ザ・グレート・展開予測ショー

茶碗〜とある夫婦編〜


投稿者名:BOM
投稿日時:(03/10/ 5)

お初にお目にかかります 新参者のBOMといいます
文才あまりないほうなので駄文の可能性99・9%です。
どーかこれからよろしくお願いします。



茶碗、世間一般では飯を盛るために使うモノ
その茶碗が今、俺の目の前にある
しかし、これは普通の茶碗ではない
大小1組セットのもの いわゆる夫婦茶碗というやつだ
そして、その片方は割れている いや、正確に言えば割ったというやつであろうか
しかも俺が、故意に

きっかけはささいなことだった 他人から見たらホントーになんでもない、
ただのすれ違い
そのうち喧嘩になって、だんだんとイラつき、俺は近くにあったソレ、
小さな茶碗を投げつけた

真っ二つに割れた後で、粉々に割れた
荒々しくなった呼吸を普通に戻して、彼女の顔を見ると泣いていた
泣き崩れてぐちゃぐちゃだった もう、どうしようもないほどに
たった2、3秒ほどの間だったが、その空間だけが20年、30年の時が
一瞬にして流れ過ぎたようだった
彼女は立ち上がり、何も言わずに行ってしまった その後には涙が残っていたようだった

思えばそれは、彼女と結婚したとき初めて買ったものだった
「いまどき夫婦茶碗なんてなぁ・・・」
「いーじゃない、こーゆーのがあった方が、夫婦って感じするでしょ?」
「・・・ま、それもそーだな、よし、買っちまうか!」
(実際は彼女の笑顔に理性が吹っ飛びそうになったからだけど・・・)

その思い出の品を、俺は割ってしまったのだ
すぐに追いかけようとした、けど、動けなかった・・・
     コノママデオイカケテイイノカ?
俺は追うのを止めて、茶碗の修復にとりかかった
「口先の謝りだけで、すまされるわけないよな こりゃ」

文殊で直そうとも思った でもそれは間違いなんだと気がついた
こんなんで直したって、許される罪じゃない
それに彼女の泣き顔が俺を苦しめる・・・
「よし、あれを使うか」
そう言って取り出したのは、[セメンダインα(Ver・カオス)]

「ふー、できた・・・!!」
それは決してキレイとはいえない、ヒビだらけの茶碗
所々が欠けている、接着剤の痕が残る茶碗
「こんなんで許してくれるかな・・・?許してくれよ・・・?」
          俺は駆け出した






今、2人の前にあるのは一組の茶碗
片方が割れてて、ヒビだらけの茶碗
所々が欠けている、接着剤の痕が残る茶碗
その茶碗に盛られてるのは、たきたての飯よりあたたかい、
想いという名の温かいココロ







今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa