ザ・グレート・展開予測ショー

3分待ちましょう


投稿者名:NGK
投稿日時:(03/10/ 1)

チク・・・タク・・・チク・・・タク・・・

ゆっくりと奏でられる針の音。
いつもは3分などあっという間に過ぎるというのに、何故こんなにも待ちきれないのだろう。

「タマモ・・・何分経ったでござるか?」
「まだ30秒。あと2分と30秒ね」

いら いら いら いら

空腹で空腹で頭が変になりそうだ。
時間が経つのが遅い。

「タマモっ!」
「あと2分」

口調や表情からイラついている事が分かるシロを見て、タマモは溜息をついた。

「あんたねぇ・・・3分も待ちきれないの?」
「で、でも・・・拙者、お腹がすいたでござるよ・・・」
「だから待っているんじゃないの」


チク・・・タク・・・チク・・・タク・・・
ゆっくりと奏でられる針の音。
いつもは3分という時間は中途半端なだけの時間だと思っていたのに、何故こんなにも至福の時間に思えるのだろう。

「うふふふふ・・・」
「タマモ・・・もうそろそろできる時間でござらぬか?」
「まだあと1分だから待ちなって」

わく わく わく わく

楽しみで楽しみで頭が変になりそうだ。
時間が経つのが遅い。

「タマモっ!」
「あと30秒」

口調では落ち着いているが表情を見ると楽しそうに笑っているタマモを見て、シロは溜息をついた。

「待つのがそんなに楽しいでござるか?」
「楽しいわよ・・・うん、3分経ったっ!」

がばっ とフタを開けるシロ。
しゃっ とフタを開けるタマモ。

二人はおはしを手にとり「いただきます」と言うと、待ちかねたかのように麺を口に流し込む。

する する する する

「はぁー・・・五臓六腑に染み渡る旨さでござるな!」
「うん!油揚げも美味しいし言う事は無いわね!!」

二人はインスタントキツネうどんの味を心の底から味わっていた―――。



―――完―――

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