ザ・グレート・展開予測ショー

眠り姫 ・・・前半・・・


投稿者名:えび団子
投稿日時:(03/ 9/ 6)


ある晴れた九月上旬。まだ残暑厳しく、昼間に至っては夏そのもの。
大名商売の『美神除霊事務所』は仕事を先程暑さにうだりキャンセルしたところ。
飲みかけの麦茶と食べかけのそうめん。シロとタマモは一番堪えるかもしれない。
両方が休戦状態でクーラーの虜になっていた。そんな中、厄珍にお使いを頼まれた
いつもの二人。『丁稚奉公と優しい気の利いた子』







          〜〜〜〜〜〜〜〜厄珍堂〜〜〜〜〜〜〜〜




「えっと・・・美神さんが頼んどいたやつは・・・っと。」

額にバンダナを巻いた少年『横島忠夫』手には破魔札やら何やらと物騒なものばかり持っている。

「枚数をちゃんと数えてくださいね。」

他の棚を見て回る少女『おキヌちゃん』こちらも新型見鬼君なるものを持っていた
一通り見て、言いつけ通りに買い物を済ました。毎回思うがこの人たち(美神さん達)は金銭感覚がどうかしてるって言うかネジが一本飛んでいる。

「令子ちゃんに宜しく頼むアルよ〜〜っ!」

店を出て行く際に厄珍の一言。まあ、大して変わらない風景である。
太陽が熱いのを我慢し店から徐々に離れて行く。寂しかった。

「あ〜〜〜〜っ、あそこエアコンが効いてて涼しかったのにな〜!」

横島が買い物袋を両手に引っ提げ言う。

「仕方ないですよ、これもお仕事です♪」

確かにその通りで、正論だ。おキヌちゃんが言うことはほとんど正しく、
GS唯一?の正統派ヒロインだからである!!それはさておき現在横島の意識は少しずつ遠のくのを感じていた。熱中症である。疲労と熱さからきたらしく、足元がふらついた。

「だ、大丈夫ですか?!横島さんっ・・・!!」

横島の不調を悟ってか、心配そうに声を掛けるおキヌちゃん。
事実、誰が見ても異常は明らかで今すぐにでも休息が必要不可欠だった。

「だ、だ、だだ・・・だいじょう・・・ぶ!」

喉の奥から振り絞った様な声を出す横島。

「ちょっと待っててくださいね、楽にしてあげますから・・・!」

おキヌちゃんの手のひらから温かい霊気が放出される。
温かいのにひんやりするし、何故だか身体の疲れや熱さが取れて来る。

「どうですか?!少しは良くなりましたか?!」

「うん、大分楽になったよ。ありがと!おキヌちゃん♪」

ヒーリングは身体の傷だけを癒すのではなく、人間本来が持つ自然治癒能力を通常より何倍も引き出すことができる訳で更に『おキヌちゃん効果』が加われば・・・

「私のヒーリング、大したことないですけど役に立てて嬉しいです♪」

「そんなことはないよ!?すげー効いたよ♪」

その場で飛び跳ねる横島。おキヌちゃんもくすくすと笑う。
元気を取り戻したら急いで事務所へと帰路を辿る。そして・・・




「君は完全に包囲されている、大人しく・・・」

遠くから聞こえる嫌な声。聞き覚えのある青年の男の声。
横島の一生の敵だと歌われた西条こと、西条輝彦である。

「うるせーーーーっ、せっかく身体が手に入ったんだ!そう簡単に・・・」

どうやら除霊中らしい。ケースは、生身の人間に乗り移った低級霊であり難しくはないようだ。

「仕方あるまい、破魔札ショットガン!各自用意・・・」

西条の掛け声と共に周りのオカルトGメンらが戦闘姿勢にはいる。

「ななな・・・何をっ・・・わしを打ってみろ、この子の命はないぞ!!」

悪霊も必死だ。

「ふんっ・・・やってみたまえ。君がその子を殺す前に瞬殺してやろう・・・」

クールな瞳と気取った台詞がかっこいい西条。

「グググ・・・!!んっ・・!?」

観念かと思われたその時、悪霊の視界におキヌちゃんが見えた。

「あれなら・・・いける。」

おキヌちゃんの霊体と肉体の僅かな差に気が付いたのか悪霊は一目散に彼女目掛けて突っ込んでくる。

「きゃあっ・・・・!!!!」

おキヌちゃんが叫んだ。反射的に横島の身体は彼女の前に立ち塞がり。

「舐めんなよっ・・・!!うおおおおおおっ!!!!」

文珠を生成する。『爆』と言う字を込めて。

「全斑、打てえええっ・・・!!!!」

西条も加わる。交差点でもの凄い爆発音が響いた。
文珠の力と破魔札の力が融合し劇的なパワーを生み出したのである。

「ぐっ・・・やったのか?!」

横島が身体を起こしながら言った。あの中央にいながら傷はほとんどなかった。

「悪霊、一定区域内には見当たらず消滅したと確定致しました。」

オカルトGメンの一人が西条に向かって言う。

「よし、全斑撤収!」

西条の指揮で動いておりGメン専用車が何台も帰って行く。
数秒後には何事もなかったかのようになっていた。
そして・・・

「お、おキヌちゃんは!?無事なのか・・・?!」

辺りを見回す。すると・・・

「ここですよ〜」

空中にふよふよといった風に浮かんでいるおキヌちゃんがいた。

「あれっ、どうして・・・?!」

「爆発のショックで。たまになっちゃうんです、幽体離脱・・・えへへ♪」

照れ笑いしているおキヌちゃん。しかし、この後とんでもないことが待っていたのだ。彼女の身体は横島の後方近くにあり幽体と身体を重ねようとしたところ・・・

「あ、あれ・・・?!」

彼女が驚嘆の声を出す。

「どうしたの?」

横島が尋ねる。

「私・・・身体に戻れなくなっちゃったんですっ・・・!!」

「えええっ・・・!!??」

突然起こった。






         ――――――――眠り姫――――――――





              
               






              チャンチャン、続く♪

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