ザ・グレート・展開予測ショー

虹色の笛〜〜♪(第一声)♪〜〜


投稿者名:えび団子
投稿日時:(03/ 9/16)


朝は早く、近頃どうも冷たくなってきたアスファルト。
夏は過ぎ秋の到来を告げる風。めっきり電気代が落ちた今日この頃。
日に日に寒さは増していき、枯れ葉が落ちる季節。
前まであんなに五月蠅かった蝉のさえずりもピタっと止んだ。




      ――――――――綺麗な・・・音色ね――――――――




窓から眺めるその世界は寂しげで人が溢れているのに活気がない。
不安と恐怖が一杯で、優しさや安心は過去の産物になってしまった。
記憶によれば数日前か、俺の中にある意識が変わったのは。
少しの失敗も許されないこの世界で。一瞬の気の緩みから。
あってはならない事故が。数秒のコンマの反応が出来ていれば。









  ――――――――時間が、二度も止まっちゃった・・・――――――――









今更で遅いけど、吹かせて欲しい。俺の為に・・・
こんな形でなんて想像もしてなかったけど、君の為に・・・
居場所がなくなってない事務所に、皆の為に・・・
世界中の優しさと安心をいっぺんに受けた、おキヌちゃんの為に・・・





























   ――――――――俺は吹くよ、いつまでも・・・・――――――――




























「あの人、今日も吹いてるわ。・・・見てられないっ!」


オカルトGメン特別医療センターに収容されて一週間。
相部屋ではなく個室にして貰ったのも音色のせいで、防音システム作動中だ。
看護士の決まった時間に往診するのも何度見たか。同じ台詞も。
俺の姿はさぞ哀れだったのか必要最低限の言葉で終わる。
気を遣って貰って何だけど、そんなに落ち込んではないし、
ブルーになったのは、ほんの一日だけで。彼女が夢に現れてからは、
むしろ元気になった。俺の失敗が原因だけど彼女は全然気にしてなく。
『あまり気にしないでくださいね?私のせいで横島さんが悲しむのは・・・』
こう言ったんだぜ?俺の勝手な解釈が夢に出たのかもしれないけど、
気持ちは心は取り戻した。闇に向かってた俺自身を。


「へへへ・・・少しは上手くなっただろ?」


笑ってみる。口元をわざとに緩ませた。


「もう一回吹こうか?」


小部屋の外では西条と美智恵さんが肩を震わせ泣いていたし、
残りの関係者もきっとこの空の下で同じ想いであるだろう。
オレンジになりかかった夕暮れ時に俺は一つだけ・・・一つだけ思った。
何故皆、俺を責めないのか?直ぐに答えは浮かんでしまったけど。
きっと彼女は優しいから、皆に現れたんだな。それと・・・
彼女と言う人間を分かっているからこそ俺に何も言わなかった。








  ――――――――♪〜♪〜〜〜ピロロッ・・・♪〜〜♪――――――――








綺麗な音色が風に乗って、あの世もこの世も何処にでも、
流れていった気がしてた。世界中なんて無理だろうけど、
少なくとも彼女を知る者と不安と恐怖だけの世界には届いたと思う。
これでちょっとでも変われば、と願う。自分勝手で申し訳ない。
















「又、・・・来るよ・・・・。」
















静かに、ゆっくりとドアを閉めた。秋の訪れは儚く、枯れ葉を切り。
肌寒い風を残し消えていった。夕日は窓から照らしガラスに反射し、
永久に輝くだろう。部屋には機械の音だけがカタカタと鳴っていた。
しかし、一つ誤算だったのが謎の機械音は有霊波反応で。
霊死判定を受けてた状態(身体は機能してても霊波が止まっている状態)
奇跡的に彼女の指が動いたのを見逃したことと一番最初に顔を、
見れなかったこと。















   ――――――――ネクロの血が覚醒した瞬間であった――――――――















先の展開はともかく、俺は単純に嬉しかった♪













チャンチャン、続く

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