ザ・グレート・展開予測ショー

AFTER THE BACK IN THE REBORNED3


投稿者名:ヒロ
投稿日時:(03/ 9/16)

 キンコーン・・・・・・
 
 体育の授業が始まった。
 ただっぴろい体育館の中に、今集まっている生徒は誉人ら、2−Cだけであった。観客席が二階以降についてはいるが、これらを使用する機会はほとんどない。そういえば、観客席へのドアが開いていたような気もしたが、そう気にするほどでもないだろう。 
 この学校の体育は普通の学校の体育とは一線を画する。
 体育の教師、涅槃が、先ほどまで誉人が叩いていたボールを抱えて持ってきた。
 彼は普段は優しい教師で通っているが、熱中しやすいというか、情熱的というかである意味有名だった。
「オーシ。今日はドッジをやるー」
 バスケットボールでできるかー、などという疑問はとことん無視しつつ、それは始まった。
 1対35。
 教師一人対クラス全員。この時点でドッジではないのだが、とりあえず良しということで、教師涅槃24歳は納得する。何しろ、彼の思うドッジとは、球のぶつけ合い、程度でしかない。コートを使っての連携や、戦略など、奥深い要素を排他し、残りに霊力の力量差さえあればいいとすら思っている単純な思考しか持ち合わせていなかった。
「じゃぁ、いくぞぉ。それー」
 彼は軽く振りかぶって、生徒の一人に目をつけた。 
 目を閉じて、気合を入れた霊力を放出するための言葉の吐息を吐く。
「死ねやこらー」
 暖球から緩球、さらに速球、剛球、最後に致死球へと変貌していくその様はまさに教師だからできうる芸術品。
 弾はまっすぐに狙われた男子生徒の顔面へと吸い込まれていき、彼は貞○に襲われても見せまい恐怖の表情へと変貌して言った。
「どぐほぁぁぇああ」
 意味のまったく通じ取れない奇声を発して彼は星になった。
「死にたくなかったら、ちゃんと霊力で身を守れっていてるでしょう」
 涅槃の手にストンとボールは戻っていく。ある程度の霊力制御がきくらしい。
「できるかっ!!あんなもの」
 とりあえず、飛んでいった星よりも己の身を案じつつクラスの全てが一丸となって言った。

「だぁぁぁ」
「ぶひゃぁぁぁぁ」
 ・・・・・・・エトセトラ・・・・・・・・とりあえず、悲しいほどの生徒たちがお星様へと変わっていった。
 メンバーはすでに3分の1になっていた。
 誉人は持ち前の悪運の強さで何とか生き残っていた。良かった良かった。
「ヤロウ、ぜってぇ殺す」
 良樹は誉人をなんていうか『コロス』笑みで見据えていた。というのも、つい数分前に涅槃の殺人弾を「当っちまう」とか言う理由で、盾代わりにされたのだ。
 そもそも、まともに防御することすら叶わないのに、どうやって盾として使ったのか。その答えはおそらく一つ。
 それを考えると『この後憶えていろよな』と、不気味な笑いが口からあふれていく。
『ふふふふひゃははははほほほほほほ』
 びくっと誉人が良樹を見て、
「先生、良樹のやつに悪霊が」
 だが涅槃にも悪霊(?)が付いているらしく、
「大丈夫だよ。それより体育を実践させるほうが大切だぁ。しねぇぇぇ。皆のしゅうぅぅぅ」
 言うが早いか、彼の腕が掻き消える。
 鬼気、というかなんというかに反応して生徒全員が霊波を放出。前方に不可視の盾が展開される。
 前方からは凄まじいスピードにより爆進する霊弾。
 ともに不可視の力場が接触。見えない火花が当りに飛び散る。そして、
「アアアヂィィィィィイイ!!」
情けなく火花から逃げまどう誉人。
「ふふふふふひょほほほぉぉぉ」
 さらに脇で、藁人形に五寸釘を突き刺す元親友(?)
「よくも防いでくれましたね。みんな体育の評価にプラスですよぉ」
 涅槃はニコニコしながら褒めてくれた。生徒たちの顔に安堵が浮かぶ。
「てめぇーらぁぁ、よくも防ぎ腐りやがったなぁ。てめーら30回はぶち殺してヤンネぇーと気がすまねぇーゼェー」
 だから、続く彼の言葉を聞いたときの絶望の程は、想像に難くない。
「いやぁぁぁぁ」
 ついに女生徒が発狂した。霊力が底をついたときにあんなものを「知った」せいだ。
「もどりゃぁー」
 奇怪な叫びとともに、涅槃の腕にボールが帰る。
「いいかっ先ほどので分かった。みんなの霊力を集めれば何とか防げないこともない。何とか次の一手を防ぎきれば、そのままボールを奪って、同じ要領で何とか反撃できるはずだ」
 学級委員長である溺升が叫ぶ。彼は生徒、特に一部からの生徒の信頼が厚い。ゆえにこそ、生徒たちは的確に指示に従おうと動き出す。 
「いくぞっ」
「おおおおお!!」
 クラスの皆々が一致団結して、目の前の怪物に挑もうとしていた。
「素晴らしいですよぉ。クラスが団結して一つのことに挑もうとすること」
 涅槃は感極まったように天を仰いでから、
「この俺に勝てるわきゃねぇだろぉぉぉぉぉがぁあ」
不意に怒り狂ったように叫び、ボールを構える。
彼から発せられる霊気の波動が、凄まじい圧迫感を伴って、生徒たちを打ち抜く。ひろいはずのコートが、感覚的に狭まる。圧倒的なプレッシャー。
 だが、彼らは敗北感は感じてはいなかった。個人の力量を超越して勝利する術、このような霊能力者の卵ほど必要とされる技能を知っていたから。

 あとがきのようなもの
 前回がちと暗かったんで、壊れた人たちがこられていくようなものをば・・・
コースがアウトの人はごめんなさい、前回の反省をあんまり周到できていない様なきもどことなくするし・・・・・・
 過去にやはりシロのことが書かれていますが、俺もしろ好きなんで罪悪感に似たものも・・・最後には雪之丞出せればそれでいいんです、ママァ
 ・・・まとまらなくなってきましたところで、再見!

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa