ザ・グレート・展開予測ショー

お年玉


投稿者名:ゆうすけ(にゃんまげ)
投稿日時:(03/ 9/15)

文珠…
それは煩悩少年横島の異常極まる煩悩僅か直径2〜3cmの球体に凝縮された彼のGSとしての集大成と言える技である。その能力は力の方向を完全にコントロールし、場合によってはこの世の因果さえも変えてしまう…。


今日はそんな文珠で起こったお話…


――正月。

シロは里に帰り、タマモも真友と遊びに行き、まったりと正月を過ごしていた事務所の面々に客人が現れた。
「ヨコチマ〜!!」
そう、パピリオである。
「あっ、パピリオ!来たのか!」
「明けましておめでとうございます」
次いで小竜姫。艶やかな晴れ着姿での登場である。
「あら、小竜姫様もいらしたんですね。今お神酒の用意を…」
おキヌは彼女に軽くお辞儀すると台所へとスリッパを鳴らしていった。
「どうもわざわざすいません」
「しょっ、小竜姫様!!ああ、晴れ着姿もなんとも美しい!!」
「ありがとう♪」
そしてお決まりのタイミングで横島クンの煩悩始動。
「ああ…!!ぼかぁ、もう!!あなたと一緒に姫初めを〜!!」
発射。
「ああ、そう。これ御供え物のお酒ですが」
「まぁブランデー。どうもご丁寧に…」
撃沈。

姫初め…
本来は「正月くらいは夫婦の営みを控えろ」と言う意味(らしい)

「そんなことしてないでヨコチマ!」
美神と小竜姫に踏みつけられている横島の腕をぐいぐい引っ張りながらパピリオ。
「ん…何だ、パピリオ?」
「あのね…。明けましておめでとうございます!!」
「あ?ああ、明けましておめでとう」
「それでね…」
するとどうしたのかパピリオは急にもじもじと体をくねらせ始めた。
「?」
「お年玉ちょ〜だい!!」
次の瞬間パピリオは満面の笑みでバッと両手を横島に差し出した。
「おっ、お年玉か…?」
この言葉に横島はギクリと後退りした。

お年玉…
新年に子供などにやるお金や品物を言う。

「大体お前、どうしてそんな事を…」
「私が教えたんですよ」
と、この疑問に答えたのはコタツで御神酒のおとそを楽しんでいる小竜姫だった。
「私がパピリオに今日は正月だと教えたら、正月はどんな事をするのかと聞いてきたもので…すいません横島さん」
「いやなに、気にしないでください」
「きゃっ、おいしい♪」
既に他人事である。
「パピリオ『タイコの帝王』が欲しいでちゅ!」
「ああ、あれが欲しいのか」
この時横島は素早く金額計算を行った。
ソフトは大体税込みで七千円。
現在の財布の中身→一万八千円。
ちょっと苦しいがまぁ何とかなると思った。
「言っとくけど専用コントローラーとゲームステーション2がなきゃダメでちゅよ?」
「何!?大体お前ゲームステーション持ってんじゃないか!?」
横島の中で警報音が鳴り響いた。
「あれはゲームステーションでちゅ!『2』じゃないでちゅ!」
「で、一体いくらするんだ?」
おそるおそる金額を尋ねる横島。
「ん〜っとね〜…」
(ああ…予算内でありますように)
横島は彼女の返答が吉報であることを願った。
「ゲームステーション2が大体四万円くらいで…専用コントローラーが一万円ちょいだから…大体六万円あれば足りるでちゅ!」
返って来たのは悪い報せだった。
「そ、そんなにするのか…?」
「やっぱり、ダメでちゅか…?」
横島のこのリアクションにパピリオは悲しそうに俯く。
「みんなで楽しくやりたかったのに…」
肩が震えてきた
「よっ、よし!買ってやる!」
やばいと感じた横島はとっさにOKを出した。
「だからヨコチマ好きでちゅ!」
んでもってお約束の嘘泣きである。
「おキヌちゃん…」
クイクイと手招きをする横島
「はい?」
「いくら持ってる?」
「はぁ、ニ万円くらいは…」
まだ足りない。
となると最後の頼みの綱は…
と横島が振り向いた瞬間
「やだ」
の一言
「そんな殺生な!あーたには妹思いの兄の気持ちがわからんのですか!?」
「あんたに貸したらいつ返ってくるかわかんないでしょ!?」
「給料から引けば良いじゃないですか!」
「あっそ、じゃあ2ヶ月くらい給料減るけど良いのね?まぁ最初の月はタダ働きになるけど?」
「じゃあ毎月ちょっとずつ引いてくださいよ」
「私の利息の高さ知って言ってるのかしら?」
沈黙
「お、鬼ーーー!!!」
「なんと言っても無駄よ」
美神はそっぽを向いた。
再び沈黙
「そうですか…口で言ってもわかってもらえないならしかたないですね」
すると横島は右手に力を込めた。
「あっ!あんたまさか…ッ!?
ギクリと美神
「そーそのまさかじゃー!!」

『許』


※ここから先記されている文章は同事務所で居候をしている氷室氏(16)の供述である。


パピリオ達が帰った後でした。美神さんが行動に出たのは…。

あの後美神さんは横島さんを別室に招き、二人でなにか話し合いをしていました。

次の日、美神さんは以前人狼族の長老に頂いた隠し金山を発表、その後国に税金を納め、公的に金山を自分のものにしました。

さらに次の日、美神さんと横島さんは私達の前から姿を消しました。

そして数週間後、美神さんは機関系以外全て純金で作った超大型クルーザーを作ったと報道関係者に発表。オークションに出品しました。

船は数兆円で某国の石油王が落札。美神さんは大儲けしました。

でも…

でも本当は違うんです。

あれ、金山から取った金で作った物じゃないんです…。


すいません。これ以上は私の口からはとても…。



失礼します…。




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