ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その15)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 9/28)

「私の名はマチュア。突然で悪いけど、リナ王女、頂かせてもらうわよv」


「そんなことさせるか!!」
横島は、霊波刀でマチュアに斬りかかる。
「フフッv」
ガキンッ!!
「!?」
「フフッ、惜しかったわね。」
マチュアは、横島の霊波刀を、右手に持っていた扇で、いとも簡単に受け止めた。
「クッ!!」
横島は後ろに下がり、間合いをとる。
「もう終わり?それじゃ、こっちから行くわよv」
そう言うとマチュアは、扇を持つ右手を、勢いよく振り下ろす。
ヒュッ!!
空を切る音と同時に、扇の先から、真空の刃が現れる。
「!!」
ザシュッ!!
「グァッ!」
真空の刃は、横島の左肩を切り裂く。
「横島っ!!」
「くっ!文珠!!」
横島は"治"の文珠を、出来た傷口に当てた。
それにより、真空の刃によって出来た傷口が瞬時に塞がり、出血は止まった。
「さぁ、もう一度いくわよv」
マチュアは、再び扇を持った右手を振り下ろす。
バシュッ!!
再び現れた真空の刃が、横島に迫ってくる。
「くっ!サイキックソーサー!!」
横島はサイキックソーサーを出し、真空の刃を防ぐ。
「あら、防がれちゃったvなら、これならどう?」
マチュアは、扇を振り上げ、それを一気に振り下ろした。
ビュウン!!
今度は、十数もの真空の刃が、横島に迫る。
「でぇぇぇぇーーー!!」
横島はサイキックソーサー、次々と襲い掛かる真空の刃を何とか防いでいく。
「あら?なかなかやるわね。」
妖艶な笑みを浮かべるマチュア。
「なら、これならどう?」
ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!
マチュアは、扇を持った手を何度も振り下ろす。
それにより、数十もの真空の刃が、横島に迫ってくる。
「くっ!!」
なんとか防ごうとする横島。
横島は迫ってくる真空の刃を、サイキックソーサーで次々と防いでいく。
しかし、最後に迫ってきた真空の刃を防げず、その刃は、横島の右肩を切り裂いた。
「ぐっ!」
その場に膝をついてしまう横島。
「横島!!」
叫ぶリナ。
「だ、大丈夫っスよ。」
横島は、左手から霊波刀を出し、それを地面に突き刺し、杖がわりとして、なんとか立ち上がった。
「あら?まだ立てる体力が残っていたのね。」
「生憎だけど、俺の生命力はゴキブリ並みなんでね。」
ニヤリと笑う横島。
「あらそう。なら、これならどう?」
再び、妖艶な笑みを浮かべるマチュア。
そして、扇を持った手を、再び振り下ろした。
バシュッ!!
再び現れる真空の刃。
その刃が向かった先にいたのは・・・・・、リナだった。





「!! くっ!!」
横島は、リナを突き飛ばす。
「きゃっ!」
突き飛ばされたリナは、地面に倒れる。
そして、上半身を起こした時、リナは驚愕した。
先ほどまで、リナがいた所にいる横島。
その横島の体に、真空の刃が当たる。
ザシュッ!!
横島の服は裂け、体に、大きな1本の線が浮かび上がる。
そして、その線から、大量の血が噴き出した。
ブシューーーー!!
ゆっくりと倒れる横島。
リナの目から、涙が浮き出る。
「よ、横島ーーーーーー!!」
泣き叫ぶリナ。
倒れた横島は、最後の力を振り絞り、"治"の文珠を1個作り出し、それを傷口に当てる。
傷口は瞬時に塞がったが、大量の出血のせいで、横島の意識はもうろうとしていた。
「あら?まだ生きているの?本当にしぶとい男v」
嬉しそうな顔をしながら、マチュアは、横島の傍に近付いた。
「貴方みたいなタフな男、初めて見たわvどう、私の恋人にならない?」
「・・・・・・。」
「もしも恋人になってくれるのなら、私の体、好きにしてもいいわよv」
あまりにも魅力的なものであった。
普通の男なら、迷わず"はい!"と即答するであろう。
しかし、横島はニヤリと笑い、言った。
「テメェみたいな女と付き合うより、リナ王女の下僕の方が、100倍マシだ・・・・。」
そう言った後、横島は意識を失った。
「あら、そう?なら、死なせてあげる!!」
マチュアは、右手を振り上げる。
ヒュッ!
バチーーーーン!!
「!?」
マチュアの扇が、光の鞭によって弾き飛ばされる。
「悪いけど、そいつの生殺与奪の権利は、私が持っているの。好き勝手はさせないわ!」
鞭状となった神通棍を持った美神が言った。
「あら?貴女から会いに来るなんて。私、嬉しいわv」
美神を見て、マチュアは笑う。
「ここで貴女を殺すことも出来るけど、リナ王女を頂くのが目的だから、今回は特別に見逃してあげるわv」
ヒュッ!
消えるマチュア。
「横島ーーーーーーー!!」
リナの泣き叫ぶ声が聞こえる。
気がつくと、公園にいるのは、美神と、地面に倒れたままの横島の2人だけだった。
リナがいた所には、横島がリナに渡したバンダナがあった。
「くっ・・・・。横島クン!?」
横島の所に駆け寄る美神。
しかし、大量の出血により、横島は危険な状態であった。
美神は、横島を外に止めてあるコブラに乗せ、病院へと向かった。





時を同じく・・・・。
「あ、あ・・・・・・。」
首を掴まれ、高々と持ち上げられる魔鈴。
「あまり、私を嘗めないでほしいものだ。」
怒りに満ちた表情で、持ち上げた魔鈴を見るギルファ。
そして、傷だらけとなっている西条とアリス。
別の場所で、もう1つの戦いは始まっていた。


続く

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