届くはずのない贈り物
投稿者名:ゆ〜すけ
投稿日時:(03/ 9/14)
ある日――
近くにあるコインランドリーで溜まった洗濯物を片付けちまおうと
汚れた洋服をまとめ
ぽつぽつと街を歩いていると
一人の女の子が目に入った
厳密に言うと彼女の服装が目に入ったのだ
それは昔、俺がいつかルシオラに買ってやろうと店のショウウィンドウから眺めていた青いワンピースだった
その時俺はしまったと思った
今日は何日だ…?
そうだ、確かに今日はあの日だ
俺は急いで家に戻り、汚れたままの洗濯物を部屋に置くと
100円ライターと花束、そして無理矢理分割にしてもらったあの青いワンピースを買い、東京タワーに走った。
時刻は午後四時…微妙だ
空よ、まだ紅く染まらないでくれ
太陽よまだ沈み始めないでくれ
夕暮れにはなんとか間に合った
俺はあの場所に行くと100円ライターを出し、買ったワンピースに火をつけた
「プレゼント。結構可愛いだろ?確かお前が青い服を着てるのをみたことなかったと思ったから」
「…うん。似合うよ。すごく可愛い」
そう言って次に俺は花束を燃えている洋服の上に重ねる
「あとこれ、花束」
「…だろ?店の人に一番良いやつを選んでもらったんだ」
「…ああ、夕陽がすごく綺麗だな…」
どんな霊能者でも、事実今こうして会話している俺でさえ感じる事の出来ない
あいつの声
あいつの姿
あいつの魂
でも何故だろう?
俺はここにあいつが存在しているようでならない
あいつの声
あいつの姿
あいつの魂
それが今ココに存在しているようでならない
空よ、まだ暗くならないでくれ
太陽よ、まだ完全に沈まないでくれ
もうすこし
もうすこしだけ俺にあいつを感じさせてくれ
今最高に美しく輝いている彼女の姿を…
今までの
コメント:
- くあ〜〜〜っ!良い話しです・・・心の底からじ〜んとなりました♪
何故か悲しいお話なのに温かくなるものがあり『横島くん』の優しさ寂しさ。
『ルシオラ』への想い。途中出てきた女の子の来てた青いワンピース。いつかプレゼントしようとした一品。無理して買って燃やす姿にも感動の一言です。最後辺りのどんな霊能者も勿論自分も感じることが出来ない彼女の感覚。切なくも温まるお話に感謝感謝の一言です♪ (えび団子)
- どうも、ゆ〜すけことゆうすけ(にゃんまげ)です。書いてる時に名前の表記が微妙に違っている事に気付かずそのまま投稿した次第です(^^;)。
念のため言っておきますが(っていうかここで言うのもなんだが)俺とU−SUKE氏は全くの別人ですので(^^;)。
一応舞台は(季節外れですが)冬です。34巻が発刊されたのが2月…さらにサンデーで連載されていたのが大体その2〜3ヶ月前という計算で書きました。
勉強中の気分転換に書いた駄文ですが楽しんでいただけると幸いです。 (ゆうすけ(にゃんまげ))
- 横島の心情を一言で表すと“未練”でしょうか?
それは弱さかもしれませんが、同時に捨ててはいけない弱さであるかも知れません。
彼がいずれ、自らの裡なる彼女ではなく、「死んだ彼女」を受け入れられる日が来る事を祈りましょう…。 (黒犬)
- なにかしてあげたくても。
なにかを贈りたくても。
もう、どんなことも手遅れで…。
届かない手を必死に伸ばしても、やっぱり届かなくて。
横島君、辛いですよね。
早く立ち直ってほしいです。 (猫姫)
- コメントありがとうございます(^^)
>えび団子さん
そうですか楽しんでいただけて幸いです。しかし俺の伝えようとした事が伝わりきれてないようなのは残念です。(−−;)
>兄さん 姉さん
そうです。「未練」なのです。今回俺は「何時まで経ってもルシオラと言う存在をずるずると引き摺っている未練たらしくも情けない横島」を書いてみました。何とか伝わったみたいで幸いです。 (ゆうすけ(にゃんまげ))
- 補足:先の「何時まで経ってもルシオラと言う存在をずるずると引き摺っている未練たらしくも情けない横島」とだけ書いてあっては「ちょっと横島に対してひどいんじゃない?」と思う人がいるかもしれないので補足を…。横島が引き摺っているルシオラは彼のこう言った行為をどう受け止めるでしょうか?俺は決して嬉しい気持ちじゃないと思います。アシュ編ラストでルシオラが「今回は1000年待った人に譲ってあげる」や横島の事を「パパ」と呼ぶ辺り横島に対する彼女の気持ちは踏ん切りがついたと思われます。それなのに今回の横島のこの行動…彼女の気持ちはきっと悲しいものでしょう。
それでは失礼致します。 (ゆうすけ(にゃんまげ))
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