ザ・グレート・展開予測ショー

横島とメドーサ(10)


投稿者名:横叉
投稿日時:(03/ 9/13)

『美神さん、ここからは全員で行きましょう。敵は半端じゃなく強いです。』

『そうね』
『それじゃあみんな行くぞー。』

『ちょっ横し『『『おーーーー』』』台詞・・・・・・・』

みんなが横島の掛け声と共に四階に行く。

正直横島に主導権を握られるのはくやしいが、口に出すのは大人気ないので黙って従う。

私達はそのまま四階へと進んだ。

今まで以上の強敵が待ち構えているであろう四階へ・・・・・・












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『何にも襲ってきませんね。』

『油断しちゃ駄目よ。ここは妖怪の巣みたいなもんなんだから。』

『でも妖気も何にも感じませんよ。』

『うーん・・・・・・』

今までと違い視界いっぱいの妖怪も幽霊も襲ってこない。

この階だけは特別荒らされている様子も無い。大理石などがそこらかしこにあり、きらびやかさが目立つ。
新築だといっても差し支えないほど綺麗である。

『どういうことかしら・・・・・。』

普段ならネコババするところだが今はそれどころではない。

『つかの間の休息を楽しめって事じゃない。』

『もしくは妖気を消すのが上手い奴らが揃っているとか。』

前者であると信じたいが、後者の方が現実的である。

『それにしても全く私の感覚にピンとも来ないのは変よ。』

大体敵に休息を与えるだなどというようなことをするやつはいない。
ガルーダとの闘いの後ならいくらか疲れているなんて誰にでも分かる。
ましてや統率力がある妖怪ならなおさらだ。

『もしくはこの後の5階の敵に絶対の信頼を寄せているとか。』

在り得る。

『きっと三階より先を突破されることを考えていなかったんでござるよ♪』

それは無い。名将はいかなる時でも最悪の事態を想定していると聞く。

それほどの妖怪がこの事態を想定してないとは考えにくい。

・・・・・・・・・



『考えても埒が明かないわ。先に進みましょう。』

私達は移動速度を上げて進んだ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


『それにしても広い屋敷ねえ。』

先ほどから探しているが階段が見つからない。

『普通屋上まで一直線にいけるようにしてあるんですけどねえ。』

『・・・・・・』

この屋敷に入って来た時からの違和感が頭に引っかかる。

『どうしたんですか。美神さん。』

おキヌちゃんが心配そうに声を掛けてくる。

『うーん ずっと引っかかってることがあって。』

『何が引っかかってるんです?』

『それは・・・・『死体だよ』
『『ええっ!!!』』

正直横島が私の違和感の正体に気付いていたのは驚いた。

『死体ってどういうことよヨコシマ?』

『ここには私達より以前に何人ものGSや除霊師、Gメンなんかが除霊に向かっていたはずでしょ。なのに一つも遺体が見つからないのよ。』

『ここにはまだ誰も来ていないからと仮定しても、一階と二階に一つも見つからないってのは妙だからな。』

『ふーーん』

三人ともまだことの重大性が分かってないらしい。

『わざわざ人間の死体を埋めるのが趣味な妖怪がいるとも思えないし、まあ人がいた痕跡そのものはあるんだけどね。』

『つまりどういうことなんですか?』

『つまり中に人が入ってきてその死体を回収したとしか思えないんだ。恐らく何らかの目的の為に・・・・・・・。』

『茂流田さんみたいな目的ですか?』

『それは分からないけど可能性は高いと思う。そうなるとあの依頼人も怪しい。』

『妖怪が食べた可能性は無いのでござるか?』

『血も無いのよ。つまり私達は単なる除霊じゃなく、
悪の居城に乗り込んでその親玉をぶったたくというな除霊になったわけよ。』

『つまり我々は依頼人にだまされたんでござるか?』

ここにきてやっと理解できたらしい。

『恐らくな。初めから払う気なんて無いんだ。そりゃあいくらでも言えるわな。』

『そんなことまで分かるなんてさすが先生でござる。』

『ははまあな ・・・・・そんなことより階段が見えてきたぞ。』

みんなの足がやや勇み足になる。








このまま5階へ・・・・というほど敵も甘くなかった。

『あっ、あれは・・・・・・。』

そう地獄の番犬ケルベロスだ。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa