ザ・グレート・展開予測ショー

頑張れおキヌちゃん!  除霊道オリンピック!  〜ウルトラ百合子を越えて行け!!〜


投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(03/ 9/26)

●メインタイトル

滑車が軋む音に、光が右手よりさらりと入り込む余地がある。
画面下地には砂利に包まれている。
光が包まれると、「が」「ん」「ば」「れ」と一つずつ文字が照射しつつ表示される。
「がんばれ」と記述し終えたところで、砂利は一斉に動き始める。
さらに黄色い唸るような音楽がエコーされながら、真ん中に縦に軸が入ったような線対称に、右側からはレフト回転、左側からはライト回転を始め中央に寄っていく。
それは更に青い光が下側から耀き差し込まれていくと、対称回転されつつ文字とはっきりとさせられ完成されていく。
その文字は、下拡大・上縮小の形で3Dロゴで「おキヌちゃん」とデカデカ表示され、
背景の砂地が消えると赤袴に青胴衣をした人間姿のおキヌちゃんが拳を構え彼方へ飛んでいく。
その直ぐ下には「空想除霊特撮シリーズ」と銘打ちされていた。



●主題歌「少女の夢は生きている 頑張れおキヌちゃん」


タイミング良い歯切れのパーカッションが2小節入る。
ハイテンションのドラバスに、エレキギターの冴えた響きがマッチし、そこへトランペットが高らかに鳴り響きバックテーマが流れる
歌うのは、R次郎、Muカリウム、アストラSay、椎名MAKOTO…
旧グループ「KusuKusu」だ!


♪おキヌちゃん おキヌちゃん
♪そこだ それ行け おキヌちゃん

Wel、Soluda−Dee−Kewka

♪はるか風を共に 空を駆け巡らす
♪見知らぬ大地でも 夢に胸を膨らませるよ
♪空に映し出された おキヌちゃんが待っているからさ

♪躓き倒れ傷ついても 進むのは
♪誰の為 知る人 知らぬ人の為
♪優しいのさ

♪おキヌちゃん おキヌちゃん
♪がんばれ みんなの おキヌちゃん
♪おキヌちゃん おキヌちゃん
♪そこだ それいけ おキヌちゃん



●一回戦 途中

OPテーマも終わったところで、前回の続きである。
血ツバを吐き捨て笑顔で迎える百合子。
その手の仕草が、まるで猫のようにしなやかに見え、罠ではないかと思うところだ。
望むところとは言ったものの、その手前不安があった。

百合子の仕草は、かつて事務所しかも美神の前で横島忠夫を張り飛ばしたところも見ているから分かっていた。
しかし、旦那の大樹すらそうそうは受けたくないと言う殺人パンチがある以上そう簡単には踏み込めない。

「こないのおキヌちゃん?」
冷たく溜めのある声にハッと我に変える。

勝ちたいとは思う。
でも、勝つと言う事は、其れは・・・・
そう考えている間に、百合子の右拳が眼前に迫っていた。

「!!」

その間0.0001秒の事。
が、寸出の0.00004秒で4本指を交わした。
それでもキヌの頬に親指がかすめる。

「つ……」
「来ないのおキヌちゃん?」

直後、次々と右、左、右、左、斜め右上、斜め左下と0.0001秒のタイミングで浴びせる。
それも的確にスピードを掴んで翻弄させる。
避けるだけで精一杯のようにキヌの息が荒れてくる。

「お、おキヌちゃん!」

美神が思わずリングに駆け寄ろうとする…
が、大樹が美神の肩に手をやり押さえつける。

「て、テメー親父!
 こんな時に俺のものに手を出し…ごぐっ!」
「誰が俺のものよ!!」

更に美神の足蹴りが忠夫に命中するや、同時に効果音がステレオになる。
キヌに致命的な一打が心臓に入ってしまったのだ。
でも、キヌにしては痛んだような顔を見せず、苦しさも表情に出していない。

「…予想してたよりも軽かったですよ、百合子さん?」

!!

百合子は思わず後頭去る。
何よりも、今まで百合子がダメージを与えた奴は全員吹っ飛んでいた。
けれど、現にキヌは完全に堪えている。

「ハヌマン様直々に鍛えて頂きましたから。」

そうか。
そう気付くと、向こう陣地のギャラリーを見てハッキリした。

「なるほどね。大樹とハヌマンの差し金ってわけね。」
「…まー、そういっちゃそうですけどね(苦笑)」

キヌは冷汗で笑いかける。
そこに、百合子は隙を突いて・・・

どぐぅぅぅ!

