿の美智恵が入ってくる。
 どうやら死角になって雪之丞は見えなかったようだ。

「別に・・・それより何か用、ママ。」

「あ・・そうよ大変なのよ! 実は・・・。」 美智恵が仕事の内容を話そうとする。

「ギャラは?」 が、令子には仕事の内容より金のほうが重要であった。

「あんたって子は・・・ところで、令子。
今Gメンで『謎のエンジントラブルによる飛行機墜落事故』についても調べていて
その原因が誰かさんの罵詈雑言だってわかったんだけど・・・」

一瞬、娘を叱ろうと思うが、急いでいるので微笑んでそう言う事にする。

「ワカリマシタ・・喜ンデヒキウケマス・・・」

 令子が引きつった笑いを浮かべぎこちなく言う。

「・・実は三日前、ある研究所跡地で悪霊が大量発生したっていう通報があったのよ。」

 美知恵が母として悩みながらも事態を説明する。

「悪霊の大量発生、原因は何なの?」

「その調査および解決があなたたちへの依頼よ。」

「!ちょっと待って。 Gメンからの情報提供はないの!?」

「・・・二日前、西条クン達が調査に行ったんだけど連絡がとれないのよ。」

美知恵が顔を伏せて言う。

「「「西条(さん)が!?」」」 令子、横島、おキヌがほぼ同時に驚く。

「早く助けに行かないと・・場所は何処!?」 令子が取り乱しつつ神通棍を握る。

「落ち着きなさい!!」美知恵が物凄い剣幕で怒鳴る。

「・・・・!」その声にたじろぎ令子は言葉に詰まる。

「・・早く助けに行きたいのは私もいっしょよ。
でも、あの西条クンが生死不明になる事件よ!慎重に行動しないと私達も・・・」

美知恵はそこで言葉をにごす。

「あー、それに関する情報、オレを雇うっていう条件で教えようか隊長さん。」

突然、復活した雪之丞が横から言う。

「雪之丞クン!!いつからここに・・・?
いえ、そんなことより、この件について何か知ってるのね!!」
 美知恵が少し驚いて言う。
「ああ。オレは今ちょうどその件についての情報をもっている。」
「ならすぐ教えて!依頼料は一千万でいいわね!?」
「・・交渉成立だな。 じゃ、オレの知っている情報を教える。」



「その話わしらにも聞かせてもらおうかのう。」

 タイミングよくDrカオスとマリアが入ってくる。

「私達も〜〜協力するわ〜〜〜〜。」 冥子が入ってくる。

「友人として西条クンを助けるのは当然だよ。」 唐巣が

「僕も先生と同意見です。」 ピートが

「私達もオタクの母親に呼ばれたワケ。」 エミが

「ワッシじゃって今度こそ活躍してみせますケン!!」そして、タイガーが入ってくる。

「ちょっ・・なんで、そう都合よくみんなゾロゾロ来るのよ!?」美神が言う。

『『あ、美神さん(どの)、
そっちの話が一段落したみたいだから入ってきてもらったから(でござる)。』』

「あんたら盗み聞きしてたんかい!!」

「あの・・・そんなことより話していいか?」雪之丞がかき消されそうな声で言う。

「ええ、この子の事は気にしないで。」美知恵が冷や汗を流して言う。

「じゃ、この場所について話すぜ。
ここでは半年ぐらい前まで心霊兵器の開発が行われていたらしい。」

「「心霊兵器ですって!?」」美神母子が驚く。

「それってあの茂留田と須狩がやってた・・・!まさか魔族と・・」令子が言う。

「ああ。ここは魔族と取引していて、上級魔族の製造まで進めてたっていわれていた。」

 雪之丞が言う。

「上級魔族って言ったらメドーサ級の化け物よ!そんな代物人間がつくれるわけ・・」

「理論上は可能じゃ。エネルギーさえつぎこめばな。」

令子の言葉をさえぎりDrカオスが言う。

「ところがアシュタロス戦後しばらくして急に人の出入りが絶えて今に至るそうだ。」

「ならなんで今更悪霊の大量発生なんかが・・?」美知恵が言う。

「・・ところで雪之丞、その心霊兵器に関する何か具体的な情報はないの?」

 令子が雪之丞にたずねる。

「いくらなんでも研究内容まではわからん。」

「それじゃあ結局、わかったのは上級魔族がいるかも知れないってことだけね・・。」

 美知恵がため息をつく。

「・・悪かったな。とりあえずそれ相応の準備ぐらいはしといてくれ。」

 雪之丞がぶっきらぼうに言う。

「なら、西条さんが心配だし準備が出来次第行きましょう。」令子が言う。

「・・・みんなGメンの車に乗って。今から現場へ向かうわ。
車の中にGメンの装備が積んであるから必要なだけ使って。」

 美知恵が全員に呼びかける。

「さすが隊長。娘とは大違いなワケ。」エミが言う。

「エミ。まるで私がケチだとでも言いたいみたいね・・・。」令子が言う。

「令子クン!エミクン!今はそれどころじゃないだろう!!」

 しかし、その唐巣の声は二人にとどかない。

「あれ?言ってないのにわかっちゃったワケ。
オタクほ本当は自分が守銭奴だって自覚してるんじゃないの?」

「なんですって?そっちこそ男のことしか頭にないじゃない!この万年発情女!!」

「それじゃあそっちはいつも女とイチャついてるレズなワケ!!」

「二人とも〜〜〜喧嘩はやめましょうよ〜〜〜〜〜。」

 二人の間にオロオロした冥子が割って入る。

「「うるさい!!」」エミと令子が同時に怒鳴る。

「ふぇ・・そんな〜〜そんな言い方しなくても〜〜〜〜」冥子の目が潤む。

「あ・・待って冥子!ごめん!今の許して!!お願い!!」

「わ、悪かったワケ!!ちょっとカッとなっちゃっただけなワケ!!」

令子とエミが必死になって謝る。

「ふぇ・・?・・もう二人とも〜〜喧嘩しない〜〜〜〜?」冥子がたずねる。

「「しません!!天地神明に誓ってしません!!」」二人が同時にうなずく。

「だから二人と好き〜〜〜〜〜〜。」

 二人の努力のかいあって冥子は泣く一歩手前で踏みとどまった。

「三人とも何してるの!早く乗って!」すでに車の運転席に座った美智恵が大声で言う。

「は〜〜〜い。今行きます〜〜〜〜。令子ちゃん、エミちゃん行きましょう〜〜〜。」

「「えぇ、わかったわ・・・。」」半ば冥子に引っ張られる形で三人が車に乗る。

そして、若干の不安を抱きつつも車は目的地へと出発した。

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