ザ・グレート・展開予測ショー

GSYDそしてM


投稿者名:三遊亭楽栄
投稿日時:(03/ 9/17)

  さーー、ついにツーナッシングスリボー!
  ピッチャー、第6球目を投げましたーーー!


つばをごくりと飲む横島とエミ。

今日は今日とて、完全に横島は虎の皮を被り、
エミは神竜伸介の格好をしていました。

「行け−−!行くのよ小松〜〜〜♪」
「ふん、そんなの打っちゃれーーー♪」
「何ですってぇ、このオタク!」
「大阪人と言えは、タイガースッスよ!タイガースは最強じゃーーーっはっはっはっはーーー!」


                                            ウムムヌヌ!



横島とエミは。顔を互いに向け、火花を眼前にちらつかせていました。。
マサに、竜虎対決だったのです。


その背後には、ヤクルトスワローズを愛するタイガー。
そして、読売ジャイアンツを愛する美神令子の姿がありました。

  小松から放たれた第6球、おおっとおおっと!
  打ち、打ちました逆転満塁サヨナラホームラン!
  優勝です、優勝です我らが大阪タイガース!!
  ひさしぶり、実に久しぶりの18年ぶりの大快挙を為しましたーーーっ!!


                                  がっっっっくり!


「ああん、せっかく地獄組組長から闇ルートで買ったベンチ席の特等席なのよ……なんでジャイアンツ戦じゃないのぉ?」

美神は、肩をベンチの地べたまで落としていました。

「ワッシの、ワッシの燕ちゃん……うおおおん!」

そしてタイガーは体に似合う大泣きです。
それはもうはっきりいって、ウドのタイガーと言ったところでした。
横島はすると・・・肩を叩いてこういいました。

「大丈夫!人間の顔じゃないさ。」
「どういう意味じゃーーー!」

さらに大泣きした涙はたまりにたまり、球場一杯にたまりそうでした。
そして六甲おろしが六甲の水に成りかけていました。

「さぁさ、タイガース優勝♪
 エミさん何てさ、燃ーえ尽きよドーーラゴンズーーー♪とでも熱唱し照れば良いのさ。」

ルンルン気分で、横島は帰ろうと準備していました。
何しろ、家のビデオに撮ったのを何べんも見ようとしていたからです。

「あ、それから美神さん♪
 賭けに負けたんだから、この誓約書どおり、金50万宜しく〜〜〜♪」



宜しく〜〜〜
宜しく〜〜しく〜
ヨロヨロ〜〜シクシク〜〜〜



美神は体から気が抜けていきました。
その横に居たおキヌちゃんは、

「だから、美神さん。賭けはやめといたらって言ったんですよ♪」

しかし、美神には聞こえてないのでした。
その横を通り過ぎようとする横島に、頭から球状の崩れかけた破片が当たりました。

「や、やだなぁ美神さん。
 賭けに負けた腹いせに殴ろうだなんて……で、ででえで!
 ち、ちょっと殴りすぎですよ美神さ…………がぐわん☆」


破片を美神の御怒りだと思っていた横島には、次々と破片が落ちていました。
正気を失い、既に魂があの世行きになりかけていたのです。
でも、その原因は………

「だ、大震災?」
「そのようですね、早く非難…」

と、球場自体が揺れているのでそう感じました。
ですが、エミはあることに気がつきました。

「令子!これは地震じゃないワケ!霊揺ね。
 しかし、この霊には何か覚えがあるワケ………」
『それは、そうーーーーだ!魔、ドーム!』


魔ドーム。
それは野球ファンの怨念が込められ生まれた妖怪です。
言うまでも無く、美神の陰気と横島の恨みが召喚させてしまったのです。


「げ、魔、魔ドーム!?」
『けーーけけけ、またあったな美神。そしてエミ!
 呼び出したのはおみゃーーらだなも!』


魔ドームは再び復活してしまいました。
あのときの、血みどろな霊力野球が繰り広げられようとしていたのでしょうか?

『大阪タイガースなんて大嫌いや!
 そんな奴、こーしてこーして…勝負で打ち負かしてやるのだ。』
「ふっ、それはどうかな?」

いつの間にやら横島も復活していました。
しかも、二枚目風に歯を光らせ、髪をさらりと背後までなすり揺らしました。
カッコ良過ぎの、ジャニ顔でです。

その格好に嫌気がさした魔ドームです。
怒りに震えつつ、打てるものなら打ってみろとばかりに、マウンド後ろのセカンド後ろ、センターについていました。
しかも、ここに都合よく小山カメラマンとササヤキリポーターが出現し、野球中継を始めました。


  えーー、突如、大阪タイガース優勝に対抗し魔ドームという挑戦者が現れました。
  ピッチャーとして、あれほど遠くからキャッチャーミット目掛けて投げ入れようとしております。
  対するは、大阪タイガースの大ファン・横島忠夫です。
  果たして、魔ドームはどのような玉を…お?

「この俺の、ハンズ・オブ・グロウリーでどんな玉でも跳ね返してやるぜ!」
『行くぞ、このコワッパめ!魔球・サンダーストームバキュームボールだ!』

  ピッチャー魔ドーム、第一級投げましたーーー!
  は、速い速い速い速い!
  小山カメラマン、早くボールを映して…
  …背が高すぎてフィルムに入りません!

などとしょうもない解説の最中、ミットにボールが吸い込まれました。

   ストライーーク!

審判のコールはともかく、このスピード眼には・・・

  4、420キロ!?
  し…、これは史上最速です。
  しかもらせんのようなコースを描き、華麗にミットに吸い込まれましたーーーあ!
  さて、このボールをどう攻略するか……

と見ると、横島は楽勝の笑みを浮かばせていました。

『平然としやがって、打てるもんなら打ってみろ!』

東急モーションから、腕を振り投げたところでした。
そこへ、横島のハンズ・オブ・グロウリーがボールがはじき出される瞬間までの距離に伸びて変形していました。

「必殺、ハンズ・オブ・グロウリー・イン・オートメジャー」

そうです。
さうです。
オートメジャー状に伸びた霊剣が魔ドームの体を持ち上げ、球場外まで放りました。

  うおおお!
  これは、これは‥‥場外ホームランといいたいところですが……
  ここはドームなんですねえ、球状の天井をぶち破った文はどうします?
  いやー、それは打ったものの責任でしょう。



「…げ!」



横島は真っ青になりました。
魔ドームを打ち破ったものの、打った横島が修理費を出す羽目になるとは誰も予想してなかったことでしょう。
しかも、この間に美神とエミが背後にたっていようとは数十秒後まで気付かなかったようです。

「「ヨーコーシーマーーー!」」

二人の声がステレオになり、手をポキポキ鳴らす音が聞こえました。


「「野球ファンの恨みっっっ!!! 思いっ知れーーーーー!」」
「ひえ、お許しを、お許し…」




ドギャメゴズゴゴゴ・・・・・・・・・・・・




この後、横島は夜通しで2人にタコ殴りにされました。
そして50万をかけた請求書は破棄、全て横島の50年分の給与で修理する事となったそうです。










おキヌちゃん 「あのーー皆さん?これはフィクションですので、絶対に怒らないで下さいね。怒った人は、呪っちゃいますよ♪」

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