・・・殺人パンチを再び胸奥まで食らわせる。

「いっや〜〜んばっか〜〜ん、ゴホホ、そこーはおチチなの、ゴフォ、うっふん♪」
「林家木久蔵かお前は!」

苦し紛れに咳を交えてまでネタをかましたキヌ。
そこへ思わず百合子は突っ込んでしまう。
実は、ここからがキヌの見せ場だったのだ。
そうその通り、倒れ込むフリをし、腰から笛を手にとったのだ。

「ま、まさかその笛・・・」
「本領発揮!百合子さん、一刀一太刀の勝負です!
 …勝ったら…」

キヌは最後の方で言葉を濁した。
何を言おうとしたのかわからなかったが、顔を赤くするような事と言えば…
多分、忠夫の事ではないかと百合子は推測していた。
ここで忠夫がクシャミすれば明らかにそうだと言い切ってしまうところだろう。
とりあえず、頷くだけ頷いた。
うなづきトリオだ。

「…笛よ…」

キヌは溜め込みつつ、笛を握る右手に念を込め始めた。
右の拳が青白に光る霧を放ち、軽い唸り音を立てている。
その音は笛に共鳴し、キヌの声の指示を待っているかのようだった。

「…刀に変われ……!!」

キヌが唱えるところ、念が笛に伝わるや笛の概念が壊れて変形し始めている。
百合子はその光景を見るや、右拳と左拳を両方手刀にきりかえ、精紳を鋭く研ぎ澄ませる。

「おキヌちゃんのあれほど凄まじい気は始めて見たわね。
 全身の気が、刀だけに「勝たな」くてはとばかりに集中してるのか…」

手刀はキヌの能力刀ほど大きさは無いが、その分、壊力を秘めているのは見える。
それに加え、スピードも小回り度も百合子の方が上のようだ。


「これで・・・決まるな・・・・・・・!!!」
「そうですな、ハヌマン。」


大樹とハヌマンはそう一言交わす。
会場中で、一斉につばを飲む音が聞こえると、歓声は一切消えうせた。

「勝負です!」

キヌの張りの良い声がリングを蹴散らす。
リングロープを背後に、互いに足で反動を溜め込む。
其れとは逆足を二人は浮かせると、踏み込み、軸足としたところでリングロープを蹴り上げ反動で
リング中央へ向かい飛び交う


ずざぁぁぁぁ!!!


キヌの能力刀と百合子の手刀が派手にぶつかり合う。
始めは手回りの聞く手刀の方が有利だった。
そこへ・・・漸く、創作者こと解説者の出番が廻ってきた。

『おおっ、これは手刀と能力刀の激しい斬り付け合いです!
 両者とも、凄い形相でにらみ合い、どちらが壊力が上かの大勝負です
 ……っと、派手に二人とも落ちました。大丈夫でしょうか?』

二人は気力を使い果たし空中から、リング地に落ちた。
力は二人ともほとんど同等だったが故、ここまで切羽詰った勝負となったのだ。

『では、カウントを取ります。
 テン・ナイン・エイト・セヴン・シックス・ファイヴ!
 フォー・スリー・ツー・ワン・ターーーイム…ん?』

タイムアウトと言い切る手前、キヌは起き上がるや寝首を掻いた!
とどめの必殺技を出したのである。

「とどめ!必殺・ギャグレキストラッシュ!!」

その通り。
キヌはさらに創作者を刀の威力に加え…百合子に飛ばし錘側に乗せ…
っていうか、

「のええーーー、いつ間におキヌちゃん俺を敵に飛ばすんじゃーーー!」
「気付くの遅せーーよ!」

自分自身がキヌに投げ飛ばされるなど考えもしていなかった。
というわけで、

「…ターイムアウト!」

と、自分自身で百合子の上に乗りながらカウントしてしまい、結果、百合子は負けになることはなかった。
百合子の方が数倍怖いし(本音)


「…ごめんなさいい、ごめんなさいいっ!
 俺のせいじゃないですーーーーー!」
「そうよ、創作者を出す事自体反則だからおキヌちゃんの方を負けにしなさい!
 そしたら許すわよ?」

創作者の俺は汗ジトでおキヌちゃんを反則負けにする以外なかった。
しかし、私も負けじと交渉する訳で。

「じゃ、じゃあ試合には勝って勝負には負けたという設定でお願いしますよーー百合子さん?」
「いいわよそれで。正直、おキヌちゃんがここまでやるとは思わなかったし。」



ここでゴングを鳴らし、創作者こと解説者は試合終了を告げた。

『第一試合、氷室キヌ選手 VS 横島百合子選手…横島百合子選手の勝利とします!』


歓声やら罵声やら、観客から缶やブーツ、岩を投げつけられる創作者のシーンで
第一回戦の幕を閉じたのである。
この後、解説陣から創作者一向は降り、厄珍に任されることとなったのだった。



そしてその後、GSサイドの控え室では。

「試合には負けましたけど、勝負には勝ちました!」
「試合に勝ちなさいよ、おキヌちゃん・・・(苦笑)」

美神の突っ込む声が聞こえたそうな。

「おキヌ君、それは威張れる事じゃないだけど、わかってるかい?」

唐巣の冷静な言葉も受け、次、2回戦に向け準備するのだった。



●二回戦前・・・

「ねーえ、××××ちゃん。
 さっきのおキヌちゃんには勝てる自信ありまちゅか?」
「あれだけの能力なら、勝てるかもしれないけど・・・
 やっかいなのは、あの特殊武器よね。変幻自在なんでしょ?」
「でもやるだけやってみなよ、××××!」

・・・・・
この三人組、どこかで聞いたような声だが…
はたして、この3人は?



次回、『再開?横島忠夫の苦難』
××××と美神令子の間で恐怖の血の雨が降るかもしれない・・・・・

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